日本初の新婚旅行は小松帯刀夫妻だった?薩摩藩の若き家老の生涯
2018年6月10日 更新

日本初の新婚旅行は小松帯刀夫妻だった?薩摩藩の若き家老の生涯

薩摩藩の家老として、西郷隆盛や大久保利通らとともに倒幕を推し進めながらも若くして亡くなった小松帯刀。日本初の新婚旅行を行ったのは坂本龍馬夫妻ではなく、小松帯刀夫妻だったともいわれています。『西郷どん』では劇団EXILEの町田啓太さんが演じることでも話題の帯刀の生涯とゆかりの地を紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

若くして才能を発揮した小松帯刀

小松帯刀

小松帯刀

大河ドラマ『篤姫』では瑛太さんが演じて好評だった帯刀。『西郷どん』ではどんな帯刀になるのでしょうか?
小松帯刀は天保6年(1835)、薩摩国喜入の領主・肝付兼善の三男として生まれます。
22歳で小松家の養子に入り「清廉」と名乗りましたが、一般には「帯刀」の呼び名が有名です。

門閥出身のエリートだった帯刀は藩主・島津斉彬の小姓に、斉彬の死後は国父として藩政の実権を握った島津久光の側近として活躍。
その才能を買われ28歳の若さで家老職に就くと、藩政改革を推進していきました。

このように藩内では高い身分にいた帯刀ですが、厳しい身分制度が存在した薩摩藩では珍しい、柔軟な思想の持ち主だったといいます。
家老になると、有能な下級武士を次々と要職に抜擢。西郷隆盛や大久保利通が大きく活躍できたのも、帯刀の後ろ盾があってこそだと考えられています。

日本初の新婚旅行は小松帯刀夫妻だった?

かつての栄之尾温泉は霧島いわさきホテルの露店風呂「緑渓...

かつての栄之尾温泉は霧島いわさきホテルの露店風呂「緑渓湯苑」として営業中でしたが、昨年11月に休館になりました。

また日本初の新婚旅行を行ったのは、坂本龍馬と妻のお龍というのが定説になっていますが、近年、帯刀と妻の近(ちか・千賀とも)が第一号だったという説も唱えられています。

根拠となっているのは『小松帯刀日記』(鹿児島県史料集)。
この日記によると安政3年(1856)4月、新婚だった帯刀夫婦は義父である小松清穆の湯治を兼ねて、栄之尾温泉を訪れたといいます。

龍馬夫妻が塩浸温泉(霧島市牧園町宿窪田)を訪れたのは慶応2年(1866)だったことから、その10年以上前に、帯刀夫妻はハネムーンを満喫していたというわけです。
栄之尾温泉は霧島いわさきホテルの露天風呂「緑渓湯苑」として営業中でしたが、昨年11月に休館となってしまいました。

島津の殿様湯として本陣が築かれた場所で、島津斉彬も訪れたとか。坂本龍馬も湯治に来ていた帯刀の見舞いに訪ねたことがあるそうです。
さらに、大河ドラマ『龍馬伝』の龍馬夫妻の新婚旅行のシーンはこちらで撮影されました。
なんとか温泉だけでも入れるようになるといいですね・・・!

薩長同盟の影の立役者

御花畑御屋敷跡(京都府京都市)

御花畑御屋敷跡(京都府京都市)

最近の発見により、薩長同盟が行われた京都の小松邸「御花畑御屋敷跡」の場所がほぼ明らかになりました。
幕末史において西郷や大久保の活躍がクローズアップされがちですが、帯刀の活躍は見逃せません。
常に藩の代表者として幕府や他藩との交渉役を担当した帯刀は、慶応2年(1866)の薩長同盟を成功に導いた陰の立役者です。
さらに翌年10月に15代将軍・徳川慶喜に大政奉還を進言し、明治新政府の樹立に多大な功績を残しました。
新政府においても参与、総裁局顧問など重要ポストを任されますが、もともと病弱だったため、明治3年(1870)7月20日、35歳の若さで病死してしまいます。

小松家菩提寺跡にある帯刀の墓(鹿児島市日置市)

 (20940)

園林寺跡にある小松帯刀の墓。
大阪薩摩掘で逝去した帯刀の遺骨は、その後鹿児島県日置市吉利にあった小松家の菩提寺、園林寺に移されました。

園林寺は明治の廃仏毀釈でそのほとんどが失われており、当時の面影を見ることはできませんが、小松家の歴代墓所は今も大切に祀られています。

帯刀の墓は妻の近と並んで、吉利集落を見下ろす位置に置かれています。
その横には昭和天皇より賜った石灯篭、近くには側室・琴の墓なども見ることができます。
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