首長おばけも登場!夏に開催するちょっとコワい奇祭5選【日本名珍祭り図鑑】
2018年8月1日 更新

首長おばけも登場!夏に開催するちょっとコワい奇祭5選【日本名珍祭り図鑑】

祭り写真家の芳賀日向さんが、日本全国よりその土地ならではの珍しい祭りを紹介する連載。今回は、夏に開催されるご当地伝統のお祭りから、お化けや仮面、あの世からの亡者も登場するちょっとコワい奇祭を5つご紹介します。

芳賀日向芳賀日向

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夏といえば怪談話。庶民の間で怪談話が始まったのは江戸時代からです。
芝居小屋は暑くて人が入らないため、有名役者も出演がなく休暇を取っていました。そこで始まったのが怪談話。歌舞伎でも「うらめしゃ~」とお岩さんが登場する四谷怪談など、江戸を舞台とした怪談話が人気の定番となりました。

そしてお盆には、あの世からご先祖様の魂が帰り、ご先祖様と一緒にいろいろな悪霊や魂を弔ってもらえなかった亡者もこの世に現れます。盆踊りは、祖先の霊を慰めて供養するために踊りますが、足で地面を強く踏みます。これは大地の中の悪霊を鎮めるためなのです。
このような意味をもつ日本の夏のお祭りには、いろいろと怖いものが登場します。今回はそれらを開催日が早い順に5つご紹介しましょう。

首長お化け出現!?「大四日市まつり」(三重県四日市市)

写真提供:芳賀ライブラリー (22683)

via 写真提供:芳賀ライブラリー
8月第1日曜日を含む土日に三重県四日市市に現れるのは、背の高さ9mもある大入道。大入道は四日市の祭りで一番の人気者です。
昔この町には子供たちにいたずらをする狸がいたので、追い払うために町の人形師が大入道の人形を作って引きまわしたとも、200年以上も前に祭りの余興として地域の人が考えたともいわれています。
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四辻では首がするすると伸び、目玉をひんむいて、長い舌をぺろりと出します。大入道の乗る山車には妖怪やお化けの彫刻があり、山車の中には人形を操る人形師や銅鑼や太鼓を叩く人がいます。
(写真提供:芳賀ライブラリー)
開催日:2018年8月4日(土)、5日(日)
場所:四日市駅近辺

優美な亡者踊り「西馬音内盆踊り」(秋田県羽後町)

撮影:芳賀日向 (22695)

via 撮影:芳賀日向
8月16から18日にかけて、秋田県羽後町の細い通りにかがり火を囲んだ長い踊りの輪ができます。

櫓(やぐら)からは艶っぽい歌詞の音頭が流れてきます。編み笠で顔を隠して踊る女性の手は美しく、指がすらっと伸びています。衣装は代々使われてきた着物の切れ端を縫い合わせた「端縫い」で、母から娘へと受け継がれています。

踊りの輪の中で、異色なのが黒の彦三頭巾をすっぽりかぶって目だけ出して踊る男女。盆の夜に、この世に現れた亡者といわれています。月夜を飛ぶ雁(かり)の姿を踊りで表したという亡者踊りの「雁形(がんけ)」は妖艶です。
撮影:芳賀日向 (22696)

via 撮影:芳賀日向
開催日:毎年8月16日~18日
場所:秋田県雄勝郡羽後町

子供が連れ去られる!?「ヨッカブイ」(鹿児島県南さつま市)

写真提供:芳賀ライブラリー (22691)

via 写真提供:芳賀ライブラリー
毎年8月22日、南さつま市金峰町のあちこちで子供の悲鳴が聞こえます。
ヤシの葉のシュロで作られた頭巾をかぶった奇妙な姿の青年が、カマスという稲もみを入れる袋を持って登場。奇声をあげて子供たちに襲いかかり、袋に子供を入れて連れ去ろうとします。
子供にとって、これはとても怖いのでしょう。大声で泣き出します。

彼らは「ヨッカブイ」と呼ばれる大河童。昔、河童が悪さをして子供を川に引きずり込んだとのいわれにちなみ、捕まった子供は水難に遭わないといわれる、実はありがたいお祭りなのです。
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芳賀日向

芳賀日向

はがひなた。祭り写真家。1956年長野県生まれ。米国西イリノイ大学文化人類学科卒業。30年間に渡り世界の祭り48ヵ国、日本各地の祭りを撮り続ける。週刊朝日百科『日本の祭りシリーズ』連載(朝日新聞出版)、『祭りを撮る』監修(旅行読売出版社)、『日本全国祭り図鑑』監修(フレーベル館)など。写真展「世界のカーニバル」、「被災地の夏祭り」(キヤノン)他。日本写真家協会会員。 公式

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