西郷隆盛が星になった!?『西郷星』のウワサと星に名付けられた歴史上の人物たち
2018年7月23日 更新

西郷隆盛が星になった!?『西郷星』のウワサと星に名付けられた歴史上の人物たち

今年の7月31日は、火星が地球に最接近する日といわれています。午後9時頃、南東の低い空に赤く輝く星を見つけたら、それが火星です。この火星接近は明治10(1877)年にもあったようですが、当時「西郷星」と呼ばれ話題になりました。西郷星にまつわるエピソードとその理由、そしてもう一つの星「桐野星」とは?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

西郷が星になった?『西郷星』とは

「西南珍聞 俗称西郷星之図」(画・梅堂国政/明治10年)

「西南珍聞 俗称西郷星之図」(画・梅堂国政/明治10年)

明治10(1877)年9月24日、西南戦争において西郷隆盛は亡くなりました。賊軍になったとはいえ、庶民からの人気は絶大だった西郷。
人々は彼の死を悼みましたが、やがて、こんな噂が立つようになります。

「あの明るい星の赤い光の中に、陸軍大将の制服を着た西郷が見えた!」と・・・。

この明るい星こそが、地球に最接近していた火星だったのです。
しかし、当時の人々のほとんどはそれが火星だとは知りませんでした。
火星は最接近の日だけに見えるわけではなく、その前後のある程度の期間は明るく見えます。そのため、当時の最接近日は9月3日でしたが、西郷が没した9月24日以降も明るく輝いていたと考えられます。

この噂はどんどん広がり、やがて大騒ぎになりました。西郷星を題材にした錦絵も、飛ぶように売れたのだそうですよ。

作家・岡本綺堂も幼少時の記憶をもとに『西郷星』という作品を書いている

西郷星 (光文社時代小説文庫) | 岡本 綺堂

734
明治十年、西南の役で西郷隆盛が没した後に、帝都の夜空に箒星がいく度も流れた。人々はこれを西郷星と呼び大騒動になったという―。著者の幼少時の記憶をもとに綴られたユーモア溢れる表題作をはじめ、稀代のストーリーテラーの才筆を存分に堪能できるヴァラエティ豊かな作品集。

桐野星もあった?

ところで、西郷星のそばには、少し控えめに黄色っぽく輝く星もありました。
実際は土星だったのですが、人々はそれを、西郷の最期を見届けた後に戦死した桐野利秋と重ね、「桐野星だ!」と言ったそうです。
桐野利秋

桐野利秋

旧名は中村半次郎。大河ドラマ「西郷どん」では大野拓朗さんが演じています。小松帯刀や西郷からの信頼も厚く、西郷と勝海舟との会談にも同席しました。
小説などでは「人斬り半次郎」と呼ばれる桐野ですが、その素顔は血を好む人物とは程遠かったようで、誰にでも快く接する人柄だったと言われています。
戊辰戦争で会津若松開城時に城の受け取り役となった彼は、会津藩士の心中を思いやり男泣きしたといいます。

明治維新後は陸軍少将となりますが、西郷の下野に伴って薩摩に帰郷し、西南戦争へと向かうことになったのでした。
西郷の側近とも言える桐野だからこそ、西郷星のそばに寄り添う星に例えられたのでしょうね。

鹿児島市立科学館では“西郷星”に関する特別企画を開催中

西郷星 スーパーマーズな夜~火星大接近騒動~ トレーラー 鹿児島市立科学館

鹿児島市立科学館では9月30日(日)まで、明治維新150周年記念番組として『西郷星 スーパーマーズな夜~火星大接近騒動~』が開催中。声の出演は西郷どんにも出演している桜庭ななみさんです。
※上映スケジュールはHPをご確認ください。

他にも歴史上の人物の名前がついた星がある?

 (22408)

坂本龍馬にちなみ、『龍馬(2835 Ryoma)』という名前の小惑星もある
16 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

温泉好きの西郷&龍馬も滞在した鹿児島・日当山温泉【『西郷どん』スポットめぐり】

温泉好きの西郷&龍馬も滞在した鹿児島・日当山温泉【『西郷どん』スポットめぐり】

温泉好きで知られる「西郷どん」こと西郷隆盛。西郷が愛した温泉のひとつが、鹿児島県霧島市にある日当山温泉です。鹿児島空港からすぐ近く、県外から訪れた方も気軽に立ち寄ることができおすすめの西郷ゆかりの湯。近くにある日本最大の西郷像が建つ「西郷公園」とあわせ、歴史タレント・小栗さくらさんがセットでご案内します。
【『西郷どん』では語りきれない真実】西南戦争の激戦地でその歴史を伝える熊本市田原坂西南戦争資料館

