【大阪の大恩人】大阪を建て直した五代友厚の功績とゆかりの地
2018年12月26日 更新

【大阪の大恩人】大阪を建て直した五代友厚の功績とゆかりの地

NHKの朝ドラ「あさが来た」でディーン・フジオカさんが演じ、一躍人気が出た五代友厚。西郷隆盛や大久保利通より少し下の世代ですが、薩摩藩士だった五代は、彼らや他の志士たちとも交流がありました。薩摩を離れ、大阪経済の建て直しと近代化に人生を捧げた彼の生涯とゆかりの地をご紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

藩主・島津斉彬から与えられた通称は「才助」

天保6(1836)年に薩摩に生まれた五代友厚。同じく薩摩藩の西郷より8歳下となります。少年時代から利発な子供で、時の藩主・島津斉彬から「才助」の通称を与えられたといいます。そして後に、西郷や大久保と並び「薩摩の三才」と称せられるようになるのです。
五代友厚 ごだい ともあつ (1836〜1885)

五代友厚 ごだい ともあつ (1836〜1885)

「14歳の時、父に見せられた一枚の世界地図が、世界に目を向けるきっかけとなった」
via 国立国会図書館デジタルコレクション
長崎海軍伝習所で航海術を学び外国文化に触れた友厚は、薩英戦争で捕虜となった経験などから近代化の必要性を痛感。藩に上奏文を提出するなど、改革を求めていくようになりました。

慶応元(1865)年には、薩摩藩遣英使節団としてヨーロッパ各地をまわります。帰国後は藩の会計を担当するようになり、グラバーや小松清廉(帯刀)らと共同出資してつくられたのが、長崎の小菅修船場です。日本初の西洋式のドックで、当時の外観から「ソロバンドック」と呼ばれました。
これが、後の三菱重工業長崎造船所の基となります。

小菅修船場跡(長崎県長崎市)

「蒸気機関で船を曳き揚げる装置が整備されていた。レンガ...

「蒸気機関で船を曳き揚げる装置が整備されていた。レンガ造りの曳き揚げ小屋も貴重な建造物」

大久保利通など志士たちとの交流、大阪経済界への貢献

親しかった大久保利通

親しかった大久保利通

via 国立国会図書館デジタルコレクション
大河ドラマ「西郷どん」には登場しなかった友厚ですが、ともに薩摩藩士であり斉彬の恩恵を受けた身ですから、西郷とも交流はあったとみられます。
大久保利通とは懇意であり、西郷が去った後の政府で大久保が孤立しかけ、木戸孝允や板垣退助を呼び戻すために開かれた大阪会議では、友厚が影で調停役を務めました。大久保や木戸は友厚の屋敷を訪れ、共に囲碁を打ったそうです。
政府を早くに去った友厚は、大阪で経済界の発展に努めます。大阪通商会社や大阪貿易会社、大阪活版所、造幣寮を創設し、明治11(1878)年には大阪商法会議所(現・大阪商工会議所)の初代会頭となりました。

大阪商工会議所(大阪府大阪市)

現在の大阪商工会議所には、友厚と土居通夫・稲畑勝太郎の銅像が並んで建てられています。近くにある大阪企業家ミュージアムには、友厚ら大阪の近代化に貢献した実業家にまつわる展示もありますよ。
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