戊辰戦争終結の地・函館に残る榎本武揚や土方歳三…旧幕府軍ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】第16回
2018年6月27日 更新

戊辰戦争終結の地・函館に残る榎本武揚や土方歳三…旧幕府軍ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】第16回

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第16回は、戊辰戦争最後の地・函館にある、榎本武揚や土方歳三たち旧幕府軍ゆかりの地をご紹介します。2019年は箱館戦争終結、そして土方歳三没後150年の年。改めてその最期の舞台を巡ってみてください。

小栗さくら小栗さくら

1869年6月27日(明治2年5月18日)「箱館戦争」が終結しました。これにより、1年4ヶ月続いた旧幕府軍と新政府軍の戊辰戦争が終わり、本当の意味で江戸時代が幕を閉じました。

新政府との最後の交渉を務めたのは、旧幕府脱走軍の総裁をつとめていた榎本武揚(えのもとたけあき)。
今回は、榎本や新選組など旧幕府軍ゆかりの函館史跡をご紹介します。

見た目も美しい五稜郭

五稜郭タワーから見た五稜郭

五稜郭タワーから見た五稜郭

via 提供:小栗さくら
函館最大の観光スポットといえば五稜郭(ごりょうかく)。その形の美しさ、桜や雪といった四季折々の彩りも人気のひとつですよね。西洋の香りがするこの五稜郭が作られたのは幕末でした。

ペリー来航後、箱館を開港することになった幕府は、外国との交渉や蝦夷地(北海道)を守るため「箱館奉行」を設置します。その後移転した箱館奉行所や、その周辺を守る役割として作られた要塞が五稜郭なのです。
復元された箱館奉行所

復元された箱館奉行所

箱館奉行所は、箱館戦争終結2年後に解体されました。

現在のものは復元ですが、この奉行所の真下には、当時の奉行所の遺構がそのまま残っています。復元の際には、設計・木材の調達などもなるべく忠実に再現したそうですよ!
via 提供:小栗さくら

日本初の選挙で、榎本武揚が総裁に!

五稜郭跡

五稜郭跡

via 提供:小栗さくら
榎本武揚ら旧幕府軍が蝦夷についた頃、すでに五稜郭には新政府が設置した箱館府がありましたが、明治元年10月、旧幕府軍が五稜郭を占拠します。以後、五稜郭は彼らの降伏まで本営となりました。

その後旧幕府軍は、入札(いれふだ)、つまり「選挙」によって役職を決めます。ともすると考え方が旧式だと思われがちな幕府側ですが、なんと日本初といえる選挙はこの時行なわれたのですね(ただし幹部による選挙)。
これにより、榎本武揚は総裁、大鳥圭介は陸軍奉行、土方歳三は陸軍奉行並(ほか二役)となりました。
土方歳三銅像(五稜郭タワー)

土方歳三銅像(五稜郭タワー)

via 提供:小栗さくら

降伏へ向かう榎本

 (21698)

幕末期の榎本武揚
明治2年(1869)5月17日、榎本武揚ら幹部は新政府軍と降伏について話し合います。そして翌18日、五稜郭は開城。これをもって箱館戦争は終結することになります。
この日の早朝、榎本ら4人は、整列する脱走軍兵士に見送られて五稜郭を後にしたといわれています。

函館にある「最後の地」

函館山から見た五稜郭方面

函館山から見た五稜郭方面

via 提供:小栗さくら
50 件

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

小栗さくら

小栗さくら

中学生時代に司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』を読んで以来、歴史に興味を持つ。 駒澤大学歴史学科卒業と同時に博物館学芸員資格を取得。 現在『歴史タレント』として、TVやCMに出演。また、イベント司会、講演会、コラム執筆と幅広く活躍中。 諏訪市公認キャラクター・諏訪姫の声優も務めている。 タレント活動と並行し「さくらゆき」というアーティスト名で歴史をテーマにした楽曲の発信、ライブ等を行っている『歴史系アーティスト』でもある。 公式

関連する記事 こんな記事も人気です♪

函館・五稜郭、松前城…土方歳三最期の地・北海道の足跡を辿る

函館・五稜郭、松前城…土方歳三最期の地・北海道の足跡を辿る

『ゴールデンカムイ』『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚・北海道編ー』など、コミック界で盛り上がりをみせる幕末・明治維新期の北海道。ここは旧幕府軍と新政府軍が激突した戊辰戦争の終焉地であり、旧幕府軍として戦った土方歳三の最期の地でもあります。北海道に上陸してから最期まで、土方の足跡を辿ります。
【 大政奉還150周年記念 】二条城もライトアップ!10月の幕末維新イベントまとめ

