【7月13日はオカルト記念日】日本にもエクソシストはいた?各地に残る悪魔払いの風習
2018年7月12日 更新

【7月13日はオカルト記念日】日本にもエクソシストはいた?各地に残る悪魔払いの風習

今から44年前の7月13日、日本で初公開され大ヒットしたのが、オカルトブームの火付け役となった映画『エクソシスト』。これを記念して、7月13日は「オカルト記念日」に制定されているのをご存知でしょうか。そこで今回は「エクソシスト=悪魔払いの祈祷師」にちなんで、日本に残る「悪魔払い」の風習や、それにまつわる場所を紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

日本にも“悪魔祓い”はある?

西洋における悪魔払いはカトリック教会の儀式のひとつで、人に憑いた悪魔を、司祭が厳密な儀式に則ってとり払います。一方、日本における悪魔払いのルーツは、修験者や陰陽師による、調伏呪文や加持祈祷といわれています。さまざまな儀式や行事、呪い(まじない)を行うことで、モノノケになったものや、邪気・邪霊に侵された人から邪気を払っていくのが一般的です。

民俗芸能として伝わる「山王悪魔払」(石川県金沢市)

写真提供:金沢市 (22200)

via 写真提供:金沢市
こうした儀式などは、時代とともに民間にも広がっていきましたが、民俗芸能として今に伝わるのが、石川県金沢市大野町に残る「山王悪魔払(さんのうあくまばらい)」です。

大野町日吉神社の夏祭りで行われる、神興の渡御にしたがって演ぜられるもので、現在は7月第4四土曜日・日曜日に開催。
祭りでは、独特の衣装を身にまとった「坊さん」を先頭に、天狗・鬼人・翁の面をかぶった踊手の3人が、まさかりを振りおろして四隅を切る、破魔矢をつがえて四隅を射る、太刀で四隅を切るといった所作をくり返しながら、町内をまわって悪魔(邪気)を払っていきます。
開催:2018年7月28日(土)、29日(日)
場所:金沢市大野日吉神社

起源は平安時代の悪魔払い?どんど焼き

福井県の「勝山左義長まつり」

福井県の「勝山左義長まつり」

via 写真提供:公益社団法人福井県観光連盟
ほかにも、小正月に行われる火祭りの行事、「左義長(どんど焼き)」の起源とされるのが、平安時代の悪魔払いの風習「三毬杖」。

三毬杖は、正月15・18日に宮中の清涼殿南庭で催され、3本縄で巻いて立てた竹に、扇をつるして焼きます。これは、爆竹を鳴らすことで災いを除く中国の風習が、日本の宮中に伝わった儀式で、竹を燃やしたときに発する爆音によって鬼を驚かし、追い払うとされています。

これが民間に伝わったとされる左義長(どんど焼き)では、門松や注連飾り、書き初めを持ち寄って焼き、地域によっては、その火で焼いた餅を食べることで無病息災を願います。

日本版“エクソシスト”!?祐天上人

祐天(1637-1718)

祐天(1637-1718)

また、江戸時代にいわゆるエクソシスト的な存在として知られるのが、高僧と名高い祐天上人です。

特に、悪魔払いならぬ怨霊退治のエピソードとして有名なのが、四世鶴屋南北による歌舞伎「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」や、三遊亭円朝による落語「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」の題材とされた「累伝説」。
累 (『絵本百物語』竹原春泉画)

累 (『絵本百物語』竹原春泉画)

江戸時代、下総国岡田郡羽生村(現在の茨城県常総市羽生町)に起きた実話が元になっており、人々にとり憑いて悪事をなした「累」という女性の怨霊を、祐天上人が法力を以って成仏させたと伝わっています。羽生町にある法蔵寺には、現在も累の墓が残っているほか、累の木像、祐天上人が怨霊を供養する際に用いたという数珠、累曼陀羅などが、大切に保存されています。
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