ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第6回】
2018年7月27日 更新

ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第6回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する「小栗さくらがゆく!幕末維新のみち」。第6回は浦賀。中島三郎助は浦賀奉行所の与力(役人)として、ペリーの来航時に黒船に乗り込み、折衝にあたった人物です。他にも、咸臨丸に乗ってアメリカに向かった勝海舟や、佐久間象山、吉田松陰など、幕末維新期に活躍した偉人のゆかりの地が残る、浦賀をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

ペリー来航の地・浦賀

ペリー来航時の「黒船」

ペリー来航時の「黒船」

4隻のひとつ・サラトガ号。
浦賀といってまず浮かんでくるのは、嘉永6年(1853)のペリー来航ですよね。この時江戸は大混乱、浦賀は見物客で溢れたとか。
この浦賀には勝海舟や吉田松陰、佐久間象山、桂小五郎(木戸孝允)など、幕末維新期の著名人が何度も訪れています。

今の浦賀は駅を降りてすぐに海が見える、のどかな町。ぜひゆったりと歩いて楽しんでいただきたい場所です。
地元の子供達が描いた黒船来航の絵

地元の子供達が描いた黒船来航の絵

駅前には、歴史上の出来事が描かれた絵が壁沿いに並んでいます。
via 提供:小栗さくら

浦賀といえば、中島三郎助

中島三郎助

中島三郎助

文政4年(1821)に浦賀奉行所の与力・中島清司の次男として生まれ、14歳で奉行所に出仕。ペリーら外国船の来航を機に、日本でも大型軍艦を持つ必要性を説き、日本人の手による最初の洋式帆船「鳳凰丸」を誕生させます。
浦賀の幕末を語るには絶対に外せない人物、それが中島三郎助(なかじま・さぶろうすけ)です!

彼は浦賀奉行所のいち与力でありながらも、ペリー来航時には応接掛としてアメリカ船に乗り込みます。また、海軍操練所教授方として指導したり、咸臨丸の修理を行ったりしたほか、浦賀の民政や治安などにも尽力した人物でした。浦賀には三郎助ゆかりのものや場所が多く残ります。

新選組好きの人であれば、三郎助が天然理心流の剣術目録を取得していることや、2人の息子とともに箱館戦争で散ったこと、榎本武揚と親しかったことなどもよくご存知かと思います。一方で、桂小五郎とも親しかったんですよ。
中島三郎助まつり

中島三郎助まつり

「中島三郎助まつり」が行われるほど、浦賀の町で愛されている三郎助。今年は1月20日(土)と21日(日)に開催。浦賀奉行所や中島三郎助に関するパネル展示に、黒船シチューなどの飲食・物販コーナーもあります。
via 提供:小栗さくら
第24回中島三郎助まつり
開催期間:2018年1月20日(土)〜21日(日)
開催場所:浦賀コミュニティセンター

勝海舟が断食した?東叶神社

浦賀は駅を起点に、東浦賀ルートと西浦賀ルートがありますが、今回は東浦賀から紹介していきます。

まずは勝海舟が断食をしたと伝わる、東叶神社!
東叶神社

東叶神社

浦賀の東西にある叶神社。
西叶神社の勾玉を東叶神社の守り袋に納めて身につけると、さまざまな良縁に恵まれるとか…?
via 提供:小栗さくら
江戸幕府は日米修好通商条約の批准書を交換するため、遣米使節を送ります。万延元年(1860)1月19日に浦賀を出港し、2月26日にサンフランシスコに入港しました。この時、幕府使節の中枢部はアメリカのポーハタン号に乗船していましたが、その護衛艦「咸臨丸(かんりんまる)」に乗っていたのが艦長・勝海舟でした。
咸臨丸と伝わる写真

咸臨丸と伝わる写真

咸臨丸は、幕府がオランダに発注、建造した軍艦で、日本人の操縦で初めて、太平洋の横断を果たします。
海舟といえば何事にも動じないイメージがありますが、何しろこの時「咸臨丸」は幕府船として初めて太平洋を横断するのですから、さすがの海舟にも不安はあったようです。
そこで海舟は、祈願のため、東叶神社で水垢離(みずごり)をして断食をしたと伝わっています。
54 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

全国から参加可能!古地図を見ながら幕末の江戸をバーチャルウオーキングしよう

全国から参加可能!古地図を見ながら幕末の江戸をバーチャルウオーキングしよう

近年、歴史ファンのみならず注目されている古地図散歩。関連アプリもたくさん出ており、スマホ片手に気軽に街歩きが楽しめると人気です。気づくと一日中歩いてしまう…そんな方におすすめしたいのが、タニタの「からだカルテ」を使ったバーチャルウオーキング。幕末の江戸、そして今の東京を比較しながら、楽しく健康に古地図散歩をしてみませんか?【PR】
藩主自ら脱藩!?「最後の大名」林忠崇の戊辰戦争【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第18回】

