佐賀の技術力の原点と最先端に出会う!佐賀城本丸歴史館編【肥前さが幕末維新博覧会レポ②】
2018年5月29日 更新

佐賀の技術力の原点と最先端に出会う!佐賀城本丸歴史館編【肥前さが幕末維新博覧会レポ②】

現在佐賀県で開催中の「肥前さが幕末維新博覧会」。メインパビリオン・幕末維新記念館に続き、第2弾では佐賀城本丸跡地にある「佐賀城本丸歴史館」へ。5月13日までの特別展『肥前さが幕末維新の「技」~日本の産業革命は佐賀から始まった~』で展示中の貴重な展示品を中心にご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

日本の近代化を先導!維新期の佐賀の歴史がわかる佐賀城本丸歴史館

佐賀城本丸歴史館 (17640)

via 佐賀城本丸歴史館
開催中の「肥前さが幕末維新博覧会」レポート、第1回の幕末維新記念館に続き、佐賀城本丸歴史館へ。十代藩主・鍋島直正公が天保9年(1838)に再建した本丸御殿を忠実に復元した、まさに佐賀藩の本丸です!維新博の会期中は、幕末維新期の佐賀藩の「技」「人」「志」をテーマにした3つの特別展が開催されます。

肥前さが幕末維新の「技」~日本の産業革命は佐賀から始まった~

 (16554)

取材時は特別展の第1弾『肥前さが幕末維新の「技」~日本の産業革命は佐賀から始まった~』が開催中でした。本展では、鍋島直正公自筆の書状や、教科書でお馴染みの「ペリー提督横浜上陸図」の原画であるハイネ水彩画など、貴重な現物が展示されています。

アヘン戦争の衝撃から、長崎警備強化を決意した直正公

側近・古川松根が描いた「鍋島直正像」(公益財団法人鍋島...

側近・古川松根が描いた「鍋島直正像」(公益財団法人鍋島報效会蔵)

よく見る写真の直正公よりも、おだやかな表情です。側近が描いたからこその肖像画ですね。
via 撮影:ユカリノ編集部
展示では、長崎警備強化の必要性を感じたきっかけとなる、アヘン戦争時の佐賀藩から紹介。
中国がイギリスに敗れるという衝撃的な情報をいち早くキャッチした佐賀藩は、幕府に警備強化の必要性を訴えます。返答を濁す幕府に、直正公は長崎の警備強化を一手に行うことを決意するのです。

もちろんすぐにうまくはいきません。そこで当時軍学者として名をはせていた江川英龍に協力を依頼した直正公。本展の目玉でもある自筆の書状には、江川への信頼が見てとれます。
「江川英龍宛鍋島直正自筆書状」※「鍋島閑叟書牘」5通合...

「江川英龍宛鍋島直正自筆書状」※「鍋島閑叟書牘」5通合装のうち、会期中展示替えを行う(重要文化財/公益財団法人江川文庫蔵)

via 撮影:ユカリノ編集部
嘉永3年2月23日、江川英龍に宛てているこの書状には、
・佐賀藩が長崎警備強化を一手に行う決心をし、阿部正弘に書状を送ったこと
・ヒューゲニンの鋳砲書がうまく解釈できず鉄製大砲鋳造が難航しているのでまず銅製砲から鋳造を始めること
・江川家お抱えの職人を佐賀に派遣して欲しい
といった内容が書かれています。

面白いのは、阿部正弘に宛てた書状の写しをわざわざ江川にも送っていること。それくらい、直正公は江川にその想いを共有し信頼していたんですね。
自筆の書状ということもあり、直正公が鉄製大砲の鋳造にかける熱意が伝わってきます。(しかも達筆!)ぜひ現物をご覧いただきたいです。

鉄製大砲の鋳造を成功させた鍋島家と江川家の素敵な関係

「伝江川英龍自画像」(重要文化財/公益財団法人江川文庫...

「伝江川英龍自画像」(重要文化財/公益財団法人江川文庫蔵)(※4月13日までの展示)

韮山代官・江川英龍。自画像とされてきたこの図は、近年幕臣・鈴藤勇次郎によるものだと判明したそうです。
本展では江川英龍のほか、直正公や、阿部正弘の肖像画も展示されているので、彼らのやり取りをイメージしながら見るとより楽しいかもしれません。
via 撮影:ユカリノ編集部
鍋島家へ提供されたものと同型とみられる「稜堡模型」(重...

鍋島家へ提供されたものと同型とみられる「稜堡模型」(重要文化財/公益財団法人江川文庫蔵)

サヴァールの『築城術入門』挿図をもとに、江川家で作成された100分の1模型。大砲配備に適した稜堡は、佐賀藩が長崎に台場を築く際に参考にしたのだそうです。
via 撮影:ユカリノ編集部
鉄製大砲の鋳造に関する知識はあったものの、当時まだ具現化するには至っていなかった江川英龍。それを具現化したのが佐賀藩でした。

佐賀藩は嘉永3年(1850)日本初となる実用的な反射炉を建造し、2年後無事鋳砲に成功。プロジェクトのリーダー・本島藤太夫らは「御鋳立方(いたてかた)の七賢人」と称されました。
江川の家臣たちは長崎に新築された台場を見学し技術を学んでおり、後に江川が差配した品川台場築造の際に活かされたそうです。
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