【没後160年】浮世絵師・歌川広重の画業に迫る!太田記念美術館の大回顧展
2018年9月6日 更新

【没後160年】浮世絵師・歌川広重の画業に迫る!太田記念美術館の大回顧展

「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」などの風景画で知られる江戸時代の浮世絵師・歌川広重。没後160年にあたる2018年は、日本各地で記念展が開催されています。そのなかから、13年ぶりとなる大回顧展を開催中の太田記念美術館「没後160年記念 歌川広重」展の見どころをご紹介。海外の芸術家たちにも影響を与えた、広重作品の魅力を改めて感じてみませんか?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

没後160年記念!太田記念美術館13年ぶりとなる大回顧展

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安政5年(1858)9月6日に亡くなった浮世絵師・歌川広重。
その命日にあわせ、太田記念美術館では記念展を開催。同館にとっては13年ぶりの大回顧展となります。
数あるコレクションの中から、代表作「東海道五拾三次之内」や「名所江戸百景」を含めた選りすぐりの名作が展示されます。

広重の名を一躍有名にした「東海道五拾三次之内」

歌川広重「東海道五拾三次之内  蒲原  夜之雪」(太田...

歌川広重「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」(太田記念美術館蔵)※前期のみ

via 提供:太田記念美術館
風景画家として広重の名を一躍有名にした「東海道五拾三次之内」。
東海道の宿場53に、出発地の日本橋と、到着地の京都(京師)を加えた55作のシリーズとなっています。

なかでも傑作といわれる「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」(※前期のみ展示)は、現在の静岡県にあたる蒲原の宿場を描いたもの。実際は冬でも温暖で、このように雪が積もることはないとされますが、広重はあえて雪景色として創作しています。雪の質感が濃淡によって表現され、しんしんと雪が積もる静かで淋しい宿場の情景が伝わってきますね。
歌川広重「東海道五拾三次之内  庄野  白雨」(太田記...

歌川広重「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」(太田記念美術館蔵)※後期のみ

via 提供:太田記念美術館
一方、後期に展示される「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」では、白雨(夕立)にあい急ぐ、人々のスピード感にあふれた様子が描かれています。

場所だけでなく四季や天候を巧みに表現し、作品ごとの違いを楽しめる「東海道五拾三次之内」。
広重の想像力・表現力を感じられる本シリーズも、本展では存分に堪能できます。

この時季ならでは!「広重ブルー」の美しさを感じられる名作

歌川広重「東海道五拾三次之内  沼津  黄昏図」(太田...

歌川広重「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」(太田記念美術館蔵)※前期のみ

via 提供:太田記念美術館
今回「東海道五拾三次之内」の中でもぜひ注目してほしいのが、唯一、月景色をテーマにした「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図」です。
旅人が満月の月明かりに照らされ、沼津宿に入る様子を描いたこの作品。夜空と川の青に映える満月が美しく、この時季こそ堪能したい「広重ブルー」作品といえます。

美人画や花鳥画、戯画まで!広重の多彩な才能に触れる

歌川広重「鯛 鯉 鰹」(太田記念美術館蔵)※後期のみ

歌川広重「鯛 鯉 鰹」(太田記念美術館蔵)※後期のみ

via 提供:太田記念美術館
代表作の風景画以外にも、美人画や花鳥画、戯画など、様々なジャンルの浮世絵を描いていた広重。本展ではこれらの珍しい作品も含め、200点以上の作品を見ることができます(前後期で全点展示替え)。

没後160年が経った今でも、世界中で愛される広重の作品。
色あせることのないその魅力を、改めて感じてみませんか?

「没後160年記念 歌川広重」

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