【埼玉県】神々のロマンを花火が祝福!秩父夜祭|日本名珍祭り図鑑
2018年11月26日 更新

【埼玉県】神々のロマンを花火が祝福!秩父夜祭|日本名珍祭り図鑑

祭り写真家の芳賀日向さんが、日本全国よりその土地ならではの珍しい祭りを紹介する連載。今回は、秩父市の名物「秩父夜祭」です。毎年12月に開催される秩父神社の例大祭で、ユネスコ無形文化遺産にも登録され、日本三大曳山祭の1つに数えられる秩父夜祭。歴史ある師走の伝統的なお祭りの見どころや撮影ポイントをご紹介します。

芳賀日向芳賀日向

御旅所に到着した「神々のロマン」を打ち上げ花火が祝福する

撮影:芳賀日向 (26085)

via 撮影:芳賀日向
12月になると、しんしんと冷え込む秩父の山麓。
祭りの日が近くなると、青年団が練習する秩父屋台囃子が毎晩町の中に響き渡ります。秩父市の6町には笠鉾2基・屋台4基があり、見事な極彩色に塗られ精細な彫刻が施され、その豪華さは岐阜県高山祭の屋台、栃木県鹿沼秋まつりの屋台と並ぶでしょう。

12月3日の夜に市内を巡った秩父神社の神輿、笠鉾、屋台が御旅所に到着すると、尺玉は約120発を含め6千5百発の花火が冬の夜空を彩るのです。
秩父祭屋台(左)と笠鉾(右)

秩父祭屋台(左)と笠鉾(右)

via 撮影:芳賀日向
屋台で披露される「曳き踊り」

屋台で披露される「曳き踊り」

via 撮影:芳賀日向
左右に張出舞台を付けて舞台を広げ、4基の屋台は年ごとに...

左右に張出舞台を付けて舞台を広げ、4基の屋台は年ごとに当番制で歌舞伎を上演する

via 撮影:芳賀日向
狭い屋台の中で演奏される秩父屋台囃子

狭い屋台の中で演奏される秩父屋台囃子

via 撮影:芳賀日向

古社・秩父神社の例大祭「秩父夜祭」の歴史

秩父神社は創建2100年以上と言われている古社。秩父夜祭は、華麗な花火と豪華な山車が目を惹きますが、もっともオーソドックスな日本の祭りの形態があります。
4月4日の御田植祭で秩父の武甲山から龍神様を秩父神社にお迎えし、冬の秩父夜祭で龍神様を武甲山にお送りするのです。神様は、冬の間は山に籠もられます。この神送りの行事に、江戸時代から始まった蚕市が加わって大変賑やかになったというわけです。また、江戸から伝わった歌舞伎も地歌舞伎として上演されるようになり、養蚕業者や火事の多かった江戸への材木を運んだ材木商たちの財で現在の豪華な笠鉾・屋台が競うように作られました。現在でも、夜祭が終わった翌日の12月4日に秩父神社では県内の養蚕業者による蚕糸祭(さんしさい)が行われています。
秩父神社

秩父神社

via 撮影:芳賀日向
撮影:芳賀日向 (26093)

蚕糸祭で奉納された天蚕(てんさん)
via 撮影:芳賀日向
絹で織られた伝統の着物、秩父銘仙を着た男衆。

絹で織られた伝統の着物、秩父銘仙を着た男衆。

via 撮影:芳賀日向

一夜の逢瀬?「お諏訪渡り」にまつわる言い伝え

この秩父夜祭には、市民の間に大変興味深い言い伝えがあります。
秩父神社はもとは地主神を祭神としていました。「お諏訪様」と呼ばれ、諏訪信仰の農業用水を司る神様です。
お諏訪様

お諏訪様

今は駐車場となっている秩父市番場町の一角に小さな祠(ほこら)があります。お諏訪の宮と呼ばれ、そこにお諏訪様がいらっしゃいます。この祠の下には地下水路があり、武甲山からつながっていると言われています。
via 撮影:芳賀日向
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芳賀日向

芳賀日向

はがひなた。祭り写真家。1956年長野県生まれ。米国西イリノイ大学文化人類学科卒業。30年間に渡り世界の祭り48ヵ国、日本各地の祭りを撮り続ける。週刊朝日百科『日本の祭りシリーズ』連載(朝日新聞出版)、『祭りを撮る』監修(旅行読売出版社)、『日本全国祭り図鑑』監修(フレーベル館)など。写真展「世界のカーニバル」、「被災地の夏祭り」(キヤノン)他。日本写真家協会会員。 公式

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