朝ドラ『まんぷく』のモデル!安藤百福とインスタントラーメン発祥の地・大阪池田
2018年11月22日 更新

朝ドラ『まんぷく』のモデル!安藤百福とインスタントラーメン発祥の地・大阪池田

2018年10月より放送を開始したNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。インスタントラーメンを生み出した夫婦の物語を描き、ヒロインは安藤サクラさん演じる今井福子、夫・立花萬平を長谷川博己さんが演じます。モデルとされるのは、日清食品創業者・安藤百福氏とその妻・仁子さん。史実の2人はどんな人物だったのか、ゆかりの地・大阪府池田市のカップヌードルミュージアムで開催中の特別展とともに紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

立花萬平のモデルは「インスタントラーメンの父」と呼ばれた安藤百福

安藤百福(あんどう・ももふく)

安藤百福(あんどう・ももふく)

via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
朝ドラ『まんぷく』で、ヒロイン・今井福子の夫となる立花萬平のモデルとなったのが、日清食品株式会社の創業者である安藤百福です。

明治43(1910)年に日本統治下の台湾で生まれました。
幼くして両親を亡くし、祖父母の元で育てられた百福は、図書館司書などを経て、東洋莫大小(東洋メリヤス)という繊維会社を22歳で設立します。今では肌着や靴下にも使われておりポピュラーなメリヤスですが、当時はまだ知名度が低いものでした。しかし「今後必ずメリヤスが来る」という彼の読みは当たり、大成功を収めました。
以後、多岐にわたる事業を手がけた百福は、やがてベンチャービジネスの先駆けとなっていきます。

戦時下では軍需工場の経営などにも携わり、昭和20(1945)年の終戦前に妻・仁子と結婚。戦中・戦後には多くの苦難もありましたが、夫婦でこれを乗り切っていきます。

食の大切さに気づき、ラーメンに着目

「チキンラーメン」の初代パッケージ

「チキンラーメン」の初代パッケージ

via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
当時理事長をしていた信用組合が破綻し、無一文となってしまった百福は、戦後の食糧難のある一コマを思い出します。人々がラーメンの屋台に行列を作っていたその光景は、彼に大きなヒントを与えました。
食、とりわけ“麺”にニーズがあると確信した彼は、大阪・池田市の自宅敷地内に小屋を建て、朝から晩まで即席麺の研究に取り組むようになったのでした。

試作と失敗を繰り返すなかで、百福は、仁子が天ぷらを揚げている姿を見てはっとひらめきます。この原理を応用し、高温の油で揚げた麺に熱湯を注いで麺を柔らかくする「瞬間油熱乾燥法」を編み出したのでした。

こうして完成した世界初の即席麺は、昭和33(1958)年に「チキンラーメン」として発売されます。百福は宣伝の力にも着目し、TVスポンサーとなってCMを流し、チキンラーメンを一気に家庭に普及させることに成功したのでした。

その後、世界初のカップ麺「カップヌードル」や宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を開発した百福は、晩年まで食品業界をリードする存在であり続け、日清食品という大企業を育てあげたのです。
安藤百福の銅像

安藤百福の銅像

2007年、享年96歳で亡くなった百福。翌年、池田のカップヌードルミュージアム大阪池田には銅像が建てられました。
台座はカップヌードルの容器をかたどっており、百福の右手にはチキンラーメンが掲げられています。
via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社

インスタントラーメン発祥の地!大阪府池田市

カップヌードルミュージアム 大阪池田(安藤百福発明記念館)

カップヌードルミュージアム 大阪池田(安藤百福発明記念館)

カップヌードルミュージアム 大阪池田(安藤百福発明記念館)

via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
1999年、百福がチキンラーメンを開発した大阪府池田市に建てられたのが、「カップヌードルミュージアム 大阪池田」(安藤百福発明記念館)です。インスタントラーメンを生み出した研究小屋の再現や、百福に関する資料が数多く展示されています。
世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」誕生の地...

世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」誕生の地!百福が自宅敷地内に作った“研究小屋”を忠実に再現

via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
内部には、百福自身が開発のために揃えた道具も忠実に再現

内部には、百福自身が開発のために揃えた道具も忠実に再現

特別な設備がなくても、アイデアと情熱次第で世界的な発明を成し遂げることができると教えてくれます。
via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
百福ゆかりの品や写真が展示されている「安藤百福の軌跡」...

百福ゆかりの品や写真が展示されている「安藤百福の軌跡」コーナー

晩年の百福のトレードマークであるサングラスなどゆかりの品のほか、毎年一年の計を元旦に定め毛筆でしたためた「年頭所感」や、数々の勲章・表彰状が展示され、その軌跡を紹介しています。
via 写真提供:日清食品ホールディングス株式会社
日本人なら誰もが一度は食べたことがあるであろう「チキンラーメン」。その歴史が分かるこのミュージアムは、朝ドラを見ていない方でも一見の価値あり!
オリジナルの「チキンラーメン」や「カップヌードル」を作れる体験コーナーもあり、家族で楽しめますよ。もちろん、『まんぷく』をご覧の方は、ドラマがより面白くなること間違いありません。
27 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

ユカリノ編集部

ユカリノ編集部

全国各地の「ゆかりの」エピソードをほぼ毎日お届け。知ればもっと行きたくなる、歴史の聖地巡礼へご案内します! 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

