平安時代のイケメン・在原業平、ゆかりの地が多いのはモテ男だからこそ?
2018年7月10日 更新

平安時代のイケメン・在原業平、ゆかりの地が多いのはモテ男だからこそ?

日本の歴史上の人物のなかで“イケメン”といえば、みなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。写真が残る人物としては、新選組の「鬼の副長」こと土方歳三、15代将軍・徳川慶喜などの人気が高いようですが、平安時代を代表する美男子といえば、歌人として有名な在原業平。日本各地にゆかりの地が残る業平、その理由とは?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

平安時代のイケメン代表・在原業平

在原業平(狩野探幽『三十六歌仙額』)

在原業平(狩野探幽『三十六歌仙額』)

在原業平は、天長2年(825)、平城天皇の皇子・阿保(あぼ)親王と桓武天皇の皇女・伊都(いと)内親王の第5子として誕生します。生まれた翌年には「在原」という姓を賜わり、のちに「右近衛権中将」の官位を授かったことから「在中将」、あるいは第5子であることにちなんで「在五中将」と呼ばれました。

業平の生涯を語るうえで欠かせないのが「和歌」。
歌人として非凡な才能に恵まれていたことから、六歌仙のひとりにも選ばれています。
喜多川歌麿が描いた六歌仙の図。

喜多川歌麿が描いた六歌仙の図。

さらに、『日本三代実録』において「体貌閑麗」と評されているように、素晴らしい美貌の持ち主だった業平。美男子の代名詞ともされていますが、自由奔放なプレイボーイとしても有名でした。
高貴な女性たちとのスキャンダラスな生活の結果、京の都に住みづらくなり、東下り(東国旅行)をしたという伝説も残っています。そこで古くから「むかし、男(ありけり)」の冒頭句で始まる、平安時代の歌物語の傑作『伊勢物語』は、業平がモデルといわれてきました。
二条后(藤原高子)と業平(月岡芳年画)

二条后(藤原高子)と業平(月岡芳年画)

日本各地にある業平ゆかりの地

こうした伝説に彩られた業平のゆかりの地は日本各地に多数存在しており、「業平寺」の別名をもつ寺院だけでも数か所残っています。

「不退寺」(奈良市法蓮町)

写真提供:奈良市観光協会 (22158)

via 写真提供:奈良市観光協会
まず、奈良市法蓮町にある「不退寺」。承和14年(847)の平城天皇退位後、孫にあたる業平が自刻の仏像を安置した場所を寺としたのが、その始まりと伝えられている古刹です。重要文化財に指定されている本堂には、業平作と伝わる聖観音像と五大明王像が祀られています。
2018年10月1日(月)~11月30日(金)の秋季特別展では、業平画像や「伊勢物語」、「古今和歌集」の写本なども公開されます。

「十輪寺」(京都市西京区)

業平が晩年を過ごした十輪寺(京都市西京区)

業平が晩年を過ごした十輪寺(京都市西京区)

晩年の業平が住んだといわれる京都市西京区の「十輪寺」も、「なりひら寺」の別名をもつ寺院のひとつ。寺内には、晩年の業平が塩焼きの風情を楽しんだという、塩がまの旧跡と宝篋印塔が残されており、旧暦の命日には法要が営まれています。

「薬師寺」(岐阜県垂井町)

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