剣・書・禅に生きた山岡鉄舟、逸話をもとに辿るゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第17回】
2018年7月27日 更新

剣・書・禅に生きた山岡鉄舟、逸話をもとに辿るゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第17回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第17回は、江戸無血開城へと導いた幕臣・山岡鉄舟ゆかりの地。「幕末の三舟」のひとりとされ、剣や書の名人でもある一方、食に関しては無茶苦茶なエピソードも残る鉄舟。多才な彼の生涯を様々な側面から感じてみませんか?

小栗さくら小栗さくら

ある日仲間が、「ゆでたまごなんて10個も食べられないものだ」と言った時、鉄舟は「あんなの100個くらいなんでもない」と言い出しました。そこで仲間がお金を出し合い、鉄舟はゆでたまご100個のフードファイトにチャレンジすることになったのです。
鉄舟は苦しくなりながらも100個食べきり、その後3日ほど吐いたといわれています(諸説あり)。188センチ、105キロという体格になったのは、よく食べたからでしょうか。

ほかにも酒豪との飲みくらべで7升のお酒を飲んだとか、まんじゅう108個を食べたという逸話など、鉄舟はまるで幕末のフードファイターのようです。

西郷隆盛との会見へ

西郷・山岡会見之史跡(静岡県)

西郷・山岡会見之史跡(静岡県)

via 提供:小栗さくら

一本気な性格

食べ物以外でも「言い出したことは最後までやる」というエピソードが多い鉄舟。その性格を義兄・高橋泥舟はよく分かっていたのでしょう。

慶応4年(1868)3月、江戸開城に先駆けて、駿府(静岡)の西郷の元へ交渉人を送ることになった時、泥舟は、義弟・鉄舟を推薦します。それは、「こいつなら絶対やり遂げるだろう」という鉄舟への絶大な信頼があったからではないでしょうか。

命をかけた交渉

エドアルド・キヨッソーネが描いた西郷隆盛の版画

エドアルド・キヨッソーネが描いた西郷隆盛の版画

鉄舟は、「慶喜の命を守ること」「江戸総攻撃をやめさせること」を交渉すべく駿府へ乗り込みます。
一方西郷からはいくつかの条件を提示されました(5つとも7つとも)。それは「城の明け渡し」「城中の人数を向島へ移す」「兵器を渡す」「軍艦を渡す」といったものでしたが、鉄舟は慶喜の命運に関わる項目だけは決して受け入れることができないと拒絶します。西郷は何度も「朝命だ」と言いますが、鉄舟は断固として呑みません。
最後には鉄舟が、「もしあなたの主君が朝敵の汚名を着せられ、同じ立場になったらどうするか」と激論し、西郷を説き伏せたのでした。
裏のない、一本気な鉄舟ならではの交渉術だったように思います。

鉄舟の旧居跡

さて、東京には鉄舟の旧居跡とされる場所がいくつかあります。最初に紹介した茗荷谷の山岡家、そして生誕地といわれる亀沢。
現在、墨田区竪川中学校正門の前には、「山岡鉄舟旧居跡」の案内板が建っています。鉄舟の生家・小野家はこの正門あたりにあったのだとか。この場所は錦糸町駅から歩くと近いですよ。
竪川中学校正門

竪川中学校正門

この日はウミネコが飛び交い鳴いていました。鉄舟もそんな声を聞きながら育ったのかもしれませんね。
via 提供:小栗さくら

もう一つの生誕地

提供:小栗さくら (22343)

via 提供:小栗さくら
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小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

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