龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史
2018年9月30日 更新

龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史

NHK大河ドラマ「西郷どん」が、いよいよ大詰めとなる最終章「明治編」へと突入します。先日、そのメインビジュアルが発表されましたが、撮影地に選ばれたのが鹿児島県と宮崎県の県境にそびえる高千穂峰。西郷隆盛と大久保利通を演じる鈴木亮平さんと瑛太さん、そして大勢のスタッフが、わざわざ本格的な登山を行ってまで撮影を行ったこだわりの聖地、高千穂峰とは?

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

高千穂峰は「天孫降臨」の聖地

鹿児島県霧島市から望む高千穂峰

鹿児島県霧島市から望む高千穂峰

via naoko
鹿児島空港のロビーからも、雄大な山並みが見渡せる霧島連山。その一番右にそびえるのが高千穂峰です。高千穂峰は今も昔も、鹿児島県や宮崎県の方々にとっての心の拠り所です。

高千穂峰は、鹿児島県と宮崎県の県境に連なる霧島連山にある標高1,574 mの活火山。寺田屋事件で負傷した坂本龍馬が、妻・お龍と共に“日本初“といわれる新婚旅行をしたことでも知られています。

しかしなぜ坂本龍馬がわざわざ登ったのか、そしてなぜ「西郷どん」スタッフがここでの撮影にこだわったのか、それはここが「天孫降臨」の聖地だから、といえるでしょう。

「天孫降臨」は「古事記」にも記された日本神話

宮崎県都城市と高原町の境界、御池から望む高千穂峰

宮崎県都城市と高原町の境界、御池から望む高千穂峰

via naoko
「天孫降臨」とは、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫にあたる瓊々杵命(ニニギノミコト)が、三種の神器、つまり八咫の鏡(ヤタノカガミ)・八坂瓊曲玉(ヤサカニノマガタマ)・草薙剣(クサナギノツルギ)、そして稲穂を携え、天上界の高天原から、地上の豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)に降り立った、といわれる日本神話です。

高千穂峰の頂上には、少なくても江戸時代にはそこにあったといわれる日本三奇のひとつ、「天之逆鉾」(アマノサカホコ)があり、イザナギとイザナミが日本列島を作る際に使用した鉾とも、瓊々杵命が降臨する際、目印として突き立てたものともいわれています。

西郷さんも龍馬も参拝した「霧島神宮」

霧島神宮

霧島神宮

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高千穂峰は大変古くからの山岳信仰や修験道の聖地でした。そして欽明天皇の御世の西暦540年、僧の慶胤(けいいん)によって、高千穂峰の山頂近くに現在の霧島神宮が創建されます。

霧島連山の大噴火によって社殿を焼失し、天暦年間(950年)、性空上人によって現在の鹿児島県霧島市霧島田口の「高千穂河原」と呼ばれるところに再興奉還されました。

しかしここも文暦年間(1234年)の大噴火によって焼失し、霧島市霧島田口の「待世」に約250年間行宮された後、江戸時代の文明16(1484)年、現在の場所に再興されました。現在のご社殿は正徳5(1715)年に再興されたものです。

「西郷どん」のオープニングにも、鬼の面を付けた男達がいさましく太鼓をたたく「九面太鼓」のシーンが流れますが、この撮影が行われたのも霧島神宮です。「九面太鼓」は高天原から降臨した神々を表しているといわれ、霧島神宮で元日の午前0時と午前2時に奉納されます。
霧島神宮の裏手にある山神社

霧島神宮の裏手にある山神社

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ところで、「西郷どん」のポスター撮影では、西郷隆盛と大久保利通を演じる鈴木亮平さんと瑛太さんが高千穂峰に登りましたが、実際の西郷隆盛と大久保利通は高千穂峰に登ったことがあるのでしょうか? 

残念ながら公式な記録は残されていないとのことでした。でももしかすると地元の人が高千穂峰に登るのは当たり前のことなので記録が残っていない、とも考えられます。

しかし明治の初め頃まで、高千穂峰は誰もが気軽に登れる山、というわけではなく、他国の坂本龍馬が登山できたのも、特別な配慮があってのことだったそうです。
霧島神宮裏手に残る道標

霧島神宮裏手に残る道標

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霧島神宮の裏手、山神社の近くに、明治12年に建てられた高千穂峰登山の道標があります。
「高千穂嶽道」の横にひらがなで「おたけみち」と記されていることから、この頃から一般の人も高千穂峰に登れるようになったのでは、と考えられています。
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