秋田美人のルーツを築いた!?「鬼義重」と呼ばれた猛将・佐竹義重ゆかりの地
2018年2月16日 更新

秋田美人のルーツを築いた!?「鬼義重」と呼ばれた猛将・佐竹義重ゆかりの地

戦国時代、多くの武将が割拠した関東地方で、常陸国(茨城県)の戦国大名・佐竹義重の存在感はずば抜けたものでした。しかし、「鬼義重」または「坂東太郎」の異名を誇った彼の生涯は、実は常陸で終焉を迎えたわけではなかったのです。秋田美人のルーツを築いたといわれる彼の生涯とゆかりの地をご紹介したいと思います。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

常陸国の戦国武将・佐竹義重

佐竹義重所用 黒塗紺糸威具足

佐竹義重所用 黒塗紺糸威具足

秋田市立佐竹史料館蔵

佐竹義重所用の甲冑。真っ先に目が行く兜の立物は、毛虫を象ったもの。後退することがない毛虫は、武士たちにとって縁起のよい虫でした。左右には鳥毛の脇立も付いた、インパクト大な甲冑です。
via 写真提供:秋田市立佐竹史料館
天文16年(1547)2月16日に誕生した佐竹義重は、16歳で家督を継ぎますが、父の急死により苦境に立たされます。そして常陸統一のため、彼は周辺勢力との熾烈な争いに身を投じることとなりました。
戦場では猛将として知られ、7人の敵を相手にしても一瞬で斬り伏せたという逸話から、「鬼義重」や「坂東太郎」という異名が付いたのです。
また、愛刀・八文字長義で敵に斬りつけると、相手は兜ごと真っ二つになり「八文字」のようになって倒れたという逸話もあるほどです。
北条氏政

北条氏政

佐竹氏の敵のひとり。北条氏康の後を継いで北条氏の勢力拡大に務めます。
当時は、南に北条氏、北には蘆名氏という強敵がおり、武力ではとても太刀打ちできない状況でもありました。そのため、義重は力に頼るだけではなく、自分の子供を養子や妻として送り込み、外交を巧みに駆使して佐竹氏の立場を固めていったのです。

伊達・北条とわたり合う

伊達政宗

伊達政宗

伊達政宗も義重には手こずった!?
蘆名氏が弱体化すると、その北に勢力を張っていた伊達政宗が南下し、義重を脅かすようになりました。そこで義重は蘆名氏らと連合軍を組み、人取橋の戦いで政宗を敗走させたのです。

ただ、南には依然として北条氏がおり、その脅威から常陸を守るため、義重は同時に2つの勢力と対峙することになったのでした。これは彼にとっては最大の危機でもありましたが、この時モノを言ったのが、早くから誼を通じていた豊臣秀吉とのパイプだったのです。

秀吉を味方につけ、常陸国統一へ

豊臣秀吉

豊臣秀吉

北条と険悪だった上杉や佐竹と、早くから手を組んでいた秀吉。
秀吉の北条征伐が始まると、義重は息子・義宣と共に早くから小田原に参陣して領土を保証してもらい、直後には秀吉の力をバックに、ついに常陸統一を成し遂げたのでした。

常陸国での居城・太田城(茨城県常陸太田市)

舞鶴城址の碑

舞鶴城址の碑

「関東七名城」のひとつでもある太田城は別名「舞鶴城」とも呼ばれていました。
佐竹氏3代・隆義が入城時に鶴が上空を飛んでいたことから「舞鶴城」とも呼ばれる太田城は、約470年間佐竹氏の居城となりました。
本丸跡は小学校となっていますが、敷地内に「舞鶴城址」の石碑があります。近くの若宮八幡宮にも「太田故城碑」があり、義重時代を偲ばせます。

佐竹氏発祥の地・佐竹寺(茨城県常陸太田市)

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