【祝・世界遺産候補】百舌鳥・古市古墳群はここがすごい!
2018年4月13日 更新

【祝・世界遺産候補】百舌鳥・古市古墳群はここがすごい!

2017年7月31日、文化庁は再来年の世界文化遺産への登録を目指して、「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)が推薦されることが決定しました。4世紀後半から5世紀後半にかけて造られた49基に上る古墳群。登録されれば大阪府初の世界遺産になります。今回はこの「百舌鳥・古市古墳群」をひと足お先に紹介します。

ユカリノ編集部ユカリノ編集部

決定すれば大阪府初の世界遺産に

【仁徳天皇陵古墳】百舌鳥エリアの中央部に位置する日本最大の巨大前方後円墳。墳丘長は486m、濠を含めた全長は840m。墳丘の周囲は三重の濠が取り囲む。江戸時代の史料には、後円部には大型の石棺があるという記録があり、明治時代には前方部で竪穴式石室が発見され、石室の中に長持形石棺や金銅装の甲冑をはじめとする副葬品が納められていたことが確認された。
「百舌鳥・古市古墳群」は、大阪府・堺市と羽曳野市、それに藤井寺市にまたがる古墳群で、4世紀から5世紀にかけて築かれたといわれます。

なかでも、仁徳天皇陵とされる陵墓は全長486mに及ぶ前方後円墳で、エジプトのクフ王のピラミッドや、中国の秦の始皇帝陵と並ぶ世界最大級の王の墓とされています。

また、周囲にある円墳や方墳などは埋葬された人物の地位により大きさや形がさまざまで、日本における古代王権の成り立ちを表す遺跡ともいわれています。

国内の世界遺産は、文化遺産と自然遺産合わせて21件ですが、近畿2府4県では大阪府にだけ世界遺産がなく、こちらが決定すれば初の世界遺産となります。

祝・世界遺産候補というわけで、今回は、貴重な古代遺産である「百舌鳥・古市古墳群」のすごさをご紹介します。

国内ベスト3が揃うスケール大な古墳群

【応神天皇陵古墳】古市エリアの中央部に位置する、日本第2位の大きさの前方後円墳。墳丘長は425m、後円部の高さは36m。墳丘の体積は143万平方mで、国内第1位である。墳丘の周囲に二重の濠と堤をもつ。1万8千本以上の円筒埴輪が並べられていたと推定される。築造時期は5世紀前半。
百舌鳥・古市古墳群は、大阪の南部、堺市、羽曳野市、藤井寺市の3市にまたがるほどの巨大古墳群です。堺市の「百舌鳥古墳群」と羽曳野市・藤井寺市の「古市古墳群」と、2つのエリアに分かれながらも、一体性・連続性をもっているのが特徴です。

この一帯は、4世紀後半から6世紀前半にかけて200基を超える古墳が築造されましたが、現在でも89基の古墳が残っています。

国内最大の全長486mの仁徳天皇陵古墳につ続き、2位の応神天皇陵古墳は全長425m、3位の履中(りちゅう)天皇陵古墳は全長365mと、ベスト3がここ、百舌鳥・古市古墳群にあるのです。

全長が200mを超える古墳は全国に40基近くありますが、うち11基は百舌鳥・古市古墳群に存在し、これほど巨大前方後円墳が集中している地域は国内では他にないそうです。
【履仲天皇陵古墳】百舌鳥エリアの南西部に位置する日本第3位の巨大前方後円墳。墳丘長は365m、後円部の高さは27.6m。築造時には二重の周濠があった。見つかった形象埴輪のうち、矢を収納する靫(ゆぎ)の形をした靫形埴輪は高さ1.4mもある大型のもの。築造時期は5世紀前半。

前方後円墳、円墳、方墳とバラエティ豊か!

巨大な古墳の多くは、複数の「濠(ほり)」と、その周囲に「陪塚(ばいちょう)」と呼ばれる中小の古墳をともなっています。

百舌鳥・古市古墳群は、巨大な前方後円墳を核として、小規模の円墳(円形の古墳)、方墳(四角形の古墳)にいたるまで、特にバラエティー豊かな古墳で構成されているのも特徴です。墳丘の大きさや濠の多重化、陪塚の多数配置は、古墳築造の最盛期を表しているといわれています。


また、立地にも特徴があり、「百舌鳥古墳群」は大阪湾を望む台地上に、「古市古墳群」は丘陵や台地上に立地し、古墳の巨大さを引き立てる場所を選んだと考えられています。

古代の天皇が眠る場所

【二サンザイ古墳】百舌鳥エリアの南東の端に位置する巨大前方後円墳。墳丘長は約300m、前方部の高さは25.9m。築造時には二重の周濠があった。発掘調査の結果、後円部東側の濠の中から墳丘と堤をつなぐ大きな木橋の痕跡が発見された。また、墳丘に造られた平坦面から隙間なく並べられた円筒埴輪がみつかった。築造時期は5世紀後半。
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