【平清盛生誕900年】怨霊!天狗!魑魅魍魎の世界が広がる「平家物語―妖しくも美しき―」展
2018年6月20日 更新

【平清盛生誕900年】怨霊!天狗!魑魅魍魎の世界が広がる「平家物語―妖しくも美しき―」展

平家一門の栄枯盛衰を描いた『平家物語』。平清盛生誕900年を迎えるこの夏、国立公文書館では7月21日~9月1日まで企画展「平家物語―妖しくも美しき―」を開催。天狗・怨霊・物怪など、武士たちの物語の背後にある妖しくも美しい世界とは?一足先にその見どころをご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

祇園精舎の鐘の声…『平家物語』の有名な冒頭部分

『平家物語』秘閣粘葉本(巻一)

『平家物語』秘閣粘葉本(巻一)

via 提供:国立公文書館
『平家物語』といえばやはり「祇園精舎の鐘の声・・・」で始まる書き出しが有名ですね。
画像はその冒頭部分、巻一「祇園精舎」になります。金泥・銀泥の下絵が施された美麗な豪華本で、紅葉山文庫に所蔵されていたことから「秘閣粘葉本(ひかくでっちょうぼん)」とも呼ばれています。
※「秘閣」とは紅葉山文庫の別称。また「粘葉」とは和本の綴じ方のひとつのこと。

『平家物語』には、教科書にも掲載されている有名なエピソードだけでなく、不思議な逸話もたくさん収められています。本展ではそういった武士たちの戦いの背後に暗躍する怨霊・天狗・魑魅魍魎の世界に注目するとのこと。

源頼政といえばあの伝説!『頼政記』

頼政記

頼政記

via 提供:国立公文書館
平家打倒を掲げて挙兵した源三位こと源頼政。歴史ファンからの人気が高い人物のひとりです。

頼政といえば鵺(ぬえ)退治の伝説でも知られています。
物語によれば、頼政は紫宸殿に現れた謎の怪鳥・鵺を弓で射落として退治し、その褒美として近衛天皇から太刀「獅子王(ししおう)」を下賜されたといいます。
『頼政記』は、その頼政に関する記事をまとめた写本で『平家物語』の異本のひとつに数えられています。

「抜丸」誕生のシーンも描かれた『源平盛衰記』

宝永4年版源平盛衰記

宝永4年版源平盛衰記

via 提供:国立公文書館
また、『平家物語』の異本のひとつである『源平盛衰記』も展示されます。
こちらは内務省の旧蔵書で、宝永4年(1707)に横型絵入り本として出版されたものだとか。

画像に写っている挿絵は、清盛の父である平忠盛が、池から現れた大蛇に襲われそうになっている場面です。よく見ると刀が飛んでいますね。昼寝していた忠盛の枕元にあったこの刀が、勝手に鞘から抜けて大蛇に斬りかかったことから「抜丸」と名付けられたエピソードが描かれています。

源平好きはもちろん、刀剣ファンも必見の「平家物語―妖しくも美しき―」展。
夏休みは諸行無常の武士たちのドラマを感じてみませんか?

国立公文書館 平成30年度 第2回企画展「平家物語―妖しくも美しき―」

 (21460)

会期:平成30年7月21日(土)〜9月1日(土)
開館時間:月〜土曜日 午前9時15分~午後5時00分 ※日曜日・祝日は休止
会場:国立公文書館 本館
入場料:無料

※7月25日(水)、8月22日(水)午後2時~ギャラリー・トークも開催。事前申込みは不要です。
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