第13回:高杉晋作や攘夷志士たちも集った品川宿【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】
2018年4月14日 更新

第13回:高杉晋作や攘夷志士たちも集った品川宿【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第13回は、高杉晋作ゆかりの地・品川宿周辺。高杉ゆかりの地といえば山口県下関市が有名ですが、東京にもゆかりの地があります。仲間たちと密議をしていた品川宿や、焼き討ち事件の現場・英国公使館跡など、今回は高杉を中心に、北品川の幕末維新史跡をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

高杉晋作、攘夷の地・品川

東海道一番目の宿場として、また海運・漁業の町としても栄えた品川宿。西国へ通じる陸海の玄関口だった品川には、さまざまな人が立ち寄りました。
品川宿入り口を示す石碑

品川宿入り口を示す石碑

京急線・北品川駅の改札を左に出ると、すぐに品川宿の案内板が見えてきますよ。踏切を渡った突き当たりが旧東海道です。
via 提供:小栗さくら
旧東海道の道幅をそのまま残す北品川本通り商店会

旧東海道の道幅をそのまま残す北品川本通り商店会

道幅は当時とほぼ変わらない7メートルだそうです。
via 提供:小栗さくら
大河ドラマ「西郷どん」で、西郷が江戸に着いて早々連れて行かれた場所が品川宿の妓楼でしたね。「北の吉原、南の品川」と称されるほど、品川は遊興の町としても栄えていました。

長州藩の高杉晋作も、何度も品川宿を訪れています。ここで高杉は仲間とともに密議をし、攘夷を行動に移すことになるのです。
今回は高杉晋作を中心に、北品川の幕末維新史跡をご紹介します。

志士たちの集結地となった「土蔵相模跡」

土蔵相模跡

土蔵相模跡

北品川駅方面から歩くと、最初に目に入るのが「土蔵相模跡」の石碑です。
品川宿きっての大旅籠「相模屋」は、なまこ壁の外観が土蔵のように見えたため「土蔵相模」と呼ばれていたとか。

現在はマンションとコンビニになっています。
via 提供:小栗さくら

一度目の攘夷計画

この土蔵相模で、高杉晋作は二度も攘夷の計画・実行をしたといわれています。
一度目の攘夷決行は、文久2年(1862)11月13日。すでに生麦事件で薩摩藩が攘夷を実行していたため、高杉は自分たちも外国人を襲撃して攘夷を示そうとしたのです。ところがこれは土佐藩を通じて計画が露見したため、襲撃前に連れ戻されます。
高杉たちが連れ戻された梅屋敷

高杉たちが連れ戻された梅屋敷

北品川駅から8駅先の梅屋敷。長州藩の世子・毛利定広が待つ梅屋敷に高杉たちは連れ戻されました。
品川を巡るときに、少し足をのばして行ってみるのも良いですね。
via 提供:小栗さくら

あきらめない、二度目の攘夷

土蔵相模跡。桜田門外の変の前日に水戸浪士たちが気勢をあ...

土蔵相模跡。桜田門外の変の前日に水戸浪士たちが気勢をあげたのもこの場所でした。

via 提供:小栗さくら
外国人襲撃計画により謹慎となった高杉でしたが、毛利定広が江戸を離れると、再び攘夷を計画します。実行日は12月12日。前回の実行からわずかひと月というのですから驚きです。

前回は金沢(横浜)へ名所見物へ行く外国人を狙おうとしていましたが、今回は建設中のイギリス公使館を焼き討ちするという計画でした。この計画に参加していたのは久坂玄瑞、井上馨、伊藤博文ら13名。彼らは深夜、焼玉などを手に土蔵相模に集結し、焼き討ちを実行に移します。

焼き討ち事件の現場、御殿山・英国公使館へ

かつては行楽地だった「御殿山」、現在は…

37 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

高杉晋作の恋文もお披露目!「長州幕末女子会 in TOKYO」レポート

高杉晋作の恋文もお披露目!「長州幕末女子会 in TOKYO」レポート

高杉晋作や吉田松陰など、維新志士を輩出した長州藩。その山口県により、2018年の明治維新150周年事業のPRとして、「長州幕末女子会 in TOKYO」が11月4日(土)、世田谷区民会館で開催されました。高杉晋作の恋文についての貴重な講演や、松陰神社の散策、またサプライズとして高杉本家のご子孫も登場するなど、幕末好き歴女の熱気に包まれた当日の様子をお届けします。
日本の「パン祖」江川英龍が焼いたパンとは?パンを愛した偉人たち

