戊辰戦争150周年の今こそ見るべき!国立公文書館『戊辰戦争―菊と葵の500日―』展
2018年6月18日 更新

戊辰戦争150周年の今こそ見るべき!国立公文書館『戊辰戦争―菊と葵の500日―』展

明治維新、そして戊辰戦争から150年の今年、全国各地で関連イベントが開催されています。2018年5月26日~6月30日まで東京・国立公文書館では「戊辰戦争―菊と葵の500日―」と題した企画展が開催中。日本各地で行われた戦闘の記録や、参加した人物にまつわる資料から、戊辰戦争の実像に迫ります。同館ならではの豊富な所蔵品は必見!その展示内容をレポートします。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

撮影:ユカリノ編集部 (21389)

via 撮影:ユカリノ編集部
政府の貴重な歴史資料など重要公文書が一般公開されている国立公文書館。明治維新・戊辰戦争から150年の今年、現在同館では企画展「戊辰戦争―菊と葵の500日―」展が開催中です。
改めて当時の貴重な資料を見ることができる機会とあって、5月26日(土)の開催開始から約20日間で来場者は4000人を超えるほどの人気。明治時代以来の公文書を約60万冊以上も所蔵している同館ならではの企画展を取材させていただきました。

文書でみる、戊辰戦争各地の戦い

撮影:ユカリノ編集部 (21285)

via 撮影:ユカリノ編集部
慶応4年正月3日、京都南郊の鳥羽・伏見の戦いに始まった戊辰戦争。
翌明治2年5月の五稜郭の戦いが集結するまで500日以上にわたり各地で様々な戦いが行われました。本展では、各地それぞれの戦闘を資料をもとに紹介しています。

新政府軍が掲げた「錦の御旗」の模写図

『戊辰所用錦旗及軍旗真図』(重要文化財)

『戊辰所用錦旗及軍旗真図』(重要文化財)

via 撮影:ユカリノ編集部
企画展スペースに入りまず目に入ってくるのが、真っ赤な錦の御旗の図。本展の見どころのひとつ、『戊辰所用錦旗及軍旗真図』です。

戊辰戦争の際、新政府軍が用いた錦旗(きんき)及び軍旗(ぐんき)を精密に模写した図で、時がたち旗自体が劣化しても正確な姿を後世に伝えるため、政府が絵師・浮田可成に模写させたものです。

取材時は冒頭の金色の日像が描かれた部分が展示されていますが、6月16日(土)以降は中央部分にある銀色の月像が見られるようです。
6月16日(土)以降見られる展示部分。

6月16日(土)以降見られる展示部分。

via 提供:国立公文書館
正月4日、新政府軍では仁和寺宮嘉彰親王が征夷大将軍に任ぜられ、天皇から錦旗と節刀が渡されました。新政府軍がいわゆる“官軍”となったわけです。

同じく展示されている「鳥羽淀提合戦之図」には、この錦の御旗が掲げられていた位置や、大砲の配置、誰がどこで負傷したかというような戦闘経過も書かれており、大変興味深いです。
淀の戦いにおける布陣図には、錦の御旗の位置も記されている。

淀の戦いにおける布陣図には、錦の御旗の位置も記されている。

新選組関連の資料も多数!

山口次郎こと斎藤一が江戸で治療を受けていたことを示す文書

『新撰組手負之者山口次郎医学所江罷越候儀ニ付申上候書付』

『新撰組手負之者山口次郎医学所江罷越候儀ニ付申上候書付』

via 撮影:ユカリノ編集部
上の文書は、鳥羽・伏見の戦いで負傷して江戸に戻った新選組隊士・斎藤一が松本良順の治療を受けたことを示す文書です。斎藤は慶応3年に山口次郎と改名、その後会津戦争の際にも一瀬伝八と改名しているため、当時の名前が記されている貴重な文書となっています。

また、土佐藩士・細川広世の日記「跨関日記」には、甲州勝沼の戦いにおける『賊将大久保剛』という記述があります。新選組好きの方ならご存知かもしれませんが、これは近藤勇の変名のことですね。
しかしよく読むと、“武蔵国日野の生まれ”と書いていたりして、「それは土方」と新選組ファンから総ツッコミが入るような箇所も見られます。当時、近藤と土方の情報がごっちゃになっていたのでしょうか。
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