「少年よ大志を抱け」実はたくさんある!クラーク博士の銅像とゆかりの地
2018年4月16日 更新

「少年よ大志を抱け」実はたくさんある!クラーク博士の銅像とゆかりの地

「少年よ大志を抱け(Boys, be ambitious)」という言葉、誰しも大抵は聞いたことがあるはず。この言葉がクラーク博士という人物のものだという知識をお持ちの方も多いことでしょう。では、クラーク博士とはどんな人物だったかご存知ですか?今回は彼の生涯と、実はたくさんある彼の像が設置されている場所について紹介していきたいと思います。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

わずか8ヶ月の北海道滞在が最高の思い出に

クラーク博士

クラーク博士

クラーク博士の名前はウィリアム・スミス・クラーク。1826年にアメリカのマサチューセッツ州に生まれました。そしてマサチューセッツのアマースト大で化学、動物学、植物学などを教えていましたが、やがて農業教育の道へと進んでいきます。

ちょうどアマースト大には新島襄(同志社の創始者)が留学しており、彼の紹介によってクラーク博士は日本へ来ることとなったのでした。これが明治9(1876)年のことで、当時の札幌農学校(後の北海道大学)の教頭として赴任します。

札幌農学校には8ヶ月間の滞在でしたが、そこでは教育面だけでなく、キリスト教精神の普及にも大きな存在感を示しました。
新島襄

新島襄

クラーク博士来日を実現した立役者
クラーク博士は翌年の明治10(1877)年に帰国しますが、帰国後は大学設立や鉱山会社の運営に失敗し、ストレスを抱えるなか1886年に59歳で亡くなりました。
クラーク博士は、生前、札幌での生活が人生で一番輝かしい時間だったと言い残しています。短くとも充実した北海道での日々だったようですね。

「少年よ大志を抱け」の本当の意味とは?

博士と生徒たちが別れた旧島松駅逓所(北広島市)

博士と生徒たちが別れた旧島松駅逓所(北広島市)

「Boys, be ambitious(少年よ大志を抱け)」というクラーク博士の言葉は、彼が明治10(1877)年に日本を離れる際、旧島松駅逓所(北海道北広島市)で述べたものだというのが一般的な認識です。

教え子によると、その言葉はクラーク博士が別れの際に馬に飛び乗り、そう叫んだというものでした。ただ、全文は「Boys, be ambitious like this old man(青年よ、この老人=私のように君たちも野心的であれ)」というもう少し長いものだったとも言われています。

一方、「Boys, be ambitious in Christ (God)」と言ったとか、もっと長くて「功績や金のためでなく人間として大成するための大志を持て」と言ったとか、色々な説があるのです。しかし、実際に博士にはそんな意図はなく、「まあ頑張りなさい」と軽く別れの挨拶として残しただけだという説もあるんですよ。
確かに別れ際の言葉があまり長いと聞く方も覚えるのが大変ですね。

さて、どれが本当の博士の意図だったのでしょうか?でもやはり、「少年よ大志を抱け」とい言い残して去る方が、カッコいいですよね。

北大だけでも6体!?クラーク像は一体いくつあるの?

さっぽろ羊ヶ丘展望台のクラーク像

さっぽろ羊ヶ丘展望台のクラーク像

via 撮影:ユカリノ編集部
博士の像は、札幌市豊平区の羊ヶ丘、さっぽろ羊ヶ丘展望台にあるものがいちばん有名です。正式名は「丘の上のクラーク」といい、右手で「遥か彼方にある永遠の真理」を指し、それに向かって大志を抱けという意味を持っているんだそうですよ。

なぜここに設置されたかというと、北海道大学構内のクラーク像目当てに観光客が押し寄せて学業に影響が出たために、こちらにも作ったわけです。すごい人気ですね。
ということで、北海道大学内にも幾つかクラーク像があります。キャンパス内の古河記念講堂前(中央ローン横)にある胸像が北大内では最も有名です。大正15年(1926)年に設置されました。

他にも、クラーク会館2階や保健管理センター、付属図書館北方資料室、事務局大会議室にもあり、北大植物園の宮部金吾記念館にも胸像があります。なんと北海道大学だけでクラーク像は6体もあることになります!
北大・中央ローン横のクラーク博士胸像

北大・中央ローン横のクラーク博士胸像

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