東京駅の謎、答えは佐賀に!建築家・辰野金吾の粋な干支ミステリー
2018年12月18日 更新

東京駅の謎、答えは佐賀に!建築家・辰野金吾の粋な干支ミステリー

日本の玄関口、東京駅。平成24(2012)年に大改修が行われ、大正3(1914)年当時と変わらない姿に生まれ変わりました。辰野金吾が設計した駅舎には隠れた見どころがあり、その謎は遠く佐賀県にも関係があることがわかりました。東京駅を利用する際はぜひチェックしてみてください。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

東京駅の設計を手掛けた辰野金吾

辰野金吾(たつの きんご)

辰野金吾(たつの きんご)

via 国立国会図書館デジタルコレクション
明治・大正時代を代表する建築家、辰野金吾。東京駅以外にも日本銀行本店や初代国技館の設計を手掛けたことで有名です。

東京駅といえば赤レンガ作りの外観を眺める方は多いと思いますが、今回注目してほしいのは丸の内駅舎の八角形のドーム天井です。
駅構内でわざわざ天井をじっくり眺めたことがない、という人も多いのではないでしょうか。しかしよく見ると、そこに隠れた見どころがあるのです。

東京駅の駅舎天井にある、8つだけの干支レリーフ

東京駅

東京駅

via 撮影:ユカリノ編集部
駅舎のドーム天井

駅舎のドーム天井

via 撮影:ユカリノ編集部
 (22943)

天井までの距離があるため少々見づらいですが、よく目を凝らしてみると丑・寅・辰・巳・未・申・戌・亥の8つの干支レリーフが確認できます。
ここで気になるのが、残りの4つの干支の行方ですよね。同じ東京駅構内の何処かにあるのではと思うでしょう。しかし東京駅内にそれらしいものはなく、残り4つの干支レリーフの行方は長年の謎でした。

平成24(2012)年の東京駅大改修の際にも疑問視されましたが、辰野が残した資料には何も書かれておらず、誰も謎が解けないままだったのです。

残り4つの干支は、佐賀県の武雄温泉に!

このまま十二支揃うことはないと思われていましたが、2013年に意外な場所で発見されました。それは佐賀県にある武雄温泉楼門の天井。残り4つ、「酉(とり)」「子(ね)」「卯(う)」「午(うま)」四干支の彫絵が存在していたのです。
発見に至った経緯は偶然で、JR東日本の建築設計事務所に勤めている職員が武雄温泉を訪れた際、たまたま発見したのだとか。
国重要文化財の武雄温泉楼門

国重要文化財の武雄温泉楼門

via 写真提供:武雄市観光協会
楼門の天井に見られる「午(うま)」の彫絵

楼門の天井に見られる「午(うま)」の彫絵

via 写真提供:武雄市観光協会

なぜ佐賀県なのか?

偶然の発見により全て揃った干支のレリーフですが、なぜ東京駅から遠い佐賀県の武雄温泉に設置されていたのでしょうか。実はこの武雄温泉楼門も、佐賀県唐津市出身の辰野による設計なのです。

モダンで洋風な近代的建築物である東京駅と、釘も使用せずに作られた和風建築物である武雄温泉の楼門。正反対の2つの建物は同時期に設計されており、初めから十二支のレリーフを分けて設置しようという辰野の遊び心だったという説もあります。また、伝統も新たな技法も大切にするべきという日本の建築に対する辰野の主張だったのかもしれません。

現地では、この楼門の四干支を見学するガイド付きプログラムが期間限定で開催されています。
「楼門四干支見学会」
期間:平成31年3月31日(日)まで
※毎週火曜日は除く。8月14日は実施。
時間:午前9時~午前10時(受付は9時30分まで)1回あたり約20分
見学料:大人400円、子ども200円 ※文化財保護協力費として(入浴付き)
25 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

エピソード満載!早稲田大学創設者・大隈重信ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第10回】

エピソード満載!早稲田大学創設者・大隈重信ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第10回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第10回は大隈重信ゆかりの地です。早稲田大学創設者であり、総理大臣に二度も就任している大隈は、日本で初めて始球式を行うなど、エピソードの宝庫でもあります。青年時代から新政府の中枢に入るまでの、とくに興味深いエピソードとゆかりの地をご紹介します。
幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末から明治にかけて、数多くの人材を輩出した肥前佐賀藩。その中でも中心的な役割を果たした7人を「佐賀の七賢人」と呼びます。幕末の佐賀藩主・鍋島直正や、早稲田大学創設者の大隈重信などの有名人から知られざる?人物まで、七賢人をまとめてご紹介。3月17日(土)から始まる「肥前さが幕末維新博覧会」の予習にどうぞ!
国立公文書館「温泉 〜江戸の湯めぐり〜」レポート

