【須賀・愛加那・糸子】西郷隆盛が愛した3人の妻たちってどんな人?
2018年6月24日 更新

【須賀・愛加那・糸子】西郷隆盛が愛した3人の妻たちってどんな人?

女性はもちろん、男性からも?モテたという「西郷どん」こと西郷隆盛には、3人の妻たちがいました。最初の妻は須賀、2番目の妻は奄美大島で出会った愛加那(あいかな)、そして3番目の妻は糸子です。大河ドラマでも盛り上がり必至の3人の女性たちとゆかりの地を、一足お先に予習しちゃいましょう。

こまきこまき

城山にある西郷隆盛像(鹿児島県鹿児島市)

城山にある西郷隆盛像(鹿児島県鹿児島市)

モテモテだった!?西郷隆盛。

【最初の妻・須賀】貧窮大家族に苦労したお嬢様

西郷隆盛がはじめて結婚したのは24歳の時でした。お相手は薩摩の豪族・伊集院家の娘の須賀。大河ドラマ「西郷どん」では、橋本愛さんが演じることが発表されましたね。同じく西郷隆盛を主人公とした大河ドラマ「翔ぶが如く」(1990年)では、須賀を南果歩さんが演じていました。

須賀を妻に迎えた当時の西郷の身分は、御小姓与(おこしょうぐみ)という下級藩士。一方、須賀の家は島津氏支流の伊集院家で、釣り合いのとれる両家ではありませんでした。
西郷の一目惚れだったとも伝わりますが、史料が残っておらず、須賀についてはミステリアスなままです。

頼みの隆盛は江戸詰に…

西郷隆盛誕生地(鹿児島県鹿児島市)

西郷隆盛誕生地(鹿児島県鹿児島市)

西郷と須賀が結婚して住んでいた西郷の生家。
ここ加治屋町界隈は後に維新の立役者たちとなった下級藩士たちが数多く住んでいたところ。司馬遼太郎が「明治維新から日露戦争までを、一町内でやったようなものである」というほどでした。
西郷の幼なじみである大久保利通、村田新八らの家もすぐそばです。
via 写真提供:鹿児島市
西郷が須賀と結婚したのは嘉永5年(1852)。西郷家は大家族で貧しく、須賀は苦労したようです。
その上、結婚してまもなく祖父と父母が相次いで亡くなってしまい、西郷が家督を継ぐことに。しかも、頼みの綱の西郷は、嘉永7年(1854)に藩主・島津斉彬の庭方役に大抜擢され、江戸詰となったのです。

苦労を見かねて、父の伊集院兼善が須賀を家へ呼び戻し、江戸の西郷へ離縁して欲しい旨の書状を送ったといいます。わずか2年あまりの結婚生活でした。

【奄美の島妻・愛加那(あいかな)】短くも濃密な南島の日々

愛加那

愛加那

「西郷どん」では二階堂ふみさんが演じる愛加那。
西郷の2人目の妻・愛加那は奄美大島・龍郷の有力者・龍為志の娘です。沖縄県那覇市育ちの二階堂ふみさんが彼女をどのように演じるのか楽しみですね。
ちなみに、大河ドラマ「翔ぶが如く」では、熊本県出身の石田えりさんが愛加那を演じています。

安政5年(1858)、尊攘派の西郷を幕府から守るため、薩摩藩が取った措置は奄美大島への流罪でした。
当時、薩摩藩は奄美から黒糖を取り立てていて、藩の役人が赴任する地でもありました。そして「島妻」という奄美にいる間だけの妻を娶ることが許されていたのです。

表向きは罪人の西郷でしたが、安政6年(1859)、愛加那を島妻として迎えます。この時、西郷は33歳、愛加那は23歳でした。
西郷南洲流謫跡(鹿児島県大島郡)

西郷南洲流謫跡(鹿児島県大島郡)

西郷が愛加那と暮らすために建てた家の跡。新築されてすぐに薩摩へ呼び戻されたため、西郷が愛加那とここで暮らしたのは2ヶ月ほどでした。
県の指定文化財であるこちらは、個人所有・管理の施設で、敷地は私有地となっていますので、見学には十分にご注意ください。

開館時間:午前10時~午後4時30分
休館:不定休
via 写真提供:龍郷町

島妻制度による強制的な別れ

「りゅうがく館」の入口にある西郷隆盛と愛加那の木彫彫刻

「りゅうがく館」の入口にある西郷隆盛と愛加那の木彫彫刻

via 写真提供:龍郷町
奄美大島で西郷は孤独感に苛まれ、木刀を振り回すなどして「大和のフリムン(狂人)」と噂されるほどでした。しかし、愛加那と結婚すると、その生活は途端に穏やかになったとか。人前で彼女を膝に乗せるなど、終始ラブラブだったようです。

そんな幸せに暮らすふたりの元へ、文久元年(1861)、薩摩藩主・島津久光から突然の召還状が届きます。西郷は愛加那が暮らしていけるよう田畑と家を与え、鹿児島へと戻っていきました。
愛加那は大層別れを悲しんだようですが、「島妻制度」により、島妻を連れ帰ることは禁じられていたのです。

同年、再び遠島となった西郷が禁を解かれて薩摩へ戻る途中、愛加那と子供たちに会いにいったといいます。これが西郷と愛加那の今生の別れとなりました。

奄美大島での生活がわかる「りゅうがく館」(鹿児島県大島郡)

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こまき

こまき

歴史ライター。ワイルドサイドを歩くことを信条とする。『時の娘』をはじめとした歴史ミステリーに目がなく、読む→書く→読む→書くの無限ループのうちに日々を過ごす安楽椅子ライター。昼夜を分かたずラジオを流しているラジオ狂でもある。『姓氏家系歴史伝説大事典』『江戸東京魔界紀行』(共に勉誠出版)『社寺縁起伝説辞典』『横溝正史研究』(共に戎光祥出版)等々へ記事執筆多数。

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