【愛した道鏡との伝説も…】女帝・孝謙(称徳)天皇ゆかりの地
2018年8月28日 更新

【愛した道鏡との伝説も…】女帝・孝謙(称徳)天皇ゆかりの地

東大寺の大仏を建立したことでも有名な聖武天皇の娘として生まれた孝謙天皇。史上6人目の女帝であり、2度の即位を果たした人物でもあります。寵愛する人物を側近に置き、時には入れ込みが過ぎるなど、波乱に満ちた彼女の生涯とともに、ゆかりの地を追ってみました。最期には、愛した道鏡との伝説も…?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

聖武天皇と光明皇后の娘として生まれる

女性の皇太子としては史上唯一だった

女性の皇太子としては史上唯一だった

718年、聖武天皇と光明皇后の間に誕生した孝謙天皇。
即位前は阿倍内親王と言いました。兄弟が次々と早逝したため、彼女は皇太子となり、749年には父から譲位されて天皇に即位します。

彼女の政権運営の片腕となったのは、いとこでもある藤原仲麻呂でした。
天皇の寵愛を受けた仲麻呂はどんどん権勢を拡大し、それを危惧した橘奈良麻呂らが乱を起こしましたが、孝謙天皇と仲麻呂はそれを鎮圧し、ほぼ二人三脚での政権を築いていきます。2人の蜜月は、758年に孝謙天皇が譲位して上皇となってからも続いていったのです。

怪僧・道鏡の登場と傾倒

761年、孝謙上皇は病に倒れます。この時、祈祷僧として彼女を看病したのが、怪僧・道鏡でした。
病が平癒すると、孝謙上皇は道鏡を寵愛するようになり、僧籍にある彼を政治に参加させるようになりました。
こうした状況を危惧し、徐々に上皇と不仲になっていった仲麻呂(恵美押勝)は、764年に「藤原仲麻呂の乱」を起こします。しかし上皇に鎮圧され、殺害されたのでした。

孝謙上皇が乱の平定を祈願したことから建てられた西大寺(奈良県奈良市)

西大寺本堂

西大寺本堂

藤原仲麻呂の乱の平定を祈願した孝謙上皇が、金銅四天王像の造立を発願し建てられたのが西大寺です。当時は広大な伽藍があり、東西に五重塔があったと言います。

現在は、本堂の前に東塔の跡があります。創建時は七重の塔を計画していたといい、基壇からその大きさが偲ばれます。

道鏡を皇位につけることを望んだ?

 (23351)

「道鏡の野望と称徳天皇の希望を砕き、結果として国家の混乱を救った和気清麻呂」
飢饉や謀反が続発する不安定な政情のもと、孝謙上皇は「称徳天皇」として再び天皇に即位します。親族でも流刑など厳しい処罰をし、感情で政治を行う面も見受けられた彼女は、ついには道鏡を皇位につけようかと考え始めました。宇佐八幡宮が「道鏡を皇位につけるべし」との託宣を報じた際には、乗り気だったとも言います。
しかし、それを確かめに行った和気清麻呂が「託宣は虚偽である」と報告したため断念することに。怒った称徳天皇は清麻呂を『別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)』と改名し左遷してしまいます。

やがて病に伏した称徳天皇は、徐々に道鏡も遠ざけ、770年8月28日に53歳の生涯を閉じました。一方道鏡は、下野に左遷される運命を辿ります。

道鏡を追ってこの地で没した?孝謙天皇神社(栃木県下野市)

孝謙天皇神社(栃木県下野市):道鏡と天皇の伝説がある場...

孝謙天皇神社(栃木県下野市):道鏡と天皇の伝説がある場所は各地にある

via 写真提供:下野市観光協会
17 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

完成から1300年!『古事記』と『日本書紀』が生まれた奈良県で古代ロマンに浸る旅

完成から1300年!『古事記』と『日本書紀』が生まれた奈良県で古代ロマンに浸る旅

2012年に完成から1300年を迎えた『古事記』、そして2020年には『日本書紀』も完成から1300年を迎えます。『古事記』と『日本書紀』が編纂された奈良県では、2020年までの間『記紀・万葉プロジェクト』が立ち上げられ、関連イベントも開催中。悠久の時を越え、奈良で古代ロマンに触れてみませんか?
「日本男色史巡り 第11回:日本仏教の男色」美少年を巡って寺同士が大抗争!?

「日本男色史巡り 第11回:日本仏教の男色」美少年を巡って寺同士が大抗争!?