日本の「パン祖」江川英龍が焼いたパンとは?パンを愛した偉人たち

天保13年(1842)4月12日、あるパンが焼きあげられました。「兵糧パン」と呼ばれたそのパンこそ、日本人が初めて作ったパンだったのです。世界遺産・韮山反射炉の製造で知られる幕末の才人・江川英龍は、パンの製造にも目をつけていました。どんな経緯で生まれたのか、またその他の偉人とパンのエピソードもご紹介します。
第11回:徳川慶喜らが眠る谷中霊園【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

第11回:徳川慶喜らが眠る谷中霊園【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第11回は東京都台東区にある谷中霊園です。江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜をはじめ、数多くの有名人が眠るこの霊園。今回は慶喜と、彼の忠臣であり「日本資本主義の父」といわれた渋沢栄一、さらに宇和島藩の名君・伊達宗城の墓所をご案内します。
【生誕地・長野県松代にて祭神として祀られた】幕末の天才兵学者・佐久間象山

【生誕地・長野県松代にて祭神として祀られた】幕末の天才兵学者・佐久間象山

幕末を代表する兵学者であり、勝海舟、坂本龍馬などに多大な影響を与えた佐久間象山。「天才」とその才能を称賛されたにもかかわらず、暗殺され、佐久間家は断絶。しかし後にその功績が評価されるとともに、生誕地・長野県松代には彼を祭神として祀る象山神社が建てられました。天才ゆえにトラブルの絶えなかった象山の生涯と、象山神社をご紹介します。
リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

リニューアルオープン!企画展ラッシュ!この春行きたい博物館&美術館

江戸東京博物館、高知県立坂本龍馬記念館、仙台市博物館と、長らく休館していた人気の博物館がついにリニューアルオープン!さらに国立博物館での大型展や、専門美術館の個性的な企画展など、歴史好きには嬉しいニュースがもりだくさんのこの春。週末やGWに向け、お出かけの計画にぜひお役立てください。
第10回:エピソード満載!早稲田大学創設者・大隈重信ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

第10回:エピソード満載!早稲田大学創設者・大隈重信ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第10回は大隈重信ゆかりの地です。早稲田大学創設者であり、総理大臣に二度も就任している大隈は、日本で初めて始球式を行うなど、エピソードの宝庫でもあります。青年時代から新政府の中枢に入るまでの、とくに興味深いエピソードとゆかりの地をご紹介します。
幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末から明治にかけて、数多くの人材を輩出した肥前佐賀藩。その中でも中心的な役割を果たした7人を「佐賀の七賢人」と呼びます。幕末の佐賀藩主・鍋島直正や、早稲田大学創設者の大隈重信などの有名人から知られざる?人物まで、七賢人をまとめてご紹介。3月17日(土)から始まる「肥前さが幕末維新博覧会」の予習にどうぞ!
第9回:戊辰戦争を戦い抜いた異色の幕臣・大鳥圭介ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

第9回:戊辰戦争を戦い抜いた異色の幕臣・大鳥圭介ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第9回は大鳥圭介ゆかりの地です。新選組の土方歳三が戦死したことで知られる函館戦争。そのとき旧幕府軍・総裁だったのが榎本武揚、陸軍奉行だったのが大鳥圭介でした。「全身これ肝」といわれ、幕臣となって戊辰戦争を戦い抜いた大鳥の生涯とゆかりの地をご紹介します。
第8回:時代に翻弄された皇女和宮と大奥の女性たち【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

第8回:時代に翻弄された皇女和宮と大奥の女性たち【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第8回は、皇女和宮ゆかりの地。幕末には、多くの人が時代の流れに翻弄されましたが、それは大名や志士たちだけではなく天皇家や公家も例外ではありませんでした。今回は、許嫁との婚約を破棄して徳川に嫁ぐこととなった、皇女和宮の生涯とゆかりの地とともに、大奥の女性たちについてもご紹介します。
『西郷どん』劇団ひとりの演技も話題!ジョン万次郎の波乱万丈すぎる生涯

『西郷どん』劇団ひとりの演技も話題!ジョン万次郎の波乱万丈すぎる生涯

日本人で最初にアメリカの地を踏んだといわれるジョン万次郎。大河ドラマ「西郷どん」では劇団ひとりさんが演じ、話題になっています。島津斉彬や坂本龍馬に影響を与え、黒船来航時には幕府にも貢献するなど、幕末維新になくてはならなかった万次郎。その波乱の生涯と共に、ゆかりの地をご紹介します。