最初にカレーを食べた日本人は?日本の国民食・カレーの歴史
2019年1月22日 更新

最初にカレーを食べた日本人は?日本の国民食・カレーの歴史

日本人の国民食ともいえるカレー。そのルーツははっきりしませんが、日本でいつどのように広まり、人気が出たのでしょうか。そして日本で初めてカレーを食べた人物とは?日本におけるカレーのあれこれを調べてみました。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

日本で初めてカレーを紹介したのは福沢諭吉

福沢諭吉

福沢諭吉

via 国立国会図書館デジタルコレクション
カレーが日本に入ってきた正確な時期はわからないようですが、日本で初めて「カレー」を紹介したのは福沢諭吉でした。
日米修好通商条約の批准交換のために使節団として渡米した諭吉は、アメリカで広東語・英語対訳の単語集『華英通語』を手に入れます。帰国後、それに日本語で訳語と読みを付けて出版した『増訂華英通語』(1860年)には、「Curry(コルリ)」という表記があります。

カレーも提供されていた、日本人初の西洋料理店「自由亭」

旧自由亭

旧自由亭

その後、文久3年(1863)には日本人シェフ・草野丈吉によって長崎に日本人初の西洋料理店「自由亭」がオープン。そこでカレーライスも提供されていたようです。
店は繁盛し、建物はその後検事正官舎として使われましたが、昭和49年に長崎グラバー園に移築復元。現在は、建物の2階が喫茶室となっていますよ。(残念ながらカレーはございません。)

日本で初めてカレーを食べたのは誰?

山川健次郎(1854〜1931)

山川健次郎(1854〜1931)

via 国立国会図書館デジタルコレクション
そうなると気になるのは、日本人で初めてカレーを食べたのが誰か、という点ですよね。

記録上、日本人で初めてカレーライスを食べたとされるのが、明治の物理学者・山川健次郎です。
明治4(1871)年、国費留学生としてアメリカへ渡る途中に食べたと書き残しています。

しかし実際には、船酔いと慣れない洋食しかないなか、唯一ご飯を使っていたのがカレーライスだったため、仕方なく注文したのだそう。しかも、ご飯にかかっているカレーはすべて残し、添えてあった杏の砂糖漬けとご飯しか食べなかったのだとか・・・。
明治10年頃でも、日本でカレーの値段は8銭ほど(明治7年頃の巡査の初任給が4円)だというので、なんとももったいない気がしてしまいますね。
日本初のカレーのレシピ「西洋料理指南」

日本初のカレーのレシピ「西洋料理指南」

「西洋料理指南」(明治5年)は、カレーの作り方について書かれた最も古い資料のひとつ。
via 国立国会図書館デジタルコレクション
その後、レシピやカレー粉なども広まり、家庭でも味わえるようになったカレーライス。
1982年1月22日、全国の学校給食のメニューとして「カレー」の提供を呼びかけたことにちなみ、1月22日は『カレーの日』に制定されています。

現在では、レトルトカレーやご当地カレーなど、様々な味わい方がありますが、たまには昔ながらのレシピをもとにつくってみても面白そうですね。


参考文献:『カレーライスの誕生』小菅桂子著
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