三成や政宗とのやり取りも!ゆかりの人物から紐解く特別展「直江兼続」
2018年5月14日 更新

三成や政宗とのやり取りも!ゆかりの人物から紐解く特別展「直江兼続」

直江兼続公400回忌に当たる2018年。これを機に改めて兼続の業績に着目した特別展「直江兼続」が山形県の米沢市上杉博物館で開催中です。大河ドラマ『天地人』で注目を集めた兼続と、彼が関わった石田三成や伊達政宗、本多父子といった人々のゆかりの品が多数展示された本展をレポートします。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

兼続ゆかりの人物から見た「直江兼続」に迫る

米沢市上杉博物館

米沢市上杉博物館

via 撮影:ユカリノ編集部
直江兼続をテーマにした展覧会を開催するのは3回目という米沢市上杉博物館。
過去2回では主に兼続の生涯の事績について紹介されていましたが、今回は兼続と関わりを持った人物の視点を交えた展示とのこと。当時兼続がどのような役割を担っていたか、またどのように有力者たちと関わっていたのか、とても興味深い本展の見どころをレポートします。

おなじみの兼続公像のほか、妻・おせんが見た兼続公像も!

特別展入り口にはお馴染み「直江兼続像」が展示されていました

特別展入り口にはお馴染み「直江兼続像」が展示されていました

via 撮影:ユカリノ編集部
「直江兼続像」(通期展示/米沢市上杉博物館蔵)

「直江兼続像」(通期展示/米沢市上杉博物館蔵)

私たちがよく目にするこの「直江兼続像」。実は制作者や制作年代などは不明なんです。
絵のモデルは、松平定信が全国の文化財を調査・書写させて編纂した『集古十種』に描かれた兼続公像だといわれています。妻・おせんが高野山に建立した瑜祇塔に掲げられていた兼続の肖像画を写したもので、つまりおせんが目にしていた実像の兼続公に近いというわけです。

本展の後期(5月10日~)からは、その『集古十種』に描かれた兼続像も展示されます。ふたりの兼続像を見比べることができますよ。

石田三成をはじめとする豊臣政権の有力者との関係

「木村清久等三名連署状写」(『歴代古案』5/通期展示/...

「木村清久等三名連署状写」(『歴代古案』5/通期展示/米沢市上杉博物館蔵)

秀吉の全国統一を推進していく役割を担っていた上杉氏。初代米沢藩主上杉景勝のもと、兼続は豊臣政権の有力者たちとの交渉に関わっていました。

上の写真は天正12年(1584)7月11日、景勝から秀吉のもとに証人(人質)が送られてきたことに対しての謝意を伝える兼続宛ての書状です。
差出人は、増田長盛・石田三成・木村清久で、この3名がセットで上杉氏の交渉窓口だったとみられます。

また、天正11年に三成と木村が兼続と狩野秀治(兼続とともに景勝政権の中枢にあった)に宛てた書状「石田三成書状」(市立米沢図書館所蔵)も展示されており、そちらでも三成と兼続の実務者同士のやり取りをみることができます。三成の書状は「副状(添状)」といって、秀吉が景勝宛てに送った書状の内容を確認・補足する役割を持つ文書となっています。こちらはセットで展示されていますので、内容を見比べてみると面白いですよ。
そのほか、ご存じ「石田三成画像」(通期展示/大阪城天守閣蔵)も展示されています。
三成の活動が史料に出てくるのは天正11年(1583)以降のこと。当時まだ二十代前半だった三成ですが、翌年から上杉家との交渉の中心として活動しており、外交面でのキャリアは上杉家に始まったといえます。三成にとっても、景勝の執政だった兼続は欠くことのできない存在だったわけですね。

今後の友好関係は兼続次第!伊達政宗からの期待

続いては、兼続と伊達政宗との関係に着目。全国統一の過程で、景勝が秀吉から期待されたのは、服属していない大名との仲介でした。その対象となるひとりが、政宗だったのです。
「伊達政宗書状」(国宝『上杉文書』/米沢市上杉博物館蔵...

「伊達政宗書状」(国宝『上杉文書』/米沢市上杉博物館蔵)※後期は『官庫書』の写しを展示

政宗から景勝に送られた、新発田重家の乱平定を祝ったこの書状。政宗はここに、景勝との関係を今後も密にしていくことを切望しています。

そしてこの書状とセットで展示されているのが、兼続宛てに送られた「伊達政宗書状写」(『政宗君記録事蹟考記(引証記)』巻2)です。
そこには、景勝に宛てたように乱の平定を祝ったうえで、「今後の上杉家との友好関係について、結局は兼続次第である」と書いているのです。
政宗ならではの大袈裟な表現にも思われますが、上杉家家中における兼続の重要性を示している証といえますね。
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