第6回:ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】
2018年3月30日 更新

第6回:ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する「小栗さくらがゆく!幕末維新のみち」。第6回は浦賀。中島三郎助は浦賀奉行所の与力(役人)として、ペリーの来航時に黒船に乗り込み、折衝にあたった人物です。他にも、咸臨丸に乗ってアメリカに向かった勝海舟や、佐久間象山、吉田松陰など、幕末維新期に活躍した偉人のゆかりの地が残る、浦賀をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

海舟が水垢離をしたと伝わる井戸

海舟が水垢離をしたと伝わる井戸

社務所の脇の道に弁財天があり、その右奥に井戸がありますよ。
井戸の水には、弁財天の手水舎で触れることができます。
via 提供:小栗さくら
頂上までの階段

頂上までの階段

頂上までは200段以上の階段を登ります!
ちょっと息が切れますが、この階段も縁を結ぶ階段だそうですので、いいことがあると思って登りましょう。
この明神山は、かつて浦賀城があった場所でもあります。
via 提供:小栗さくら
勝海舟断食の場

勝海舟断食の場

頂上、奥宮の左手に勝海舟断食の碑が建っています。
海舟は水垢離をしたあとに山上で断食したと伝わっています…が、「忙しい海舟にそんな時間はあったのか…?」という疑問もあるのだとか。
いずれにしても、航海の無事を祈願したのでしょうね。
via 提供:小栗さくら

佐久間象山と吉田松陰ゆかりの徳田屋

浦賀の渡し

浦賀の渡し

こちらも東西にあります。
via 提供:小栗さくら
浦賀の渡しからすぐの場所に、「徳田屋跡」があります。

浦賀は江戸湾警備の重要地点だったため、江戸後期には宿場ではないながらも旅籠の運営が許されました。そのうちの1軒が「徳田屋」です。
徳田屋跡

徳田屋跡

関東大震災まではその姿を留めていたという徳田屋。現在は碑が建っています。
via 提供:小栗さくら
黒船を見るために吉田松陰が泊まった徳田屋。ここで松陰は、師である佐久間象山とも会っています。2人は徳田屋の主人から情報を仕入れて、それをもとにペリー来航に対する策を協議したそうですよ。

また、桂小五郎が中島三郎助に造船技術を学びに来たときにもここに泊まっています。
当時徳田屋での飲食は庶民の憧れだったそうですから、彼らも徳田屋の食を楽しんだのかもしれませんね。

三郎助親子の墓所・東林寺

冒頭で紹介した中島三郎助は、11歳にして宝蔵院高田流槍術の目録を取得し、その後も天然理心流剣術目録、田付流砲術目録、北辰一刀流剣術目録、荻野流砲術免許皆伝を獲得。そのうえ、漢詩や和歌にも長けるという、文武両道のすごい経歴の持ち主なんです。
東林寺

東林寺

稲荷神社の向こうに見える階段を登っていきます。
via 提供:小栗さくら
ペリー来航前にも、異国船への砲撃や交渉で、幕府から褒美を与えられたほどの三郎助。そのせいか、ペリーが来た時も彼は肝が座っていました。

ペリーは相応の地位の者でないと対応しないとしましたが、三郎助は「自分は副奉行である」と偽って相手の要求を聞き出したのです。
その後、国書受理が久里浜で行われた際、アメリカ艦に招待された三郎助は、艦内をくまなく見て回り「密偵のようだ」と書かれてしまうほど、海外技術を研究していたようです。

こうした積み重ねが、日本最初の洋式帆船「鳳凰丸」の建造に貢献することになります。
中島三郎助の墓

中島三郎助の墓

長男恒太郎、次男英次郎とともに眠っています。
via 提供:小栗さくら
それにしても、国際情勢も見えていたリアリストの三郎助が、なぜ旧幕府軍として戦ったのでしょうか。

彼は出陣する際「将軍が辞職したことに乗じて、朝廷側の奸悪が冤罪を負わせた」ため、「主家報恩の為に出陣する」としています。
そして箱館戦争で被弾しても「この地は我が埋骨の地と定めている」といって戦い続けた三郎助は、明治2年(1869)5月16日に息子2人と共に壮絶な戦死を遂げます。病がちだった人間とは思えない戦い方です。

そんな三郎助は戊辰戦争中に妻に宛てて、「万一討死したら、浦賀の寺に墓を建てて、戦死した場所も刻んでほしい」といった手紙を、絵まで描いて送っています。
死地を定めた三郎助でしたが、魂が帰ってくる場所は浦賀だったんですね。

三郎助のために建造された浦賀ドック

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小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

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