日本の古墳はすごかった!国立歴史民俗博物館「世界の眼でみる古墳文化」レポート
2018年4月4日 更新

日本の古墳はすごかった!国立歴史民俗博物館「世界の眼でみる古墳文化」レポート

現在、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)では、古墳をクローズアップした企画展示「世界の眼でみる古墳文化」が5月6日まで開催中。世界の墳墓と比べたり、日本を代表するアーティストとコラボレーションしたりと、今までにない展示が注目を集めています。古代ファン&古墳ファンはもちろん、歴史好きも必見の見どころをご紹介します。

みのうち社みのうち社

世界から見た日本の古墳とは?

写真提供:みのうち社 (16464)

via 写真提供:みのうち社
国立歴史民俗博物館で開催中の企画展示「世界の眼でみる古墳文化」。
日本の歴史と文化の最古のシンボルともいえる古墳を、世界にもある先史モニュメントと比較することで特徴をあぶり出すという、今までにない試みは、古代ファン、古墳ファンから大きな注目を集めています。
古墳好きである筆者としても見逃すわけにはいきません!

まず出迎えてくれるのは、入口付近にある古墳時代の王のイラスト。これは『機動戦士ガンダム』などの作画で知られる人気アーティスト、安彦良和氏によるものです。(このイラスト原画も展示されていますよ。肉眼で安彦良和氏の原画を堪能するチャンスです!)

展示室は企画展示室A(青い矢印)と企画展示室B(赤い矢印)のふたつに分かれています。まずは企画展示室Aのほうからご案内します。
クイズを解きながら閲覧できる!

クイズを解きながら閲覧できる!

手前は無料の企画展示クイズパンフレット。展示室に入る前に入手して、クイズを解きながら展示を見るのも面白いかも。後ろにあるのはこの企画展の目録。メガネをかけた武人埴輪のビジュアルが目を引きますね。
via 写真提供:みのうち社

日本の古墳と世界のモニュメント、比べてみれば

日本の古墳時代は西暦250年頃から600年頃まで続きました。
約350年の間につくられた日本の古墳は、墳墓としての大きさや築造数において世界でもトップクラス!その数はコンビニの3倍くらいあるそうです。形のバリエーションも様々で、日本独自に進化したものもあるんです。

最初のコーナーでは、日本の古墳と各地域の墳墓との比較がパネルで紹介されています。日本の古墳のスケールの大きさがわかりますよ。
履中天皇陵古墳模型と百舌鳥古墳群周辺の立体模型

履中天皇陵古墳模型と百舌鳥古墳群周辺の立体模型

via 写真提供:みのうち社
この立体模型は大阪府堺市にある百舌鳥古墳群周辺の様子と、その中にある2番目に大きい履中天皇陵古墳を再現したもの。古墳ひとつひとつの高さや大きさがひと目でわかります。

現在、国立歴史民俗博物館では総合展示第1室「原始・古代」がリニューアルのため閉室中。2019年3月19日オープン予定ですが、その際にはこの壁の模型も展示される予定とのことです。
オープンを待ち望んでいる古代ファンにとって、このプレ展示はまさに粋なはからいですね。
三角板革綴衝角付冑

三角板革綴衝角付冑

5世紀
大阪府七観古墳
国立歴史民俗博物館蔵
via 写真提供:みのうち社
こちらは、履中天皇陵に付属する円墳のひとつ、七観古墳から出土した冑です。
大阪方面にある前方後円墳にはいくつかの円墳がついており、その中にはこのような副葬品が埋葬されていたそうです。

日本の古墳時代は、都市などはあまり発達しなかったそう。王から地方豪族にいたるまで、古墳に時間とお金をかけすぎたからでは…とついつい考えてしまいますが、そのおかげで世界に類を見ない形や大きさの墳墓ができたのも事実です。
古墳ではまつり(儀礼)が行われていましたし、ただの墳墓というよりも重要な施設のひとつであると考えれば、お金と時間をかけるのもわかるような気がします。

土ではなく石で神殿を築いた中南米

中米・グアテマラにあるマヤの王が眠る神殿(16号神殿)

中米・グアテマラにあるマヤの王が眠る神殿(16号神殿)

via 写真提供:国立歴史民俗博物館
中南米では土ではなく、石で神殿を築く文化が続いたそう。
神殿の上にかぶせるようにして新しい神殿をつくるので、建造物がだんだんと大きくなったのだとか。巨大神殿はそのようにできたのですね。その神殿を中心に、都市が発達したようです。
鐙形象形土器

鐙形象形土器

3〜5世紀
ペルー モチェ遺跡
東京大学総合研究博物館蔵

この鐙形象形土器はフクロウに変身したエリートを象ったもの。「エリート」とは、社会の上層の人たちのことだそうです。この像は戦士を表すものですが、他にどんなエリートがいたのか気になります。
via 写真提供:みのうち社
日本の古墳の被葬者は王や豪族など主にひとりですが、中南米では神殿を重ねて増築するため、同じ場所にたくさんの被葬者がいます。
国によって墓の作り方や考え方がまったく違うんですね…。
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みのうち社

みのうち社

歴史好きなイラストレーター&ライター、デザイナー、編集者の3人組。 武将の城や偉人の史跡、神社仏閣、美術など、身近にあるものでも最大限に楽しめる「歴史エコ」な情報を発信していきたいと思います。 今後は、各種イベントや本の企画など、歴史にまつわる仕事をしていく予定です。よろしくお願いします! 公式

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