第6回:ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】
2018年3月30日 更新

第6回:ペリー来航の地・浦賀で中島三郎助と偉人の軌跡をたどる【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する「小栗さくらがゆく!幕末維新のみち」。第6回は浦賀。中島三郎助は浦賀奉行所の与力(役人)として、ペリーの来航時に黒船に乗り込み、折衝にあたった人物です。他にも、咸臨丸に乗ってアメリカに向かった勝海舟や、佐久間象山、吉田松陰など、幕末維新期に活躍した偉人のゆかりの地が残る、浦賀をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

駅前に戻り、今度は西浦賀ルートを巡ります。
まず、通称・浦賀ドックと呼ばれる住友重機械工業株式会社へ。
浦賀造船所説明板

浦賀造船所説明板

もとは浦賀船渠株式会社という名前だった浦賀ドック。ドックというのは船の建造や修理などを行う場所のことです。
via 提供:小栗さくら
実はこの浦賀ドックの建設も、中島三郎助あってこそのものでした。

明治24年(1891)、三郎助23回忌の時。
箱館戦争で三郎助と共に戦った同志・荒井郁之助(箱館戦争当時、海軍奉行)が、日本の造船に貢献した三郎助のために造船所を建設したらどうか、と提案します。すると同じく共に戦った榎本武揚はすぐさま賛同し、地元の協力をあおいで、5年後に浦賀船渠株式会社が創設されたのです。

死して20数年の時が過ぎても、三郎助のためにかつての同志たちが集まって、一大事業を作ろうと提案する…三郎助がいかに慕われていたかを感じますよね。
愛宕山から見る浦賀ドック方面

愛宕山から見る浦賀ドック方面

現在は一企業となっていますので普段は入れませんが、おまつりなどの特別なときはレンガドックを見学できるようです。よく確認してから行ってみてくださいね。
via 提供:小栗さくら

咸臨丸と三郎助ゆかりの愛宕山

浦賀の史跡を巡るには、坂と階段は避けられないのですが、こちらもやはり階段です!
愛宕山公園入り口

愛宕山公園入り口

頂上までは、200段以上!
浦賀は暖かいので、冬でも汗をかいてしまいます。
でも静かでとてもいいところですよ。
via 提供:小栗さくら
当時愛宕山は、浦賀の大黒屋・臼井儀兵衛の持ち山でした。それがなぜ三郎助を顕彰する公園になったかというと…。

ある時三郎助は、水戸藩の船の建造に大きく貢献し、水戸藩から褒美を受け取るように言われました。しかし三郎助は欲がないので受け取ろうとしません。水戸藩側も世話になったのに何もしないわけにはいかず、何度も褒美をとらせようとしますが、三郎助は「それならば私ではなく、浦賀の町に何かいただけますか」と要望します。

その恩恵で、大黒屋は御三家である水戸藩の「塩の御用」をすべて任せられたのです。そのため大黒屋は三郎助に大きな恩があったのでした。
中島三郎助招魂碑

中島三郎助招魂碑

浦賀園の頂上に建っています。
via 提供:小栗さくら
そこで彼は明治になって自分の持ち山を整備し、浦賀園という公園にして、ようやく名誉回復された中島三郎助を、榎本武揚らと共に顕彰したのです。

それが三郎助23回忌の時のこと。この時に荒井郁之助が浦賀ドックの話を提案し、5年後に完成するというわけです。
三郎助は榎本ら戦友だけでなく、町の人々からも慕われていたのですね。
提供:小栗さくら (13286)

中腹には、招魂碑の由来が書かれた碑もあります。発起人である大黒屋・臼井儀兵衛の名が一番はじめに記されていますよ。
via 提供:小栗さくら
「咸臨丸出航の碑」の裏側には、軍艦奉行・木村喜毅、教授方頭取・勝海舟のほか、中浜万次郎、福沢諭吉ら乗船者の名前が記されています。

万延遣米使節に出航する咸臨丸をメンテナンスしたのは、ほかでもない三郎助でした。咸臨丸といえば勝海舟が連想されますが、太平洋横断という偉業の影には、いろいろな人物の尽力があったのですね。
咸臨丸出航の碑

咸臨丸出航の碑

昭和35年(1960)、日米修好通商条約100周年記念に建てられました。
via 提供:小栗さくら

浦賀について知るならここ!浦賀文化センター

浦賀奉行所や中島三郎助について知ってから巡りたい、という方は浦賀文化センター2階にある郷土資料館へ。
三郎助が建造を主導した日本初の洋式帆船「鳳凰丸」や、浦賀から出航した「咸臨丸」の模型のほか、三郎助の手紙の複製なども展示されています。妻・すずへの手紙を読んだ後にお墓参りをすると、涙が止まらなくなると思います…。
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小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

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