【 大政奉還150周年記念 】二条城もライトアップ!10月の幕末維新イベントまとめ

幕末維新150周年の今年。特に10月14日(慶応3年)は大政奉還の日とあって、10月は日本各地で幕末維新関連のイベントが開催されます。大政奉還の舞台となった京都や、龍馬の出身地・高知はもちろん、それぞれの国で起こった出来事や行動を起こした人物の貴重な史料が紹介されるなど、さまざまな角度から幕末維新を知ることができます。この貴重な機会に、ぜひ足を運んでみませんか?
隊士たちの駆け抜けた跡が残る街!新選組ゆかりの地めぐり【京都編】

隊士たちの駆け抜けた跡が残る街!新選組ゆかりの地めぐり【京都編】

ダンダラ模様の入った浅葱色の羽織と「誠」の字が入った隊旗をシンボルに、幕末の京の街を闊歩した新選組。彼らの輝きと足跡がしっかりと刻まれた京都で、ゆかりの地を巡ってみましょう。
近藤、土方たちのルーツをたどる!新選組ゆかりの地めぐり【東京編】

近藤、土方たちのルーツをたどる!新選組ゆかりの地めぐり【東京編】

数々の映画や小説、大河ドラマや漫画・ゲームの題材になるなど、人気抜群の新選組。浅葱色のダンダラ模様が特徴的です。特に女性人気も高く、ゆかりの地を巡るファンも多いですよね。幕末、彼らの活躍の場は主に京都でしたが、近藤勇や土方歳三、沖田総司など中心メンバーは若かりし頃を江戸で過ごしました。今回は、東京にある新選組ゆかりの地をご紹介します。
【会津と土佐、衝突の危機?】明保野亭事件の悲劇

【会津と土佐、衝突の危機?】明保野亭事件の悲劇

1864年7月13日、京都で起こった明保野亭事件。これは実に奇妙な事件であり、同時に悲しい結末を迎えた事件でもあります。当事者は、新選組・会津藩・土佐藩。激動の幕末で起きてしまった明保野亭事件の概要とその舞台となった明保野亭をご紹介します。
戊辰戦争150周年の今こそ見るべき!国立公文書館『戊辰戦争―菊と葵の500日―』展

戊辰戦争150周年の今こそ見るべき!国立公文書館『戊辰戦争―菊と葵の500日―』展

明治維新、そして戊辰戦争から150年の今年、全国各地で関連イベントが開催されています。2018年5月26日~6月30日まで東京・国立公文書館では「戊辰戦争―菊と葵の500日―」と題した企画展が開催中。日本各地で行われた戦闘の記録や、参加した人物にまつわる資料から、戊辰戦争の実像に迫ります。同館ならではの豊富な所蔵品は必見!その展示内容をレポートします。
全国から新選組ファンが大集結!「ひの新選組まつり」レポート

全国から新選組ファンが大集結!「ひの新選組まつり」レポート

新選組副長・土方歳三が生まれた地であり、局長・近藤勇や沖田総司らが腕を磨いた天然理心流の道場があった東京・日野。彼らの故郷といえるこの地で、今年も「ひの新選組まつり」が5月12日(土)と13日(日)に開催されました。ファンなら参加せずにはいられない!メインとなる13日(日)の模様をお届けします。
新選組局長・近藤勇墓所と「新選組諸隊士供養祭」レポート

新選組局長・近藤勇墓所と「新選組諸隊士供養祭」レポート

最期は板橋宿に連行され、斬首刑となった新選組局長・近藤勇。処刑の前日に移された場所には、近藤の墓とともに永倉新八による供養塔が建てられています。毎年、近藤の命日である旧暦4月25日または直前の日曜には供養祭が行われ、今年も4月22日(日)に開催されました。その模様と周辺にある近藤ゆかりの地をご紹介します。
幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末維新に活躍した肥前佐賀藩の先人「佐賀の七賢人」まとめ

幕末から明治にかけて、数多くの人材を輩出した肥前佐賀藩。その中でも中心的な役割を果たした7人を「佐賀の七賢人」と呼びます。幕末の佐賀藩主・鍋島直正や、早稲田大学創設者の大隈重信などの有名人から知られざる?人物まで、七賢人をまとめてご紹介。3月17日(土)から始まる「肥前さが幕末維新博覧会」の予習にどうぞ!
第9回:戊辰戦争を戦い抜いた異色の幕臣・大鳥圭介ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

第9回:戊辰戦争を戦い抜いた異色の幕臣・大鳥圭介ゆかりの地【小栗さくらがゆく!幕末維新のみち】

歴史タレント・小栗さくらが、幕末維新ゆかりの場所を旅する連載。第9回は大鳥圭介ゆかりの地です。新選組の土方歳三が戦死したことで知られる函館戦争。そのとき旧幕府軍・総裁だったのが榎本武揚、陸軍奉行だったのが大鳥圭介でした。「全身これ肝」といわれ、幕臣となって戊辰戦争を戦い抜いた大鳥の生涯とゆかりの地をご紹介します。