【『西郷どん』では語りきれない真実】西南戦争の激戦地でその歴史を伝える熊本市田原坂西南戦争資料館

大河ドラマ「西郷どん」も、いよいよ明治へ突入。明治維新から10年後、西郷隆盛を中心とした薩摩軍と明治政府軍との間で日本最後の内戦・西南戦争が勃発します。なかでも激戦地となったのが、熊本市植木町の田原坂です。今も戦いの跡が残る現地で、その歴史を伝えている熊本市田原坂西南戦争資料館を取材してきました。
龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史

龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史

NHK大河ドラマ「西郷どん」が、いよいよ大詰めとなる最終章「明治編」へと突入します。先日、そのメインビジュアルが発表されましたが、撮影地に選ばれたのが鹿児島県と宮崎県の県境にそびえる高千穂峰。西郷隆盛と大久保利通を演じる鈴木亮平さんと瑛太さん、そして大勢のスタッフが、わざわざ本格的な登山を行ってまで撮影を行ったこだわりの聖地、高千穂峰とは?
西南戦争の跡も残る薩摩藩島津家の本城「鹿児島城」【月刊 日本の城】

西南戦争の跡も残る薩摩藩島津家の本城「鹿児島城」【月刊 日本の城】

webサイト「日本の城写真集」の管理人・けいすけが、日本の名城の見どころ、撮りどころを徹底的に紹介する連載「月刊 日本の城」。第12回は鹿児島城をご紹介します。島津家が関ケ原合戦直後に薩摩藩の支配拠点として築いた鹿児島城。その見どころを写真を中心に紹介していきます。
幕末屈指の愛犬家!西郷隆盛と13匹の愛犬たち

幕末屈指の愛犬家!西郷隆盛と13匹の愛犬たち

上野公園の西郷隆盛の銅像が犬を連れているのは有名ですよね。愛犬のうちの1匹・ツンという雌犬であるという説もありますが、銅像になっているのは雄犬だとか。とはいえ、西郷がとても愛犬家であったことは事実です。今回は、西郷が飼っていた犬たちとそれらにまつわるエピソードが残るゆかりの地・指宿の鰻温泉をご紹介します。
西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店

西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店

夏といえばスイカ。その歴史は古く、あの西郷隆盛も好物だったといいます。西郷が江戸に住んでいた際、スイカを購入したといわれるのが、皆さんもご存知のあの有名果物店でした。今回は西郷とスイカにまつわるエピソードを紹介します。
西郷隆盛や西南戦争の戦死者が眠る南洲墓地と西郷南洲顕彰館

西郷隆盛や西南戦争の戦死者が眠る南洲墓地と西郷南洲顕彰館

西郷隆盛の墓所がある南洲墓地の隣に建つ「西郷南洲顕彰館」。西郷を中心に明治維新について紹介されており、西郷の書や衣服などゆかりの品も展示されています。今回はその館内を歴史タレント・小栗さくらさんがレポート。西郷や西南戦争の戦死者が眠る南洲墓地でのお墓参りとあわせて、ぜひお立ち寄りください。
【菊次郎・菊草・寅太郎】西郷隆盛の子供たちはどんな人生を送った?

【菊次郎・菊草・寅太郎】西郷隆盛の子供たちはどんな人生を送った?

西郷隆盛には2番目の妻・愛加那(あいかな)との間に2人、3番目の妻・糸子との間に3人の子供がいました。早くに父と死に別れた彼らは、どんな人生を歩んだのでしょうか。父譲りの才能を発揮した者、不幸な結婚生活をした者…そんな様々な人生模様を、墓所やゆかりの地とともにご紹介します。
西郷どんの生誕地で明治維新を学ぶ!鹿児島市加治屋町「維新ふるさと館」

西郷どんの生誕地で明治維新を学ぶ!鹿児島市加治屋町「維新ふるさと館」

2018年大河ドラマ「西郷どん」の主人公・西郷隆盛らの生誕地、鹿児島市加治屋町にある「維新ふるさと館」。大河ドラマ放送に伴い、2018年1月にリニューアルオープンしました。より楽しく分かりやすくなった館内の模様を歴史タレント・小栗さくらさんがレポート!近辺にあるゆかりの地もあわせてご紹介します。
鹿児島『西郷どん』スポットめぐり旅:いぶすき西郷どん館

鹿児島『西郷どん』スポットめぐり旅:いぶすき西郷どん館

2018年1月、鹿児島県指宿市にオープンした「いぶすき西郷どん館」。西郷や篤姫ゆかりの品を見ることができる、もうひとつの大河ドラマ館として人気です。西郷が訪れた鰻温泉や山川港のほか、篤姫ゆかりの地もあり、『西郷どん』ファンならぜひ訪れたい指宿の見どころを、歴史タレント・小栗さくらさんがナビ!