北斎の時代と今を“橋”で結ぶ「北斎の橋 すみだの橋」展が開催
2018年9月11日 更新

北斎の時代と今を“橋”で結ぶ「北斎の橋 すみだの橋」展が開催

世界的に人気のある江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎(1760−1849)。北斎ゆかりの地・東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」では、2018年9月11日(火)から11月4日(日)まで、企画展「北斎の橋 すみだの橋」が開催。身近な橋の歴史と魅力を、北斎目線で楽しみませんか?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

世界の葛飾北斎が描く橋の魅力

アメリカの雑誌「LIFE(ライフ)」で、「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に、日本人でただひとり選ばれた葛飾北斎。北斎の画法はモネやゴッホにも影響を与え、作曲家のドビュッシーも、彼が描いた「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(通称・グレートウェーブ)の影響を受け、交響詩「海」を作曲したといわれています。この企画展では、北斎が描いた様々な橋を通して、時代ごとの橋の魅力や、そこに生きる人々の様々な想いに迫ります。

夢の中でみた橋まで?! 北斎が描いた橋を一挙公開!

「諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし」(作品を入れ替...

「諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし」(作品を入れ替えて通期展示)

via 提供:すみだ北斎美術館
人一倍好奇心旺盛だった北斎は、名所の橋だけでなく、橋の構造に着目しながら北斎なりの視点で、様々な橋を描きました。

北斎の代表作である「諸国名橋奇覧」全11図を、本展では前後期を通し、初めてシリーズとして全てを展示します。
「諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし」(※前期のみ展示)

「諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし」(※前期のみ展示)

via 提供:すみだ北斎美術館
ほかにも京都嵐山の渡月橋など、今も観光名所として名高い橋も描かれています。現在の姿を思い浮かべて見てみると、昔と変わらない姿を今に留めていることに感動します。残念ながら無くなってしまった橋については、「是非貴重な文化財の復活を!」なんて思ってしまいますね。

夢の中で見た橋を描いた「百橋一覧」は、一枚の絵の中に様々な構造の橋が詰め込まれ、その多種多様さに圧倒!
また、名作「冨嶽三十六景」からは、「御厩河岸より両国橋夕陽見」や「深川万年橋下」などが公開されます。

北斎の時代と現代を、”橋”でつなげる美術展

90歳という長寿を全うするまで、墨田区内を中心に93回も引っ越したといわれる葛飾北斎。
北斎と大変深いゆかりのある墨田区には、両国橋、吾妻橋、蔵前橋、駒形橋など、魅力的な橋がたくさんあります。これらの橋の変遷を、錦絵や絵葉書、図面や立体物といった関連資料を展示しながら多角的にご紹介します。
『絵本隅田川 両岸一覧』「両国納涼 一の橋弁天」「無縁...

『絵本隅田川 両岸一覧』「両国納涼 一の橋弁天」「無縁の日中」(※通期展示)

via 提供:すみだ北斎美術館
両国橋が架かる東日本橋と両国は、かつて武蔵野国と下総国の国境にあたりました。なのでこの場所に架けられた橋を「両国橋」と呼ぶようになったのだとか。現在の橋は関東大震災の後、昭和7(1932)年に架けられたものです。シャープな印象の桁橋(けたばし)で、後にバルコニーが取り付けられました。
「(東都名勝)吾妻橋」絵葉書 紅林章央氏蔵(※通期展示)

「(東都名勝)吾妻橋」絵葉書 紅林章央氏蔵(※通期展示)

via 提供:すみだ北斎美術館
浅草の雷門のほど近く、現在は東京スカイツリーのビュースポットとしても知られる吾妻橋。ここは江戸の昔も今も、日本を代表する観光地です。八代将軍・徳川吉宗によって始められた日本最古の花火大会、隅田川花火大会が楽しめる場所としても有名ですね。
橋は古くから、川や谷といった難所をのりこえるため、なくてはならないものでした。その構造や種類は、時代の政治的な理由、技術的な制約の中で、様々に変化し発展してきました。

この企画展では、北斎が描いた橋を通じて、建造物としての魅力だけでなく文化的側面もご紹介しています。

北斎の目線で、普段何気なく渡っている橋の歴史と魅力を、あなたも再発見してみませんか?

「北斎の橋 すみだの橋」

18 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

【相撲だけじゃない】すみだ北斎美術館と江戸東京博物館のある両国でアートめぐり

【相撲だけじゃない】すみだ北斎美術館と江戸東京博物館のある両国でアートめぐり

東京でアートめぐりをするなら、上野、青山、六本木が定番ですが、新たに注目されているのが両国です。昨年11月にオープンしたすみだ北斎美術館に、歴史好きにはおなじみの東京都江戸東京博物館、来年1月には刀剣博物館が移転など、かなりの盛り上がりを見せています。今回はイベントを中心に、両国の新たな魅力を紹介します。
江戸幕府きってのスイーツ男子?都内で楽しむ勝海舟ゆかりのグルメ

江戸幕府きってのスイーツ男子?都内で楽しむ勝海舟ゆかりのグルメ

幕末といえば必ず名前が出てくる勝海舟。江戸無血開城や、坂本龍馬とのエピソードも有名ですね。東京出身の勝海舟が好んで通ったというお店の中には、今も営業を続けているお店もあるんですよ。今回は、東京にある勝海舟ゆかりのお店を中心にご紹介したいと思います。
三島弥彦、吉岡信敬…天狗倶楽部のメンバーたち、破天荒だがそこがいい!

