清少納言も徳川将軍も!いつの時代も夏はやっぱりかき氷
2018年8月1日 更新

清少納言も徳川将軍も!いつの時代も夏はやっぱりかき氷

7月25日は「夏氷」という語呂合わせから「かき氷の日」とされています。暑い夏を乗り切るため、涼を求めて食べるかき氷。甘いシロップがかかった冷たい氷を一口食べるだけで涼しさを感じますね。平安時代から食べられていたというその歴史や、当時の食べ方などをご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

平安時代、清少納言も食べていたかき氷

明治時代になるまでは、貴族やお金持ちしか食べられない高級な食べ物だったかき氷。
それよりもっと昔、平安時代にかき氷を食べていた人物として有名なのが、清少納言です。
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「枕草子絵詞」(部分)
清少納言と言えば『枕草子』を書いた人物として知られています。
平安時代の貴族の日常が書かれた『枕草子』には、清少納言を含め当時の人々がどのようなかき氷を食べていたのかが記されています。
「あてなるもの。(中略)削り氷にあまずら入れて、あたらしきかなまりに入れたる。」
via 『枕草子』清少納言
現代語訳すると、「雅で上品。削り氷に甘葛(あまずら)を掛けて、新しい金属のお椀に盛り付ける」という意味です。

甘葛とは平安時代の甘味料の1つで、蔦の樹液を煮詰めたもの。再現が難しく、現代では伝説の甘味料とされています。

氷が大変貴重とされていた平安時代、かき氷を食べられるのは貴族だけ。
あの清少納言も、現代人と同じように氷で涼を感じていたのだと考えると不思議ですね。

江戸時代、貴重な氷は徳川家への献上品に

江戸時代になると、貴重な氷は徳川将軍家への献上品となりました。

富士山や金沢の加賀藩からわざわざ運ばれたそうですが、氷を保存する設備などがない時代のこと。えっちらおっちら天然氷を江戸まで運ぶものの、到着する頃にはほとんど溶けてしまっていたと記録に残っています。

加賀藩では毎年5月末になると、氷室に貯えていた氷を出して人足を交代で走らせ、通常10日ほどかかるところを約5日ほどで江戸の屋敷まで届けたといいます。このことにちなみ、旧暦の6月1日には「氷室饅頭」「氷室餅」というまんじゅうやお餅を食べる風習がいまも残っています。
ちなみに氷の保存がきく雪国では、庶民にもかき氷が売られていたようです。
天保8(1837)年に出版された『北越雪譜』の「六月賣雪図」には、かき氷を売る茶屋が描かれています。
『北越雪譜』(鈴木牧之 著)

『北越雪譜』(鈴木牧之 著)

via 画像:国立国会図書館デジタルコレクション

江戸後期の宇治金時を再現!「茶屋花冠」(千葉県香取市)

千葉県香取市の佐原にある「茶屋花冠」では、江戸時代後期に御禁裏(宮中)で流行していた『宇治金時』を再現しているそうです。
削り氷にキビ砂糖と最高級の抹茶を振りかけ、漉し餡をよそったもので、現在よく食べられる宇治金時とは違い抹茶の味を堪能できるかき氷となっています。

夏編- 水郷佐原で宇治金時

かき氷で涼んだ後は、小江戸佐原で史跡めぐりもおすすめ。近くには佐原ゆかりの人物である伊能忠敬旧宅もあります。
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