国立公文書館「温泉 〜江戸の湯めぐり〜」レポート

2019年3月9日(土)まで国立公文書館で開催されている企画展「温泉~江戸の湯めぐり~」。日本人は古代より温泉と親しみ利用してきました。戦乱の世を経て江戸時代になり平和が訪れると、大名から一般庶民に至るまで湯治の旅に出かけることができるようになり、温泉に対する関心も高まります。江戸時代の書物・名所図会・紀行文や書状を中心に、温泉と歴史の深いつながりを楽しむことができる企画展を、温泉×歴史ナビゲーターの志真うたがレポートします。
これぞ天下普請の最高峰!西股先生と行く女性限定・江戸城歩きレポート

これぞ天下普請の最高峰!西股先生と行く女性限定・江戸城歩きレポート

さる2月10日、城郭研究家の西股総生先生を講師にお招きし、「女子限定特別企画・江戸城を歩こう!」が開催されました。江戸城の見所やベストフォトスポットなどを押さえたイベントの様子をレポートします。
【ゆかりの品からみる篤姫の生涯】小栗さくらがナビ!江戸東京博物館「春を寿ぐ」展

【ゆかりの品からみる篤姫の生涯】小栗さくらがナビ!江戸東京博物館「春を寿ぐ」展

江戸東京博物館で開催中の「春を寿ぐ―徳川将軍家のみやび―」展。徳川家ゆかりの品々が多数展示されている本展のなかから、徳川家の女として生きた天璋院篤姫ゆかりの品を中心に、その生涯を歴史タレント・小栗さくらさんが紹介します!
【土方歳三没後150年】2019年は新選組ゆかりの地・日野へ!

【土方歳三没後150年】2019年は新選組ゆかりの地・日野へ!

2019年は土方歳三が箱館(函館)でその生涯を閉じてから150年という節目の年。土方のふるさとである東京都日野市では、1年をかけてその没後150年プロモーションが実施されます。気になるその内容とは?
三島弥彦、吉岡信敬…天狗倶楽部のメンバーたち、破天荒だがそこがいい!

三島弥彦、吉岡信敬…天狗倶楽部のメンバーたち、破天荒だがそこがいい!

大河ドラマ「いだてん」が始まり、初回から話題を呼んでいます。なかでもTNGこと「天狗倶楽部」のはじけっぷりに度肝を抜かれた方も多いのではないでしょうか。生田斗真さん演じる三島弥彦を筆頭に、個性強めなメンバーたちは、いったいどんな人物だったのでしょうか。実在するメンバーの紹介と、彼らにゆかりがある場所をご紹介します。
原寸大の牛車登場、源氏物語の世界も再現!「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展レポート

原寸大の牛車登場、源氏物語の世界も再現!「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展レポート

東京国際フォーラムで開催された新春恒例イベント「J-culture fest」。なかでも、2019年1月2日(水)〜15日(火)の期間限定で展示され、歴史ファンから注目を浴びたのが「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」展です。即位式や宮廷行事で着用される正装に関する資料の展示のほか、人形で再現された『源氏物語』の優美な世界など、新春を彩ったイベントの模様をレポートします。
“日本最強”の江戸城を実感しよう!女子限定の城歩きイベント第3弾を開催

“日本最強”の江戸城を実感しよう!女子限定の城歩きイベント第3弾を開催

好評につき、ユカリノ主催・女子限定城歩きイベントの第3弾が決定しました!今回は、誰もが知っている「江戸城」の意外な見どころを探します。城に興味はあるけれど、城の見方や歩き方がよくわからない…という城めぐり初心者の女子の皆様、この機会にぜひご参加ください。
東海の覇者・今川氏が用いた謎多き家紋「二つ引両紋」【家紋のルーツ:第9回】

東海の覇者・今川氏が用いた謎多き家紋「二つ引両紋」【家紋のルーツ:第9回】

家紋がいつ、どのように生まれ、なぜ使われるようになったのか?そんな家紋のルーツを日本家紋研究会会長の髙澤等さんがゆかりの地とともに紹介する連載。2019年は「海道一の弓取り」といわれた今川義元の生誕500年。そこで今回は今川氏の家紋「二つ引両紋」を中心にご紹介します。謎多き二つ引両紋のルーツを、足利氏との関係とあわせて紐解いてみましょう。