新春は一年の福を願う「新宿山ノ手七福神」巡りへ!【古地図と巡る江戸街並み探訪:特別編】
2019年1月3日 更新

新春は一年の福を願う「新宿山ノ手七福神」巡りへ!【古地図と巡る江戸街並み探訪:特別編】

恵比寿神・大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋尊・寿老人・福禄寿と、神道・仏教・道教の神仏をお参りするユニークな巡礼「七福神巡り」。日本独自の信仰で、一番身近な神仏習合かもしれません。今回は、ちょうど良い距離感で、街並みの変化や多彩な神社仏閣を堪能できる、都心の「新宿山ノ手七福神巡り」をご紹介します。

岡田英之岡田英之

全国で人気の七福神巡り

 (26960)

全国には様々な七福神巡りが存在しています。
東京都内や神奈川県内にも多数の七福神巡りがあり、特に元日~7日限定で開催される七福神が多く、大変に賑わっています。

歴史ある所では、江戸で最初に開かれた七福神とされる「元祖山手七福神」の他、立地も良くコンパクトにまとまっていて人気の高い「日本橋七福神」、七福神なのに9か所を巡り見どころも多い「浅草名所七福神」・・・など、たくさんのコースがあります。

七福神巡りの歴史とは

七福神巡りは、室町時代半ばころに流行した、中国大陸の賢人を集めた「竹林の七賢」にならったものだとか、仏教の経典にある「七難即滅、七福即生」から定められた等と言われています。

それぞれの神仏は元々個別に信仰されていましたが、江戸時代に入り、それぞれの徳を表して現在の七福神となったとされますが、その成立には諸説あり、七福神ではなく、他の神仏を含めて、八福神などになっている場所もあります。

本来は、正月のみならず、年間を通して行われていた江戸の人々の楽しみな行事でした。
今回紹介する「新宿山ノ手七福神巡り」も、通年御朱印などをいただけるコースです。

「新宿山ノ手七福神」巡りへ!

新宿山ノ手七福神パンフレット

新宿山ノ手七福神パンフレット

最初の訪問場所で、この案内をいただくことをお勧めします。七福神の説明と、親切な地図がついています。

【毘沙門天】神楽坂の善国寺からスタートです

鎮護山善国寺

鎮護山善国寺

via 岡田英之
神楽坂の上、魅力的な老舗や店舗が並び立つ通り沿いに、鎮護山善国寺があります。
安土桃山時代の末期、文禄4(1595)年に徳川家康により創建された日蓮宗の寺院で、江戸の三毘沙門に数えられた名刹です。徳川将軍や、一族で御三卿の田安家、一橋家の祈願所として繁栄しました。かの水戸黄門・水戸光圀も信仰しています。

度々火災によって移転し、寛政4(1792)年に現在の神楽坂の地に再建されました。
神楽坂に移転したことにより、武家屋敷中心の街並みであった神楽坂周辺は、大いに賑わったと言われています。

本尊として秘仏の毘沙門天を祀っており、新年1月5日の寅の日には御開帳があるそうです。
神楽坂の地は、明治時代、大正時代の尾崎紅葉、泉鏡花、北原白秋などの文人墨客たちが多く住んだ地で、きっと彼らも参拝していたでしょう。
ちなみに、毘沙門天の護りは“狛寅”で、虎が左右に置かれています。
国立国会図書館デジタルライブラリー (26912)

via 国立国会図書館デジタルライブラリー
赤丸に、善国寺と毘沙門堂の記述があります。
青丸には、神楽坂の記載がありますね。緑丸は、牛込御門とあり、江戸城の城門でした。実は、この真上に、現在の飯田橋駅が作られており、城門の石垣を見ることができます。
オレンジ丸には、赤城神社が確認できます。赤矢印の方向に、七福神巡りは続きます。
御朱印

御朱印

新宿山ノ手七福神の御朱印は、最初にアイコンとしている写真の様な色紙にいただけますが、御朱印帳にもいただけます。折角なので、今回は、オリジナルの御朱印帳を出されているところの御朱印帳(善国寺と経王寺)に、御朱印をいただきました。
また、この七福神では、可愛らしい神仏の像も購入できます。
御朱印帳と御朱印、七福神の像の紹介もあわせてしていきたいと思います。

【大黒天】大久保通りから経王寺へ

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岡田英之

岡田英之

おかだひでゆき。1977年、神奈川県生まれ。株式会社歩き旅応援舎での古地図散歩ガイドの後、SNSを活用した歴史散策、博物館散歩、横浜や鎌倉散策といった街歩きなどのガイドを務める。特に、歴史ある「場所」「モノ」に対する、専門用語を使わない、わかりやすい解説を得意としている。テレビ朝日系列「羽鳥慎一のモーニングショー」のコーナー、「良純未来図」や、BS朝日の「テイバン・タイムズ」に歴史案内人として複数回出演。著書に『東京街かど タイムトリップ』(河出書房新社)がある。 公式

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