創業200年!勝海舟やジョン万次郎も愛した浅草の名店『鰻やっこ』
2018年7月27日 更新

創業200年!勝海舟やジョン万次郎も愛した浅草の名店『鰻やっこ』

2018年7月20日は「土用の丑(うし)の日」。暑い夏を乗り切るために、栄養価の高い鰻(うなぎ)を食べようという日本の風習ですが、古くから鰻は江戸っ子たちに人気でした。今回は老舗のうなぎ屋さんのなかでも、勝海舟など歴史上の人物にゆかりのあるお店を紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

江戸っ子に大人気だった鰻料理

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土用の丑の日に鰻を食べる風習は、平賀源内が発祥ともいわれています。
現代のように、たれを使った“蒲焼”の調理法が確立されたのは江戸時代中期以降とみられています。鰻は庶民の味として江戸っ子に大人気で、嘉永5年(1852年)には「江戸前大蒲焼番付」という『東京の美味しい鰻屋ランキング』のような本が発売されるほどでした。
この番付には200近くのお店が掲載されていますが、その上位にランクインし、現存しているのが東京・浅草の鰻屋さん『鰻やっこ』です。
撮影:ユカリノ編集部 (22281)

via 撮影:ユカリノ編集部
寛政年間(1789~1800年)創業の『鰻やっこ』は、江戸一番の繁華街・浅草にあり、かなりの人気店だったとみられています。店舗こそ当時のものではありませんが、今も当時とほぼ同じ浅草・田原町で営業しています。

そして、『鰻やっこ』にはあの有名な歴史上の人物も来店した記録が残っています。その人物こそ、勝海舟とジョン万次郎です。

勝海舟やジョン万次郎ら、歴史上の人物も訪れた『鰻やっこ』

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万次郎の子孫による著書には、二人が連れ立って『鰻やっこ』を訪れたことが書かれています。もしかしたら、2人と親交があった坂本龍馬なども訪れたかもしれませんね。

また、『鰻やっこ』には万次郎が来店した際のエピソードも残っています。
当時、来店した万次郎は余った食事をいつも持ち帰っていました。店員たちはそんな万次郎をケチだとウワサします。しかしある日、万次郎が持ち帰った鰻を貧しい人に渡していたのを発見します。万次郎は、わざと鰻を残して持ち帰り、恵まれない人たちに分け与えていたのだとか。
万次郎の子孫による著書には、『鰻やっこ』でのエピソードが書かれています。

中濱万次郎―「アメリカ」を初めて伝えた日本人 | 中濱 博

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万次郎直系四代目・中濱 博氏によるジョン万次郎の伝記。

文豪・夏目漱石も訪れた?

漱石の小説にも登場している『鰻やっこ』

漱石の小説にも登場している『鰻やっこ』

漱石自身の来店記録はないものの、小説に登場させているということは訪れた可能性が高い?
また、文豪・夏目漱石の小説「虞美人草」には、『ある人に奴鰻を奢ったら、御蔭様で始めて旨い鰻を食べましてと・・・』 という一節もあります。
このように、様々な小説や時代劇に登場していることからも、当時の人気ぶりがうかがえますね。

創業200年、偉人たちが愛した味を堪能しよう

季節の特選ランチ

季節の特選ランチ

via 撮影:ユカリノ編集部
おすすめは、名物のうな重にお刺身やお吸い物が付いたボリューム満点の特選ランチ(3,200円)。継ぎ足しされているという秘伝のタレは、よくありがちなくどい甘さがなく、とても美味しい!鰻本来の風味を感じられる、江戸っ子好みの薄味となっています。デザートの小豆アイスも上品な甘さで、夏にぴったりですよ。

土用の丑の日はもちろん、夏こそ食べたい鰻。
海舟と万次郎は、鰻を食べながら何を話したのか・・・なんて想像しつつ、老舗の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
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