【始まりからサンタまで】日本初のクリスマスゆかりの地
2017年12月24日 更新

【始まりからサンタまで】日本初のクリスマスゆかりの地

日本におけるクリスマスの歴史は古く、天文21年(1552)、現在の山口市にあった教会で降誕祭のミサが行われたことが始まりとされます。その後、鎖国によって消えてしまいますが、明治期の禁教令の廃止と共に復活。やがて日本の冬を彩る一大イベントとして定着しました。今回は始まりから、日本初のサンタにケーキ、イルミネーションまで、初づくしのクリスマスとゆかりの地をご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

日本のクリスマスの始まりは山口から

フランシスコ・ザビエル

フランシスコ・ザビエル

神戸市立博物館所蔵

おなじみのフランシスコ・ザビエルですが、山口市では「サビエル」と呼ばれています。
※本文は「ザビエル」で統一
16世紀、キリスト教の宣教師として日本にやってきたフランシスコ・ザビエルに、初めて布教の許可を与えたのが、現在の山口県にあたる長門・周防国の大名、大内義隆でした。義隆は布教の拠点として、大道寺という寺を与えます。
大内義隆

大内義隆

龍福寺蔵

全盛期には周防、長門、石見、安芸、豊前、筑前、6カ国の守護をつとめていた義隆。ザビエルには男色で叱られたことでも知られています。
その後、ザビエルは日本を離れますが、天文21年(1552)、当時の大内氏当主である義長が教会建設を許可。大道寺は建て直され日本で初めてのキリスト教会となります。ここで、ザビエルの後を継いで布教活動を行っていたコスメ・デ・トーレスらが、日本人の信者を招いて降誕祭のミサが行われました。これが日本におけるクリスマスの始まりだといわれています。

キリスト教の信者はしだいに増えていき、西日本全域に10万人近くにもなりました。ところが豊臣秀吉や徳川家康はキリスト教を禁じたため、それと共にクリスマスも消えていったのです。

もっとも江戸時代、長崎の出島ではオランダ商人たちが「オランダ正月」と名前を変え、時期もお正月に変更してクリスマスを祝っていたそうです。たくましいですね。

日本最初の教会があったサビエル公園(山口県山口市)

サビエル公園

サビエル公園

日本で最初の教会があった場所は現在サビエル公園として、記念碑とビリヨン神父の銅像があります。ザビエルはここを拠点として、同行のホアン・フェルナンデス修道士と布教に努めました。

市内のランドマーク的存在・山口サビエル記念聖堂(山口県山口市)

山口サビエル記念聖堂

山口サビエル記念聖堂

こちらは、フランシスコ・ザビエルの来日400年記念として、昭和27年(1952)に建立。初代の聖堂は、ザビエルの生家であるスペインのザビエル城を模して建てられましたが、平成3年(1991)に焼失。現在の建物は平成10年(1998)に再建されたものです。
50m超の2本の塔は遠くからでも眺めることができ、山口市のランドマーク的な存在であると共に、市民の憩いの場として親しまれています。

山口市は「クリスマス市」として、12月の1カ月間は、クリスマス・イルミネーションや音楽祭など、さまざまなイベントが開催されています。今年は残りわずかですが、気になる方は来年、チェックしてみてください。

禁教令廃止によりクリスマス復活

江戸時代は鎖国をしていた日本ですが、やがて外国の圧力に抵抗しきれず、安政5年(1858)「日米修好通商条約」を結んで開国します。

各国の公使たちが日本に住むようになると、クリスマスも復活。しかしキリスト教はまだ禁じられていたので、当時の日本人が参加することはありませんでした。
34 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本の「パン祖」江川英龍が焼いたパンとは?パンを愛した偉人たち

日本の「パン祖」江川英龍が焼いたパンとは?パンを愛した偉人たち

天保13年(1842)4月12日、あるパンが焼きあげられました。「兵糧パン」と呼ばれたそのパンこそ、日本人が初めて作ったパンだったのです。世界遺産・韮山反射炉の製造で知られる幕末の才人・江川英龍は、パンの製造にも目をつけていました。どんな経緯で生まれたのか、またその他の偉人とパンのエピソードもご紹介します。
リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

江戸東京博物館、高知県立坂本龍馬記念館、仙台市博物館と、長らく休館していた人気の博物館がついにリニューアルオープン!さらに国立博物館での大型展や、専門美術館の個性的な企画展など、歴史好きには嬉しいニュースがもりだくさんのこの春。週末やGWに向け、お出かけの計画にぜひお役立てください。
やっぱり猫が好き!?武将ゆかりの猫寺&猫神社

