刀剣ファンも注目「山鳥毛」購入なるか?越後の龍・上杉謙信ゆかりの地
2017年2月18日 更新

刀剣ファンも注目「山鳥毛」購入なるか?越後の龍・上杉謙信ゆかりの地

「義の武将」として知られる軍神・上杉謙信。従った越後の将兵は、謙信のカリスマ性に惹かれ、謙信の下知で大敵との戦に臨みました。今なお愛され、愛用の太刀「山鳥毛」を約420年ぶりに越後へ取り戻そうという運動も起こっています。そんな越後の龍・謙信ゆかりの地をご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

人生観に影響を与えた林泉寺での幼少時代

戦国時代に「第一義(釈迦が悟った万物の心理)」を掲げ、無用な侵略をしなかった稀有な武将・上杉謙信。領土を追われた信濃国衆のために武田信玄と戦い、関東管領として関東の秩序を取り戻すため北条氏康・氏政と戦い、そして将軍家・足利義昭を追放した織田信長と戦いました。

そんな謙信の生き方のヒントは幼少期にありました。
林泉寺

林泉寺

山門に掲げられた「第一義」の扁額(複製)は謙信の直筆。
謙信は越後守護代・長尾為景の四男(諸説あり)として、享禄3(1530)年に生まれます。嫡子ではない謙信は、僧となる教育を受けるため、春日山城下の林泉(りんせん)寺に預けられました。ここで謙信は生涯の師である天室光育(てんしつこういく)に出会います。

謙信の母・虎御前は信仰心厚かったため、謙信も幼いころから仏への信仰に興味をも持ちました。天室光育の教えも当初は僧になるための教えでした。謙信の特徴である信仰心と女犯戒の思想はこの林泉寺で養われたと言っても過言ではないでしょう。若き日の謙信が、その生涯を貫く道徳心を養った場所は、この林泉寺なのです。

栃尾城で反対勢力を破り一躍有名に

栃尾城跡のふもと秋葉公園に建つ上杉謙信像

栃尾城跡のふもと秋葉公園に建つ上杉謙信像

現在の長岡市栃尾に城跡を残す栃尾(とちお)城。謙信の父・為景が死去すると、越後国内は乱れます。この時、為景の跡を継いだ晴景を助けるため、謙信も還俗して栃尾城を守っていました。天文13(1544)年のこの時、謙信15歳です。若武者謙信を侮った反長尾家の越後国人衆は、栃尾城に攻め寄せます。迎え撃つ謙信は城兵を二手に分け、一隊を敵背後から急襲させ、混乱に陥った敵に向けて本隊を突撃させ破ったと伝えられます。

謙信の武名が越後全土に轟き、やがて長尾家の家督を謙信に継がせようという動きにまでなりました。謙信が世に出るきっかけになった栃尾城は、謙信にあやかって出世を望む人が訪れる縁起の良い土地です。

謙信の息遣いが聞こえてくるような春日山城

 (2124)

兄・晴景に代わって長尾家の家督を継いだ謙信は、春日山城に入って越後を統治することになりました。険峻な山城であった春日山は、眼下に北国街道と直江津の要衝を一望できる地にあります。建物はほとんど残っていませんが、その地に立つと、直江屋敷跡など有力武将の屋敷跡や、謙信が籠り祈願した毘沙門堂など、春日山城に残る謙信の息吹が感じられます。

建物がないだけに想像を膨らませられる春日山城跡は、国指定の史跡となっていて、上越市屈指の観光スポットです。
春日山城で登城者を出迎えてくれる上杉謙信公銅像

春日山城で登城者を出迎えてくれる上杉謙信公銅像

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