藩主自ら脱藩!?「最後の大名」林忠崇の戊辰戦争【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第18回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第18回は、昭和まで生きた最後の大名・林忠崇ゆかりの地。請西藩の第3代藩主でありながら、大名自らが脱藩してしまうという異色の経歴を持つ稀有な人物でもあります。あまり知られていない人物ではありますが、彼の戊辰戦争の軌跡を辿れば、きっと興味がわくはずですよ。
リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

江戸東京博物館、高知県立坂本龍馬記念館、仙台市博物館と、長らく休館していた人気の博物館がついにリニューアルオープン!さらに国立博物館での大型展や、専門美術館の個性的な企画展など、歴史好きには嬉しいニュースがもりだくさんのこの春。週末やGWに向け、お出かけの計画にぜひお役立てください。
【始まりからサンタまで】日本初のクリスマスゆかりの地

【始まりからサンタまで】日本初のクリスマスゆかりの地

日本におけるクリスマスの歴史は古く、天文21年(1552)、現在の山口市にあった教会で降誕祭のミサが行われたことが始まりとされます。その後、鎖国によって消えてしまいますが、明治期の禁教令の廃止と共に復活。やがて日本の冬を彩る一大イベントとして定着しました。今回は始まりから、日本初のサンタにケーキ、イルミネーションまで、初づくしのクリスマスとゆかりの地をご紹介します。
徳川家康から慶喜まで…江戸時代の始まりと終わりを見届けた京都の城・二条城【月刊 日本の城】

徳川家康から慶喜まで…江戸時代の始まりと終わりを見届けた京都の城・二条城【月刊 日本の城】

webサイト「日本の城写真集」の管理人・けいすけが、日本の名城の見どころ、撮りどころを徹底的に紹介する連載「月刊 日本の城」。第14回は江戸幕府の京都の拠点・二条城です。現在の二条城は関ヶ原合戦に勝利した徳川家康が慶長8(1603)年に築いたのが始まり。江戸幕府の始まりと終わりを見届けた二条城のおすすめポイントを写真を中心に紹介します。
兄・容保と最後まで幕府に尽くした、桑名藩主・松平定敬【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第23回】

兄・容保と最後まで幕府に尽くした、桑名藩主・松平定敬【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第23回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第23回は、桑名藩主・松平定敬ゆかりの地を紹介します。高須四兄弟の末弟だった定敬は、京都所司代として兄である会津藩主・松平容保とともに幕府に尽くします。しかし戊辰戦争が始まると徐々に追い詰められ…。時流に翻弄された定敬の波乱万丈な生涯を、ゆかりの地とともにご紹介します。
没後150年の渋沢平九郎、主家の難に殉じ戊辰戦争に散る

没後150年の渋沢平九郎、主家の難に殉じ戊辰戦争に散る

テレビやネットでも度々話題にのぼる「幕末イケメン」、渋沢平九郎をご存知ですか。彼は「日本資本主義の父」と知られる渋沢栄一の養子にあたります。この渋沢平九郎の特別展「渋沢平九郎―幕末維新、二十歳の決断―」が、東京王子の飛鳥山公園にある渋沢史料館で開催されています。見た目がイケメンというだけでなく、その生き様はまさにラスト・サムライ。その渋沢平九郎の生涯をご紹介します。
「“八重の桜”は宝物」綾瀬はるかさんの会津愛に感動『戊辰150周年記念式典&会津まつり』レポート

「“八重の桜”は宝物」綾瀬はるかさんの会津愛に感動『戊辰150周年記念式典&会津まつり』レポート

2018年9月22日(土)~24日(月)に福島県会津若松市で開催された「戊辰150周年記念会津まつり」。メインイベントとなる23日の藩公行列には、NHK大河ドラマ「八重の桜」で主役・山本八重を演じた綾瀬はるかさんと、その子供時代を演じた鈴木梨央さんが登場。おふたりは前日に行われた「戊辰150周年記念式典」のトークショーにも参加。祭りの模様と共に、式典での貴重なお話しをレポートします。
龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史

龍馬も登った!「西郷どん」最終章メインビジュアルの撮影地・高千穂峰と霧島神宮の歴史

NHK大河ドラマ「西郷どん」が、いよいよ大詰めとなる最終章「明治編」へと突入します。先日、そのメインビジュアルが発表されましたが、撮影地に選ばれたのが鹿児島県と宮崎県の県境にそびえる高千穂峰。西郷隆盛と大久保利通を演じる鈴木亮平さんと瑛太さん、そして大勢のスタッフが、わざわざ本格的な登山を行ってまで撮影を行ったこだわりの聖地、高千穂峰とは?
【今年も開催!しながわ宿場まつり】当代随一の宿場町・東海道「品川宿」の歴史とは?

【今年も開催!しながわ宿場まつり】当代随一の宿場町・東海道「品川宿」の歴史とは?

江戸時代、東海道53次最初の宿場町として栄えた品川宿。その伝統と文化を未来に伝え、地域の発展をめざして開催されるのが「しながわ宿場まつり」です。このエリアは正真正銘の旧東海道の品川宿。「北の吉原 南の品川」といわれ、大名行列や維新志士も通った東海道品川宿の歴史をご紹介します。