『西郷どん』劇団ひとりの演技も話題!ジョン万次郎の波乱万丈すぎる生涯
2018年2月11日 更新

『西郷どん』劇団ひとりの演技も話題!ジョン万次郎の波乱万丈すぎる生涯

日本人で最初にアメリカの地を踏んだといわれるジョン万次郎。大河ドラマ「西郷どん」では劇団ひとりさんが演じ、話題になっています。島津斉彬や坂本龍馬に影響を与え、黒船来航時には幕府にも貢献するなど、幕末維新になくてはならなかった万次郎。その波乱の生涯と共に、ゆかりの地をご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

ジョン万次郎

ジョン万次郎

本名は中濱萬次郎(なかはままんじろう)。「ジョン万次郎」という呼称は、昭和13年(1938)に直木賞を受賞した井伏鱒二の『ジョン萬次郎漂流記』で用いられ、広まったそう。

漁の途中に14歳で漂流

ジョン万次郎は文政10年(1827)、土佐国中濱村(高知県土佐清水市中浜)の漁師の子として生まれました。14歳の時、漁に出て嵐に遭遇、仲間と共に鳥島へ流れ着きます。そこで143日間ものサバイバル生活を送り、アメリカ捕鯨船ジョン・ハウランド号に救われました。

ハワイで仲間は船を降りましたが、万次郎は残り、アメリカへと渡ったのです。この時、船の名前から「ジョン・マン」という愛称を付けられたのでした。

万次郎が流れ着いた鳥島って?

鳥島

鳥島

伊豆諸島に属し、八丈島からさらに300㎞南に位置する鳥島。アホウドリの生息地でもあり、かつては捕獲のため移住した人もいるんだとか。
現在は無人島ですが、島自体が天然記念物のため、残念ながら上陸は許可がなければできません…。
鳥島の位置

鳥島の位置

東京都の管轄ではありますが、かなり離れております。

アメリカでは首席で卒業、捕鯨船の副船長に就任

万次郎はジョン・ハウランド号のホイットフィールド船長の養子となり、マサチューセッツ州フェアヘーブンで学校に通いました。そこで、測量・航海・造船を学び、言葉のハンデを克服して見事首席で卒業したのです。

卒業後は捕鯨船船員となりますが、日本帰国の資金づくりのため、ゴールドラッシュの真っ最中のカリフォルニアで金を採掘する仕事に就きました。
そして資金を得た万次郎は、帰国の途についたのです。
19世紀のアメリカの捕鯨船

19世紀のアメリカの捕鯨船

捕鯨船では副船長に就任したという万次郎。投票で2人が1位になったため、年長者に船長を譲ったとか。

島津斉彬や坂本龍馬に影響をもたらす

万次郎が上陸した琉球の大渡海岸(沖縄県糸満市)

万次郎が上陸した琉球の大渡海岸(沖縄県糸満市)

ホノルルから上海行きの商船に乗り込んだ万次郎。琉球には一緒にのせていた小舟「アドベンチャー号」で上陸します。
嘉永4年(1851)、万次郎は琉球に上陸すると、当時琉球をおさめていた薩摩藩に送られて取り調べを受けました。この時島津斉彬に会い、造船や航海術について情報をもたらしています。

西洋の学問や技術を好み、開国と富国強兵が必要だと考えていた斉彬にとって、万次郎は歓迎すべき人物でした。もし斉彬ではない他の人物と出会っていたら、万次郎の運命は変わっていたかもしれません。
薩摩藩11代藩主・島津斉彬

薩摩藩11代藩主・島津斉彬

万次郎にとってはもちろん、西郷隆盛や大久保利通にとっても活躍のきっかけとなった人物。
その後は長崎奉行所で取り調べを受け、上陸から約2年後、ようやく故郷・土佐の土を踏むことができました。
土佐では藩主・山内容堂により武士の身分に取り立てられ、藩校の教授となり、後藤象二郎や岩崎弥太郎らを教えています。
また、万次郎の聞き取りをした河田小龍による『漂巽紀略』は、坂本龍馬にも影響を与えました。
坂本龍馬

坂本龍馬

土佐藩の絵師・河田小龍から伝え聞いた万次郎のアメリカでの体験は、その後の龍馬の思想や行動に影響をもたらします。
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