西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店
2018年8月1日 更新

西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店

夏といえばスイカ。その歴史は古く、あの西郷隆盛も好物だったといいます。西郷が江戸に住んでいた際、スイカを購入したといわれるのが、皆さんもご存知のあの有名果物店でした。今回は西郷とスイカにまつわるエピソードを紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

スイカが好物だった西郷

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日本でのスイカの起源ははっきりしていませんが、鳥羽僧正による『鳥獣戯画』にはウサギがスイカらしきものを持っている絵が描かれており、その歴史はかなり古いのではとみられています。

そのスイカが琉球から薩摩に伝わったのは、江戸時代の寛永年間(1624~44)の頃だと言われています。鹿児島県の指宿市(山川)は当時からスイカの名産地として知られ、現在でも「徳光(とっこう)スイカ」という生産量が少ない幻のスイカが有名です。
そして鹿児島の偉人・西郷どんこと西郷隆盛も、スイカが好物でした。
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甘いものが好きだったという西郷。

西郷がスイカを買っていた!日本橋の有名果物店

明治4(1871)年に東京に居を移した西郷は、日本橋人形町に住んでいました。そしてこの地に天保5(1834)年創業したのが、現在も続く果物専門店「千疋屋総本店」でした。
現在は日本橋室町にある千疋屋総本店日本橋本店。ゴージャ...

現在は日本橋室町にある千疋屋総本店日本橋本店。ゴージャスです。

via 撮影:ユカリノ編集部
気さくな人柄の西郷は、千疋屋の2代目の妻・むらを「おっかあ」と呼び、「おっかあ、でっかな(大きな)スイカ持って来いよ」とスイカを注文していたのだそうです。
ただ、西郷の東京生活はわずか2年ほどで終わりを告げます。薩摩に戻ることになった西郷は、むらに「おっかあにこの屋敷、あげようか?」と言ったとか。むらはさすがに丁重に断ったそうです(笑)

スイカと西郷と明治天皇と

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「西郷を気に入っていた明治天皇」
西郷とスイカについては、明治天皇を絡めたエピソードも伝わっています。

明治5(1872)年に明治天皇が鹿児島に行幸した時、西郷はその責任者を務めていました。
船に弱い天皇のため、西郷は船が早く岸に着くように桟橋を長くしておくように担当者に命じたのですが、不手際があったのか短いままだったのです。それに対し珍しく激怒した西郷は、そばにあったスイカを叩き割りました(投げつけたという話もあります)。
すると、スイカの汁がなんと明治天皇の顔にかかってしまったのです。慌てた西郷は天皇に平謝りしたそうですが、後に明治天皇はこのことを側近に話して聞かせたといいます。天皇にとっても西郷は特別思い入れのある存在だったのでしょうね。

西郷の弟・従道にもスイカのエピソードが

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「西郷隆盛の弟・従道」
また、薩英戦争が勃発した際には、藩士がスイカ売りに扮装してイギリス艦に近づき、うまいこと乗船して乗っ取ろうという計画もありました。西郷の弟・従道や有村俊斎、大山巌らはこの一員でしたが、結局言葉も通じませんし、うまくいきませんでしたけれどね。

ちなみに伝来当初、スイカは少し敬遠されたこともあったようですよ。
慶安4(1651)年、幕府転覆を図った由井正雪の乱が起きました。結果的に由井は自刃したのですが、当時スイカの果肉の赤さが、自刃した由井の血のようだとか、スイカ自体が由井の怨霊なのではなどという噂も立ったそうです。

現在は高級フルーツ専門店となった千疋屋。ちょっとお値段は張りますが、一度くらいは西郷のようにスイカを注文してみたいですね。

(xiao)
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