与力・中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】第6回:ペリー来航の地・浦賀
2018年1月19日 更新

与力・中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】第6回:ペリー来航の地・浦賀

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する「小栗さくらがゆく!幕末維新のみち」。第6回は浦賀。中島三郎助は浦賀奉行所の与力(役人)として、ペリーの来航時に黒船に乗り込み、折衝にあたった人物です。他にも、咸臨丸に乗ってアメリカに向かった勝海舟や、佐久間象山、吉田松陰など、幕末維新期に活躍した偉人のゆかりの地が残る、浦賀をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

ペリー来航の地・浦賀

ペリー来航時の「黒船」

ペリー来航時の「黒船」

4隻のひとつ・サラトガ号。
浦賀といってまず浮かんでくるのは、嘉永6年(1853)のペリー来航ですよね。この時江戸は大混乱、浦賀は見物客で溢れたとか。
この浦賀には勝海舟や吉田松陰、佐久間象山、桂小五郎(木戸孝允)など、幕末維新期の著名人が何度も訪れています。

今の浦賀は駅を降りてすぐに海が見える、のどかな町。ぜひゆったりと歩いて楽しんでいただきたい場所です。
地元の子供達が描いた黒船来航の絵

地元の子供達が描いた黒船来航の絵

駅前には、歴史上の出来事が描かれた絵が壁沿いに並んでいます。
via 提供:小栗さくら

浦賀といえば、中島三郎助

中島三郎助

中島三郎助

文政4年(1821)に浦賀奉行所の与力・中島清司の次男として生まれ、14歳で奉行所に出仕。ペリーら外国船の来航を機に、日本でも大型軍艦を持つ必要性を説き、日本人の手による最初の洋式帆船「鳳凰丸」を誕生させます。
浦賀の幕末を語るには絶対に外せない人物、それが中島三郎助(なかじま・さぶろうすけ)です!

彼は浦賀奉行所のいち与力でありながらも、ペリー来航時には応接掛としてアメリカ船に乗り込みます。また、海軍操練所教授方として指導したり、咸臨丸の修理を行ったりしたほか、浦賀の民政や治安などにも尽力した人物でした。浦賀には三郎助ゆかりのものや場所が多く残ります。

新選組好きの人であれば、三郎助が天然理心流の剣術目録を取得していることや、2人の息子とともに箱館戦争で散ったこと、榎本武揚と親しかったことなどもよくご存知かと思います。一方で、桂小五郎とも親しかったんですよ。
中島三郎助まつり

中島三郎助まつり

「中島三郎助まつり」が行われるほど、浦賀の町で愛されている三郎助。今年は1月20日(土)と21日(日)に開催。浦賀奉行所や中島三郎助に関するパネル展示に、黒船シチューなどの飲食・物販コーナーもあります。
via 提供:小栗さくら
第24回中島三郎助まつり
開催期間:2018年1月20日(土)〜21日(日)
開催場所:浦賀コミュニティセンター

勝海舟が断食した?東叶神社

浦賀は駅を起点に、東浦賀ルートと西浦賀ルートがありますが、今回は東浦賀から紹介していきます。

まずは勝海舟が断食をしたと伝わる、東叶神社!
東叶神社

東叶神社

浦賀の東西にある叶神社。
西叶神社の勾玉を東叶神社の守り袋に納めて身につけると、さまざまな良縁に恵まれるとか…?
via 提供:小栗さくら
江戸幕府は日米修好通商条約の批准書を交換するため、遣米使節を送ります。万延元年(1860)1月19日に浦賀を出港し、2月26日にサンフランシスコに入港しました。この時、幕府使節の中枢部はアメリカのポーハタン号に乗船していましたが、その護衛艦「咸臨丸(かんりんまる)」に乗っていたのが艦長・勝海舟でした。
咸臨丸と伝わる写真

咸臨丸と伝わる写真

咸臨丸は、幕府がオランダに発注、建造した軍艦で、日本人の操縦で初めて、太平洋の横断を果たします。
海舟といえば何事にも動じないイメージがありますが、何しろこの時「咸臨丸」は幕府船として初めて太平洋を横断するのですから、さすがの海舟にも不安はあったようです。
そこで海舟は、祈願のため、東叶神社で水垢離(みずごり)をして断食をしたと伝わっています。
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小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

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