朝ドラヒロインのモデル・広岡浅子、ゆかりの品から見える意外な一面とは?【後編】

朝ドラヒロインのモデル・広岡浅子、ゆかりの品から見える意外な一面とは?【後編】

平成27年後期連続テレビ小説「あさが来た」のモデルとなった広岡浅子。大阪市西区にある大同生命大阪本社ビルで開催中の「大同生命の源流“加島屋と広岡浅子”」では、加島屋と浅子のつながりと浅子の人柄がわかる品々が展示がされています。今回の後編では、ドラマでは見られなかった浅子の意外な一面に、歴史エッセイストの堀江宏樹さんが迫ります。
朝ドラヒロインのモデル、広岡浅子の生涯がわかる特別展示が開催中【前編】

朝ドラヒロインのモデル、広岡浅子の生涯がわかる特別展示が開催中【前編】

「びっくりぽん」でおなじみ、平成27年後期連続テレビ小説「あさが来た」(NHK)のモデルとなった広岡浅子。その浅子が創業に尽力した大同生命の大阪本社ビルで、現在特別展示「大同生命の源流“加島屋と広岡浅子”」が開催中。ドラマでは今までの考えに縛られない自由な人として描かれていた浅子ですが、実際はどんな人物だったのでしょうか?歴史エッセイストの堀江宏樹さんがレポートします!
文明開化の味!明治「牛鍋」事始め【偉人が愛した肉料理:第8回】

文明開化の味!明治「牛鍋」事始め【偉人が愛した肉料理:第8回】

毎月29日の「肉の日」にちなみ、食文化史研究家の永山久夫さんが偉人の愛した肉料理を紹介する連載。今回は、11月29日「良い肉の日」ということで、明治の偉人たちも愛した牛鍋に注目。文明開化の象徴として、“食わない奴は時代遅れ”とされた牛鍋の歴史を辿ります。
卑弥呼も食べていた?鳥肉の不老長寿効果【偉人が愛した肉料理:第7回】

卑弥呼も食べていた?鳥肉の不老長寿効果【偉人が愛した肉料理:第7回】

毎月29日の「肉の日」にちなみ、食文化史研究家の永山久夫さんが偉人の愛した肉料理を紹介する連載。今回は、邪馬台国の女王・卑弥呼も食べていたとみられる“鳥肉”に注目。長寿だったという卑弥呼や邪馬台国の人々。現代のアンチエイジングの参考にもなる、彼らの長寿の秘訣となった鳥肉料理とはどのようなものだったのでしょうか?
縄文グルメ、ブラボー!『縄文ハンバーグ』を作ってみた【偉人が愛した肉料理:第6回】

縄文グルメ、ブラボー!『縄文ハンバーグ』を作ってみた【偉人が愛した肉料理:第6回】

毎月29日の「肉の日」にちなみ、食文化史研究家の永山久夫さんが偉人の愛した肉料理を紹介する連載。昨今のジビエ&縄文ブームから、縄文人が食べていたといわれるイノシシ肉を使った料理に注目。第6回は、縄文時代も作られていたとみられる『縄文ハンバーグ』を実際に再現してみました!気になるその味とは…?
天ぷらのルーツも南蛮から!日本で愛されている料理の意外な歴史

天ぷらのルーツも南蛮から!日本で愛されている料理の意外な歴史

日本に初めて伝来した西洋料理、それが南蛮料理です。天文12年(1543)、種子島に鉄砲が伝来すると、戦国大名たちは競って海外からの文化を取り入れました。南蛮料理もそうした南蛮文化のひとつ。主にポルトガル人によってもたらされたといわれています。日本食だと思っていたあの料理も、実は南蛮が由来だった…!?
平安美女・小野小町の美容食は『熊の掌』だった!【偉人が愛した肉料理:第5回】

平安美女・小野小町の美容食は『熊の掌』だった!【偉人が愛した肉料理:第5回】

毎月29日の「肉の日」にちなみ、食文化史研究家の永山久夫さんが偉人の愛した肉料理を紹介する連載。第5回は小野小町が食べていたといわれる『熊の掌』です。コラーゲン豊富で女性におすすめという熊の掌、小町の美の秘訣はその食べ方にあった?
お土産にぴったり!『北海道150年』今しか買えない限定お菓子3選

お土産にぴったり!『北海道150年』今しか買えない限定お菓子3選

夏に人気の観光地・北海道。2018年は「北海道」命名150年ということで、道内各地で記念のグッズが販売されています。なかには期間・数量限定で今しか購入できないものも。今回はその中から、夏休みの旅行のお土産におすすめしたい限定お菓子をご紹介します。
西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店

西郷隆盛も好物のスイカを買っていた日本橋・千疋屋総本店

夏といえばスイカ。その歴史は古く、あの西郷隆盛も好物だったといいます。西郷が江戸に住んでいた際、スイカを購入したといわれるのが、皆さんもご存知のあの有名果物店でした。今回は西郷とスイカにまつわるエピソードを紹介します。
清少納言も徳川将軍も!いつの時代も夏はやっぱりかき氷

清少納言も徳川将軍も!いつの時代も夏はやっぱりかき氷

7月25日は「夏氷」という語呂合わせから「かき氷の日」とされています。暑い夏を乗り切るため、涼を求めて食べるかき氷。甘いシロップがかかった冷たい氷を一口食べるだけで涼しさを感じますね。平安時代から食べられていたというその歴史や、当時の食べ方などをご紹介します。