【神風は吹いたのか?】蒙古襲来!モンゴル帝国と戦った元寇ゆかりの地
2018年9月19日 更新

【神風は吹いたのか?】蒙古襲来!モンゴル帝国と戦った元寇ゆかりの地

鎌倉時代、モンゴル帝国が日本侵略を図り2度もやって来た「元寇(蒙古襲来)」。学校で習ったとき、神風が吹いて元軍を退けたという話をうっすらと覚えている方も多いかもしれません。近年、漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」でも改めて注目を集めている元寇とは?戦いの舞台・福岡にある防塁跡をめぐり、わかりやすく振り返ってみましょう。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

フビライ・ハーンの野望と、1度目の襲来「文永の役」

フビライ・ハーン

フビライ・ハーン

モンゴル帝国の全盛期を築いたフビライ・ハーン。
鎌倉時代中期、当時中国大陸を支配していたモンゴル帝国(大元ウルス)が日本に襲来しました。

日本を侵略しようと考えた皇帝フビライ・ハーン。元々は、当時対立していた南宋を滅ぼすため、日本と通じようとしていたともいわれています。

フビライ・ハーンは日本に6回も使者を派遣してきています。ところが、日本では幕府と朝廷の意見が異なったため返事をしませんでした。最終的には、日本を征服しようという意図が見え見えだったため、日本側が拒否。

そして文永11(1274)年、モンゴル軍が日本へと押し寄せてきます。これが「文永の役」です。

未曾有の危機に立ち向かった鎌倉幕府第8代執権・北条時宗

対する日本では執権・北条時宗が御家人たちを九州へ派遣し防備を固めました。
満願寺所蔵の伝北条時宗像

満願寺所蔵の伝北条時宗像

弱冠18歳で執権に就任してから、34歳で亡くなるまで、その半生をモンゴル問題に苦慮していた時宗。
2001年の大河ドラマでは主人公にもなりました。
モンゴル軍は、まず対馬や壱岐へと上陸。守護代や多くの住民を殺害したうえ、捕虜としました。その勢いで博多・早良郡にやって来たモンゴル軍に対し、日本軍は少弐景資を総大将として徹底抗戦します。モンゴル軍が持つ手榴弾のような「てつはう」や異なる戦闘スタイルに日本軍は戸惑いますが、援軍によって息を吹き返し、地の利も活かして反撃へと転じました。

モンゴル軍では副将が負傷しており、日本軍の増援を見て撤退を決めます。「神風が吹いた」というのは伝説的なもので、撤退途中で暴風雨には遭ったものの、そこまで劇的な展開があったわけではないようです。未知の大軍を前に日本人が感じた恐怖は相当なものだったと思われます。だからこそ「神風が吹いた」と伝説化されたのでしょうね。

モンゴル軍の陣跡・祖原元寇古戦場跡(福岡市早良区)

激闘の舞台となった祖原元寇古戦場跡には石碑が建てられている

激闘の舞台となった祖原元寇古戦場跡には石碑が建てられている

via 提供:福岡市
モンゴル軍の本隊が陣を布いたと言われる祖原。標高33mの小高い場所で、竹崎季長らが追撃し、主戦場となった場所のひとつです。
激闘となった鳥飼潟の戦いは、鎌倉武士たちの奮戦により見事モンゴル軍を撤退させました。

日本の堅い守りがモノを言った、2度目の襲来「弘安の役」

しかし弘安4(1281)年、モンゴル軍は15万ともいわれる大軍で2度目の日本侵攻を行います。

日本側は北条時宗の命によって、博多湾沿岸に防塁を築いていました。このため、モンゴル軍は博多にほぼ上陸できず、志賀島へと矛先を変えます。しかしこちらでも御家人の奮闘により後退していき、その中で台風に襲われて大ダメージを受けました。被害を受けていない隊にも厭戦ムードが漂い、モンゴル軍は撤退。2度の元寇は退けられたのでした。

モンゴル軍の上陸を阻んだ、今津の元寇防塁(福岡市西区)

今津の元寇防塁(福岡市西区)

今津の元寇防塁(福岡市西区)

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