出雲大社の巫女だった!?謎多き歌舞伎の祖・出雲阿国の真実
2018年4月15日 更新

出雲大社の巫女だった!?謎多き歌舞伎の祖・出雲阿国の真実

歌舞伎の祖といわれる出雲阿国(いずものおくに)。最近では大河ドラマ『真田丸』にも登場しました。歴史上では謎の多い人物ですが、様々な言い伝えが残されています。今回は、京都にある阿国歌舞伎発祥の地や、出雲にあるお墓を巡りながら、彼女の真実に迫ります。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

諸国を巡行した出雲大社の巫女?

出雲阿国

出雲阿国

謎多き女性・阿国。
言い伝えによれば出雲阿国は、出雲大社のほど近くに住む鍛冶職・中村三右衛門の娘とのこと。長じて出雲大社の巫女となり、勧進のために諸国を巡っていたとされています。

阿国についての最古の資料は、西洞院時慶の日記『時慶卿記』。慶長5年(1600)に出雲のクニという女性がややこ踊り(童女の身振りを真似た踊り)を披露した・・・と記されています。

しかし、阿国の存命時代の資料では「お国」「国」「クニ」などと書かれ、「出雲阿国」という名は彼女が既に亡くなったとされる17世紀後半以降にしかみられません。
また、出生地も加賀、奈良などの異説もあり、謎に包まれています。
出雲大社 拝殿(島根県出雲市)

出雲大社 拝殿(島根県出雲市)

歌舞伎の創始者といわれる阿国

出雲の阿国像(京都府京都市)

出雲の阿国像(京都府京都市)

京都・四条大橋のたもとにある像。
歌舞伎踊りの創始者のひとりとされる阿国。とは言え男性のみが演じる現在の歌舞伎とは違ったものでした。

女性である阿国がかぶき者の姿に扮する・・・つまり男装して、これまた反対に茶屋の女に扮した男と戯れるという、性的な意味の強い踊りだったとか。
これが大衆に大ヒット。客を多く集めたい遊女屋が瞬く間に取り入れ、さらに「国」を名乗って踊る女性も多く出るなど、社会現象にもなったようです。

しかし、あまりに人気になってしまったらしく、風紀の乱れを理由に取り締まりの対象となります。
その結果、成人男性が男女すべての役を担う現在の歌舞伎へと繋がっていったのです。
阿国歌舞伎発祥の地(京都府京都市)

阿国歌舞伎発祥の地(京都府京都市)

四条河原のそばにある劇場、南座の西側にある石碑。江戸前期には芝居小屋が7軒あり、現在は南座だけが残っています。

出雲にある阿国の墓

出雲阿国の墓(島根県出雲市)

出雲阿国の墓(島根県出雲市)

出雲大社から稲佐の浜へ向かう途中にある阿国の墓。
一世を風靡した出雲阿国、晩年は出生と同様によくわかっていません。

一説によれば出雲に帰って出家し、静かな余生を送ったとされています。
阿国が過ごしたとされる庵を再建した阿国寺と阿国の墓が、出雲大社のそばに現在も残っており、多くの芸能関係者が今も足を運んでいるそうです。

また、京都・大徳寺の高桐院にも阿国のものとされるお墓が現存しています。
生涯が謎に包まれた阿国ですが、歌舞伎の創始者として像や墓が残されていることからも、彼女の始めた踊りが当時の人々の心をとらえたのは確かだったといえるでしょう。

諸説ある阿国の命日のひとつである4月15日は、阿国忌として阿国を供養する日となっています。
ゆかりの地を巡りながら、彼女の踊る姿を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。

(Sati)
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