高杉晋作や攘夷志士たちも集った品川宿【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第13回】
2018年7月27日 更新

高杉晋作や攘夷志士たちも集った品川宿【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち:第13回】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第13回は、高杉晋作ゆかりの地・品川宿周辺。高杉ゆかりの地といえば山口県下関市が有名ですが、東京にもゆかりの地があります。仲間たちと密議をしていた品川宿や、焼き討ち事件の現場・英国公使館跡など、今回は高杉を中心に、北品川の幕末維新史跡をご紹介します。

小栗さくら小栗さくら

高杉晋作、攘夷の地・品川

東海道一番目の宿場として、また海運・漁業の町としても栄えた品川宿。西国へ通じる陸海の玄関口だった品川には、さまざまな人が立ち寄りました。
品川宿入り口を示す石碑

品川宿入り口を示す石碑

京急線・北品川駅の改札を左に出ると、すぐに品川宿の案内板が見えてきますよ。踏切を渡った突き当たりが旧東海道です。
via 提供:小栗さくら
旧東海道の道幅をそのまま残す北品川本通り商店会

旧東海道の道幅をそのまま残す北品川本通り商店会

道幅は当時とほぼ変わらない7メートルだそうです。
via 提供:小栗さくら
大河ドラマ「西郷どん」で、西郷が江戸に着いて早々連れて行かれた場所が品川宿の妓楼でしたね。「北の吉原、南の品川」と称されるほど、品川は遊興の町としても栄えていました。

長州藩の高杉晋作も、何度も品川宿を訪れています。ここで高杉は仲間とともに密議をし、攘夷を行動に移すことになるのです。
今回は高杉晋作を中心に、北品川の幕末維新史跡をご紹介します。

志士たちの集結地となった「土蔵相模跡」

土蔵相模跡

土蔵相模跡

北品川駅方面から歩くと、最初に目に入るのが「土蔵相模跡」の石碑です。
品川宿きっての大旅籠「相模屋」は、なまこ壁の外観が土蔵のように見えたため「土蔵相模」と呼ばれていたとか。

現在はマンションとコンビニになっています。
via 提供:小栗さくら

一度目の攘夷計画

この土蔵相模で、高杉晋作は二度も攘夷の計画・実行をしたといわれています。
一度目の攘夷決行は、文久2年(1862)11月13日。すでに生麦事件で薩摩藩が攘夷を実行していたため、高杉は自分たちも外国人を襲撃して攘夷を示そうとしたのです。ところがこれは土佐藩を通じて計画が露見したため、襲撃前に連れ戻されます。
高杉たちが連れ戻された梅屋敷

高杉たちが連れ戻された梅屋敷

北品川駅から8駅先の梅屋敷。長州藩の世子・毛利定広が待つ梅屋敷に高杉たちは連れ戻されました。
品川を巡るときに、少し足をのばして行ってみるのも良いですね。
via 提供:小栗さくら

あきらめない、二度目の攘夷

土蔵相模跡。桜田門外の変の前日に水戸浪士たちが気勢をあ...

土蔵相模跡。桜田門外の変の前日に水戸浪士たちが気勢をあげたのもこの場所でした。

via 提供:小栗さくら
外国人襲撃計画により謹慎となった高杉でしたが、毛利定広が江戸を離れると、再び攘夷を計画します。実行日は12月12日。前回の実行からわずかひと月というのですから驚きです。

前回は金沢(横浜)へ名所見物へ行く外国人を狙おうとしていましたが、今回は建設中のイギリス公使館を焼き討ちするという計画でした。この計画に参加していたのは久坂玄瑞、井上馨、伊藤博文ら13名。彼らは深夜、焼玉などを手に土蔵相模に集結し、焼き討ちを実行に移します。

焼き討ち事件の現場、御殿山・英国公使館へ

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小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

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