田園からおしゃれに進化!城や花街もあった渋谷の歴史【古地図と巡る江戸街並み探訪:第4回】
2018年10月6日 更新

田園からおしゃれに進化!城や花街もあった渋谷の歴史【古地図と巡る江戸街並み探訪:第4回】

「は~るの小川は さらさら行くよ~♪」で有名な童謡『春の小川』。とても豊かで静かな自然を感じさせる、よく親しまれた歌ですが、この歌の小川、実は渋谷を流れている渋谷川のことを歌っているのです。現在ではすっかりその面影は無くし、ファッションや情報、若者文化の最先端を行く街・渋谷。昼夜を問わず賑やかなこの街の歴史を探しに行ってみましょう。

岡田英之岡田英之

田園地帯から、おしゃれに進化した渋谷の街

青山を描いた絵図。この地図は北西が上になっており、左上...

青山を描いた絵図。この地図は北西が上になっており、左上、西方向に渋谷が見えます。

via 国立国会図書館デジタルコレクション
江戸時代の古地図を探してみると、江戸のはずれとも言える場所、江戸の切絵図の端に登場しています。(版元にもよります)
青丸で道玄坂と宮益坂を、赤矢印で金王八幡宮と東福寺を示...

青丸で道玄坂と宮益坂を、赤矢印で金王八幡宮と東福寺を示しました。

via 国立国会図書館デジタルコレクション
現代の地図で見るとこの辺りです。

現代の地図で見るとこの辺りです。

地図上に「道玄坂」の文字が見えますね。ここが、現在の道玄坂と一致しています。また、川が流れているのも見えますが、これが「渋谷川」です。現在の渋谷川は、渋谷駅周辺から暗渠になり、地下を流れている状況ですが、ぎりぎりまでこうして流れを見ることができます。
撮影:岡田英之 (24975)

via 撮影:岡田英之
実は渋谷の駅一帯は、東側から西側へ進んでいくと大名屋敷のエリアが途切れて、宮益町の町屋エリアに至り、田畑が広がっていた場所。特に渋谷駅西側、代々木、原宿、代官山、恵比寿がその様なエリアでした。元々は田園だった場所に、おしゃれな街が広がっているのです。

JRよりも高い位置にある地下鉄銀座線の不思議

 (25006)

また、渋谷は現在でもアップダウンのある地形になっていて、ここが渋谷川を中心にした谷地であることがわかります。高低差がとてもわかりやすいのは、地下鉄銀座線が、商業施設の三階に駅を持っているところです。
実は、渋谷を通っている路線のなかでも、地上にあるJRの路線なども超えて一番高い位置にある、不思議な地下鉄になっています。銀座線は、東京の地下鉄の中でも早い時期に作られた路線の為、比較的地表から浅い地下を通っています。この路線が、渋谷では地上三階まで至ってしまうほど、この辺りは深い谷地になっているのです。

かつては城も!渋谷家が地名の由来になった「渋谷」

歴史をさかのぼれば、850年ほど前の鎌倉時代に、この地を拠点の一つにした渋谷家が登場し、かつては渋谷城が存在していました。現在でも渋谷家の血筋は、脈々と伝えられています。そこで今回は、渋谷家ゆかりの場所をご案内したいと思います。

多くの場合、地名から苗字になるケースがあげられます。しかし、諸説あるものの、渋谷は渋谷家が住んだことから地名となっています。隣の青山も同様に、江戸時代に青山家が広大な大名屋敷を持っていたため、青山の地名が生まれているのです。

現在の繁華街を少し抜けると、オフィスビルや店舗などが立ち並ぶ中、やや高台になっている場所に「金王八幡宮」が鎮座しています。地域にも愛されているこの社周辺が「渋谷城」でした。城といっても、今のイメージからすると、小山の砦や防御設備を持った屋敷的なイメージが当てはまるかと思います。しかし、渋谷川を利用し、鎌倉街道を抑える立派な拠点として存在していました。
寛治6(1092)年の創建で、大変古い歴史を持っている...

寛治6(1092)年の創建で、大変古い歴史を持っているこの地域の鎮守「金王八幡宮」

via 撮影:岡田英之
本殿

本殿

幼少の家光が将軍に就任できるよう祈願し、それが叶ったことから、守役の青山忠俊と乳母の春日局が寄進したものが今に伝わります。
via 撮影:岡田英之
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岡田英之

岡田英之

おかだひでゆき。1977年、神奈川県生まれ。株式会社歩き旅応援舎での古地図散歩や、SNSを活用した博物館散歩、鎌倉散歩といった街歩きなどのガイドを務める。特に、歴史ある「場所」「モノ」に対する、専門用語を使わない、わかりやすい解説を得意としている。テレビ朝日系列「羽鳥慎一のモーニングショー」のコーナー、「良純未来図」や、BS朝日の「テイバン・タイムズ」に歴史案内人として複数回出演。著書に『東京街かど タイムトリップ』(河出書房新社)がある。 公式

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