日本の男色史を、ゆかりの品や場所とともにご紹介する連載『日本男色史巡り』。第11回は、実は美少年の園だった日本の有名な寺社仏閣を巡ります。今月公開する日中合作映画「空海 KU-KAI」の主人公、弘法大師空海が中国から持ち込んだといわれる日本の男色。ときに惑わし、ときに悟りへと導いた美しい稚児たちの秘密とは!?
気になる『平成』の次は?史跡足利学校の企画展「元号」で新元号を予想しよう

気になる『平成』の次は?史跡足利学校の企画展「元号」で新元号を予想しよう

日本最古の学校、日本遺産である栃木県の史跡足利学校。2019年の新元号制定を前に、元号の由来や変遷を紹介する企画展「元号」が12月2日まで開催中。元号ってどうやって決めてるの?という疑問をお持ちの方にぜひ見ていただきたい、出典元となった貴重な資料を公開。気になる『平成』の次の元号を予想してみてはいかがでしょうか。
聖徳太子に古墳…見どころ満載!明日香村で古代観光のススメ

聖徳太子に古墳…見どころ満載!明日香村で古代観光のススメ

古代の都であり、大化の改新の舞台としても知られる奈良県明日香村。2018年10月20日(土)21日(日)に「古都飛鳥文化祭2018」が開催されます。明日香村は聖徳太子ゆかりの地や古墳など、見どころがたくさん!レンタサイクルなどで気軽に古代巡りができるのも魅力です。この機会に行ってみたい、明日香村のオススメスポットをご紹介します。
快慶、定慶…鎌倉時代の天才仏師「慶派」スーパースターの名品が堪能できる特別展

快慶、定慶…鎌倉時代の天才仏師「慶派」スーパースターの名品が堪能できる特別展

奥が深い仏像の世界。仏教の知識がないとなかなか理解できないのではという方も多いと思いますが、運慶と快慶といった「慶派」だけでも押さえておくと、親しみやすいかもしれませんよ。10月2日からは東京国立博物館の特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」も開催。初心者にも優しい仏教の世界に、足を踏み入れてみませんか。
必見!石垣名城3選…高石垣の岡城、登り石垣の米子城、天守台の大和郡山城【月刊 日本の城】

必見!石垣名城3選…高石垣の岡城、登り石垣の米子城、天守台の大和郡山城【月刊 日本の城】

webサイト「日本の城写真集」の管理人・けいすけが、日本の名城の見どころ、撮りどころを徹底的に紹介する連載「月刊 日本の城」。第13回はユニークな石垣をもつ3城、「岡城」「米子城」「大和郡山城」をご紹介します。岡城の高石垣、米子城の登り石垣、大和郡山城の天守台…いずれも当時の建物は残らなくても、石垣だけで魅力十二分!そんな3城の見どころを写真を中心に紹介していきます。
黒澤明の映画で有名な「羅生門」を巡る、1300年の歴史旅

黒澤明の映画で有名な「羅生門」を巡る、1300年の歴史旅

1951年の9月10日、黒澤明の「羅生門」がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞グランプリを受賞しました。日本初の海外映画祭グランプリ受賞という快挙は、昭和20年(1945)の敗戦によって打ちひしがれていた日本人に、大きな自信を与えました。そこで今回は「羅生門」を深堀りしながら時間旅行を楽しんでみましょう。
夏休みに行きたい!ご当地の歴史も学べる人気「道の駅」5選

夏休みに行きたい!ご当地の歴史も学べる人気「道の駅」5選

ご当地の特産品やグルメを楽しむことができ、ドライブの途中で立ち寄れる人気観光スポット「道の駅」。なかにはその土地の歴史を紹介する施設が併設されている道の駅もあるんですよ。今回は「歴史も学べる道の駅」を全国から厳選!夏休みの旅行の際に、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
平安時代のイケメン・在原業平、ゆかりの地が多いのはモテ男だからこそ?

平安時代のイケメン・在原業平、ゆかりの地が多いのはモテ男だからこそ?

日本の歴史上の人物のなかで“イケメン”といえば、みなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。写真が残る人物としては、新選組の「鬼の副長」こと土方歳三、15代将軍・徳川慶喜などの人気が高いようですが、平安時代を代表する美男子といえば、歌人として有名な在原業平。日本各地にゆかりの地が残る業平、その理由とは?
この夏行きたい「日本遺産」3選!アイヌ、那須、星降る里…歴史の新たな一面に触れる旅

この夏行きたい「日本遺産」3選!アイヌ、那須、星降る里…歴史の新たな一面に触れる旅

日本各地の文化や伝統を国内外に発信するべく文化庁が認定している「日本遺産」。まだ耳慣れない方もいると思いますが、実は歴史好きにもたまらない、知られざる日本の魅力に出会える遺産が揃っているんです。今回は2018年5月に新たに登録された13件の中から、夏の旅行先におすすめのものを3つご紹介します。