三島弥彦、吉岡信敬…天狗倶楽部のメンバーたち、破天荒だがそこがいい!

大河ドラマ「いだてん」が始まり、初回から話題を呼んでいます。なかでもTNGこと「天狗倶楽部」のはじけっぷりに度肝を抜かれた方も多いのではないでしょうか。生田斗真さん演じる三島弥彦を筆頭に、個性強めなメンバーたちは、いったいどんな人物だったのでしょうか。実在するメンバーの紹介と、彼らにゆかりがある場所をご紹介します。
原寸大の牛車登場、源氏物語の世界も再現!「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展レポート

原寸大の牛車登場、源氏物語の世界も再現!「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展レポート

東京国際フォーラムで開催された新春恒例イベント「J-culture fest」。なかでも、2019年1月2日(水)〜15日(火)の期間限定で展示され、歴史ファンから注目を浴びたのが「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展です。即位式や宮廷行事で着用される正装に関する資料の展示のほか、人形で再現された『源氏物語』の優美な世界など、新春を彩ったイベントの模様をレポートします。
“日本最強”の江戸城を実感しよう!女子限定の城歩きイベント第3弾を開催

“日本最強”の江戸城を実感しよう!女子限定の城歩きイベント第3弾を開催

好評につき、ユカリノ主催・女子限定城歩きイベントの第3弾が決定しました!今回は、誰もが知っている「江戸城」の意外な見どころを探します。城に興味はあるけれど、城の見方や歩き方がよくわからない…という城めぐり初心者の女子の皆様、この機会にぜひご参加ください。
東海の覇者・今川氏が用いた謎多き家紋「二つ引両紋」【家紋のルーツ:第9回】

東海の覇者・今川氏が用いた謎多き家紋「二つ引両紋」【家紋のルーツ:第9回】

家紋がいつ、どのように生まれ、なぜ使われるようになったのか?そんな家紋のルーツを日本家紋研究会会長の髙澤等さんがゆかりの地とともに紹介する連載。2019年は「海道一の弓取り」といわれた今川義元の生誕500年。そこで今回は今川氏の家紋「二つ引両紋」を中心にご紹介します。謎多き二つ引両紋のルーツを、足利氏との関係とあわせて紐解いてみましょう。
新春は一年の福を願う「新宿山ノ手七福神」巡りへ!【古地図と巡る江戸街並み探訪:特別編】

新春は一年の福を願う「新宿山ノ手七福神」巡りへ!【古地図と巡る江戸街並み探訪:特別編】

恵比寿神・大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋尊・寿老人・福禄寿と、神道・仏教・道教の神仏をお参りするユニークな巡礼「七福神巡り」。日本独自の信仰で、一番身近な神仏習合かもしれません。今回は、ちょうど良い距離感で、街並みの変化や多彩な神社仏閣を堪能できる、都心の「新宿山ノ手七福神巡り」をご紹介します。
新設!「高輪ゲートウェイ駅」周辺の歴史と背景を探る【古地図と巡る江戸街並み探訪:第6回】

新設!「高輪ゲートウェイ駅」周辺の歴史と背景を探る【古地図と巡る江戸街並み探訪:第6回】

JR山手線の田町駅から品川駅の間に新設される駅が「高輪ゲートウェイ駅」とされることが発表され、色々と話題になっています。公募では下位にあった候補でしたが、「高輪」「芝浦」「芝浜」と言った歴史的名称を抑えて、一躍の採用。「ゲートウェイ」とは「玄関口」の意味。今回は、その背景や周辺の歴史を、古地図と今後の都市構想から探ってみます。
2019年も名刀に会いに行こう!全国で開催『刀剣展』まとめ

2019年も名刀に会いに行こう!全国で開催『刀剣展』まとめ

年々注目度を増している「日本刀」。歴史ファン・刀剣ファンのみならず人気を博し、名刀が展示される刀剣展には全国各地から多くの人が足を運びます。そこで今回は、2019年も盛り上がること間違いなしの刀剣展を、一足早く厳選してご紹介!年明けすぐから秋開催のものまで、気になる見どころとスケジュールを今からおさえておきましょう!
干支・イノシシにあやかろう!2019年のお正月は東京国立博物館へ初もうで

干支・イノシシにあやかろう!2019年のお正月は東京国立博物館へ初もうで

東京国立博物館では、2019年1月2日からお正月の恒例企画「博物館に初もうで」を開催。新年の干支「亥(いのしし)」をテーマにした作品や、新春ならではの名品展示、和太鼓や獅子舞といった伝統芸能も盛りだくさん!お正月は、日本の伝統を感じにトーハクへ初もうではいかがでしょうか?