やっぱり猫が好き!?武将ゆかりの猫寺&猫神社

2月22日は猫の日。食物や養蚕業をネズミから守るため、古くから猫と共存してきた日本。全国には猫稲荷や猫仏、猫地蔵などが多くあり、その中には武将にまつわるものもあるんです。猫好きはもちろん、歴史ファンなら訪れたい、武将にゆかりのある猫寺&猫神社をご紹介します。
【米沢、白石、仙台…】伊達政宗を支えた名参謀・片倉小十郎景綱ゆかりの地

【米沢、白石、仙台…】伊達政宗を支えた名参謀・片倉小十郎景綱ゆかりの地

片倉小十郎景綱は戦国から江戸時代にかけて活躍した武将。伊達家家臣として奥州の覇者である伊達政宗を支え、更にはあの真田家にも不思議なご縁がありました。今回は、1615年(元和元)12月4日に亡くなった景綱の生涯とゆかりの地、米沢、白石、仙台の見どころをご紹介いたします。
真田幸村、坂本龍馬…超有名人を討ち取った!?知られざる「実行犯」たち

真田幸村、坂本龍馬…超有名人を討ち取った!?知られざる「実行犯」たち

真田幸村、坂本龍馬など、討死や暗殺によって最期を遂げた有名人を討ち取った「実行犯」に迫る書籍『あの方を斬ったの…それがしです-日本史の実行犯-』が3月19日(月)に発売!討ち取られた人物に比べるとマイナーな彼らは、どんな人物だったのでしょうか?本書の著者で歴史ナビゲーターの長谷川ヨシテルさんに、書籍の中からとくにおすすめの3人をご紹介いただきました。
【有楽町は有楽斎から!?】東京の地名の由来とゆかりの地・山手線編

【有楽町は有楽斎から!?】東京の地名の由来とゆかりの地・山手線編

地名にはそれぞれ由来がありますが、徳川幕府が置かれてから急速に発展した東京は、日本の歴史上、新しく生まれた地名が多く、由来が解明しやすいのが特徴です。今回は、東京23区民の足ともいえる山手線の駅名にちなんだ由来とゆかりの地をご紹介します。
【直江兼続から井伊家へ】波乱万丈!?名門が受け継いだ与板藩の歴史

【直江兼続から井伊家へ】波乱万丈!?名門が受け継いだ与板藩の歴史

与板藩は、現在の新潟県長岡市にあった小さな藩です。その系譜は、大河ドラマ「天地人」の主人公でおなじみの直江兼続から、同じく「おんな城主 直虎」で知られる井伊家にまで受け継がれます。また、戊辰戦争においても重要拠点となり、新政府軍に大きな貢献を果たしました。しかしそうなるまでには、波乱万丈な歴史があったのです。今回は、そんな与板藩の成り立ちとゆかりの地をご紹介します。
【 理想の上司!?】兄・隆盛に劣らず有能だった!西郷従道の生涯

【 理想の上司!?】兄・隆盛に劣らず有能だった!西郷従道の生涯

2018年の大河ドラマ「西郷どん」の主人公・西郷隆盛は、日本人では知らぬものがいないほどの有名人。その実弟である従道にはいまいち光が当たっていませんでしたが、実は兄に負けじと有能だったのです。「西郷どん」では錦戸亮さんが演じることが決定し、さらに注目度が高まる従道の生涯とゆかりの地をご紹介します。
「日本男色史巡り 第9回:大内義隆」男色が原因で滅亡した!?戦国大名の生涯

「日本男色史巡り 第9回:大内義隆」男色が原因で滅亡した!?戦国大名の生涯

日本の男色史を、ゆかりの品や場所とともにご紹介する連載『日本男色史巡り』。第9回は、中国・朝鮮にまで名がとどろき、その全盛期は日本で最強最大の戦国大名だった「大内義隆」。6カ国の守護をつとめ、毛利元就も恐れはばかった男が、最も愛した少年とは!?
【築山殿、於大の方、千姫】波乱万丈!徳川家の女性たちゆかりの地

【築山殿、於大の方、千姫】波乱万丈!徳川家の女性たちゆかりの地

一族の繁栄と生き残りをかけた戦国時代。武将だけでなく、彼らを取り巻く女性たちも、ときに翻弄されながら懸命に生きた時代でもありました。今回は徳川家康を取り巻く女性たちに注目。家康の正妻でありながら、非業の最期を遂げた築山殿。離縁され、別の家に嫁いでからも息子思いだった母・於大の方。7歳にして豊臣秀頼に嫁ぎ、波乱の人生を送った家康の孫・千姫。そんな3人の女性たちの生涯とゆかりの地をご紹介します。